ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX>座談会(2005/11/14)【2】

座談会「計量法の抜本的見直し」の審議動向と私の考え方
    国民の計量の安全と計量行政の在り方を考える

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【2】

計量行政審議会の役割は経済産業大臣の諮問に対して答申する限定された権限になった

横田俊英 計量行政審議会の役割、性格が以前とは違っています。従来は計量制度の骨組みといいますか、基本設計をする役割があったんですが、現在は、経済産業大臣の諮問に対して答申する、ということで建議の権限がなくなっています。

 また、ご説明しましたように時間がないということは確かなことですが、一方、いわゆる「勝負は下駄を履くまでわからない」ということもまた言えることです。だめだだめだではなく希望があればあきらめずに、ではどうすればよりよい計量法になるのか、また販売者としてはこうして欲しいんだ、ということを大いに要望していくことが大切であろうと思います。

「専門家」も分野が違えば「素人」であることも忘れてはいけないと思います

岩下貞治 私は仕事の上で、長年計量法とつきあってきています。その私が恐れているのは、計量法は基本法といいますか、社会の基盤あるいは指針となる法律ですから、ちょっとやそっとの知識でいじれるものではない、また社会の安定性、統一性の確保の観点からも、安易にいじっちゃいけない、ということなんです。

 大森さんが、専門家がいないという話をされましたが、私も同感です。専門的な、ということは計量をよく知った方が、きめ細かな検討をしないで、安易な形で法をつくってしまったら、とんでもないことになります。法律が改正された後で、不具合が明らかになり、大騒ぎになるような苦い経験を繰り返さないようにしなければなりません。

 審議会の委員の皆さんは専門家の集まりですが、計量の専門家ではない方が多いと見受けられます。多様な意見を交わして審議すること自体はよいことですし、そのために多方面の分野の方が集まって議論すること自体を否定するつもりはありません。しかし「専門家」も分野が違えば「素人」であることも忘れてはいけないと思います。多くの分野の方から多様な意見を聞きながらも、専門家がその立場からきっちり検討することも大事であると思います。

 残念ながら、現在までのところ、販売者に対してどうだろうというような意見は求められていません。とすれば、われわれが大いに声を出していく必要があると思います。

強い規制をは消費者保護に特化というをしてもいいのではないか、という原山保人審議官(当時)の真意は何なのか

横田俊英 今度の法改正の発端となっているのは、第一に政府による行革の一環としての規制緩和の推進です。計量の分野でも強く求められています。この圧力はものすごいものがあります。

 もう一つは、都道府県ごとの計量行政の跛行性です。計量行政に関わっている職員数が減っている、予算も縮小されている、したがって従来のレベルの計量行政がこのままでは維持できないので、それを民間でやることも含めて選択肢を増やし、合法的に解消しようというものです。これが今回の計量法改正の大きな動機だと思います。 

 特定計量器の規制に関しては、当時の原山保人審議官が計量行政審議会での説明のなかで「特定計量機器の検査・検定については、a)規制対象を削減する方向で見直し、その際は消費者保護に重点を置くべきではないか」といい「BtoB、BtoCということについては、法定計量器という形まで取って強い規制をするというのは、消費者保護ということに特化をしてもいいのではないか」と述べています。

 これはBtoBいわゆる業者間の取引においては、お互いにプロであるので、双方が納得して契約しそれですすめるものなので、こういうものに使用する計量器は規制する必要はない、規制は対消費者の取引に限ればよい、という論理です。

そんなに簡単にBtoB、BtoCと分けられるのか疑問だ

岩下貞治 業者間取引は規制しなくてもよい、という判断のしかたに、問題はでてこないの。

森川正彦 でてきます。そんなに簡単にBtoB、BtoCと分けられるのかということです。たとえば、産廃処理業者と運送業者、その産廃を出している事業者の関係を考えると、これはBtoBの取引だから、その計量証明の使用する計量器の規制はしなくて良いということになってしまいます。常識的に考えて、これだけ環境問題がクローズアップされているなかで、全く野放しにしてよいということになると思いますか。

岩下貞治 そうだよね。

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