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新春トップインタビュー

狙った獲物は外さない 〜会社も人生も基本は同じ〜

大和製衡(株) 川西勝三社長に聞く(6)

聞き手は高松宏之編集部長

日本計量新報 2009年1月25日2758号3面掲載

スポーツ経営で目標を実現

経営者に必要なのは「推測判断力」

−−良い経営者の条件とはなんでしょうか。

経営者に必要なのは、何をやったらどうなるのかということを正しく判断する「推測判断力」です。これが大事です。現在やっていることをベストを尽くしてやるだけではダメなのです。

良い経営者は人間としての自分を創る

良い経営者とはなんでしょうか。これを狭く捉えてはいけません。自分の精神、主義、思想、これらを総合的に高めてこそ、良い経営者になれると思います。自分を人間として築いていく、創りあげていくということです。

経営者は文化人たれ

経営者は文化人でなくてはいけないというのが、私の持論です。金勘定が上手なだけでは国際企業の経営者としては認められません。

その人の人格が何によって形成されているかということです。これは自分の人生の幸せや充実感のためにも、良い経営者になるためにも大事なことです。

私が文化人という場合の文化は、人それぞれの持ち分の文化のことです。文化の高低の比較は必要ありません。

スポーツの純粋さに学べ

文化の良さに関してわかりやすく説明すると、日本の国旗や国歌に関して、歴史的な経緯も含めて政治の場などでは、さまざまな議論がなされています。

しかし、スポーツの世界、オリンピックやワールドサッカーの場では状況がまるで違います。私も実際に体験して驚きました。ほとんどが20歳前後の5万人ほどの観客が、日本、日本と連呼してウェーブをしていました。すさまじいほどの純粋なエネルギーです。2つのチームの国旗掲揚に対しても、自然に起立して頭を垂れています。これが自然な感情でおこなわれているのです。そこには、政治の場の姑息な意図や強制などは少しもありません。強制などしなくても、まったく自然な感情での行動なのです。ここに人間の真理の本質があります。

スポーツの純粋な世界、純粋なパワーに、政治の世界はまったく負けていると思います。スポーツに限りません。音楽でも絵画でも、芸術の世界も同じです。そこには純粋な感動があります。これが文化の力です。

企業もスポーツのチームワークから学べ

スポーツでもう一つ例をあげます。チームワークです。高校野球に限りませんが、攻めの野球をするのか、守りの野球を重視するのか、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をします。しかし、いったん答えが出たら、全員一致して一つの方向に進みます。もちろん、それでうまくいかないときもありますが、たじろぎません。

 

これはスポーツの世界では当たり前のことです。一人でも勝手なことをやる人がでたら、スポーツは成り立たないからです。

企業でも同じことがいえます。役員間で派閥があって、それぞれが勝手なことをやったり、決めた方針と異なることを社員がやっていたら、企業はなりたちません。そんな企業はユーザーから信用もされません。

ここでも、政治の世界はなさけないですね。政治家はそれぞれが勝手なことを言い、勝手な行動をとっています。個々人の勝手な批判ばかりです。これでは政治がうまくいくわけがありません。あまりにもレベルが低すぎます。

スポーツでは当たり前のチームワークが、経営でも政治でも発揮されていません。負けていますね。

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