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新春トップインタビュー

狙った獲物は外さない 〜会社も人生も基本は同じ〜

大和製衡(株) 川西勝三社長に聞く(4)

聞き手は高松宏之編集部長

日本計量新報 2009年1月18日2757号4面掲載

問題解決のカギは技術力アップ

生産性アップとは、2ラインの1ライン化だ

具体的にいうと、「2ラインの1ライン化」です。

いままで2ラインでものづくりをしていたならば、同じ製品を1ラインでつくることができる能力を確保することです。つまり、能力アップをはかることです。1分あたり100の生産能力であれば、それを200の生産能力に上げようということです。生産能力を倍にアップすることは、2ラインを1ライン化するということです。

生産性のアップとは能力アップ

これが一番大きなテーマです。技術立国として、そこに革新の技術を投入しなければなりません。これがユーザーにとっても、国にとっても総ての嵐を解決する方法です。

仮に1ラインの生産能力が倍になると、新工場を建設する場合、必要な土地と建物の面積は半分ですみます。エネルギーコストも半分になります。労働力も半分ですみますから、少子高齢化社会でも大丈夫です。労働力不足も解決します。当然、設備に対する使用資源や工場建物の建築コストも半分ですみます。

つまり、生産性のアップとは能力アップのことなのです。これまで分析してきた嵐は一時的なものではありません。今後永続的に解決が求められる嵐です。これらの問題を乗り越えていくためには、国としての技術立国の道を再確認し、個々の企業は、処理する速度を2倍にする必要があります。これは当然、ユーザーにとっても良い話です。

本当の企業力は、信用力や技術力

当社はこの方針で、10年以上前から、今後の社会に役立つ技術、大和製衡の競争力を高める技術はどうあるべきか、ということを絞り込んできています。

本当の企業力というものは、バランスシートという勘定科目で表されるものだけではありません。それは信用力とか技術力です。

技術力は相続税がかからない相続財産

技術力は企業にとって、バランスシートには載らない、相続税がかからない相続財産です。次の世代に、確かな技術を伝えていかなければなりません。

 

将来に果実を産む技術力のことを、ものづくり企業の経営者は常に考えていなければなりません。何度も強調します。5年先、10年先のビジネスにプラスになる頭脳、ノウハウが大事です。

現在の嵐は逆に、今何が重要かというテーマをわれわれに与えているのです。嵐で苦しいと考えるのではなく、嵐はわれわれに絶好の問題提起をしてくれていると考えるべきです。

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