計量新報記事計量計測データバンク今日の計量計測情報ニュース会社概要出版図書案内リンク

新たな市場開拓して飛躍はかる

メトラー・トレド(株) フランク マータース社長インタビュー

聞き手は高松宏之編集部長

vol.2

日本計量新報 2013年10月13日 (2983号)2面掲載

アジア市場は顕著な伸び

−−アジアにおける事業展開は、どのようになっていますか。

世界の売上の3分の1占める

過去15年間にわたりアジアにおけるビジネスは大変成功に推移しており、地域別では現在、全世界の約3分の1の売上を占め、顕著な伸びを示しています。残りの3分の1がヨーロッパ、3分の1を米国が占めています。
 現在、ヨーロッパでは厳しい市況というプレッシャーの下にありますが、米国では上向き傾向、アジアは依然として成長傾向にあります。
 製造施設の設立により、中国およびアジアにおけるその他の地域向けの製品開発にも力を注いでいます。
 急速に伸びている中国市場では、食品、飲料分野に力を入れていきます。
 メトラー・トレドの製品は世界各国で使用されています。このお客様のニーズにこたえるため、アジアのほとんどの国で、販売と技術サービスを展開しています。

ベトナムにも販売拠点

アジアにおいては、ベトナムに新設したオフィスが最新の販売組織となります。
 このように、メトラー・トレドは、世界36の拠点で、販売と技術サービスを提供しているのです。
 アジア地域における重点課題は、長期的関係に基づく、全マーケットをカバーするビジネスパートナー戦略です。詳細は日本法人を紹介するときに述べます。

日本の拠点を開設

−−日本での事業展開はどのようになっていますか。

日本法人は1993年設立

メトラー・トレド日本法人は、1993年に兵庫県宝塚市において設立されました。
 現在の本社は東京です。東京本社には業務部門、マーケティング部門、マネジメント部門があり、120名の社員が働いています。
 日本でメトラー・トレドとして業務を開始した際は、チバガイギー社の拠点であった宝塚市のオフィスビルの一角に大阪本社を構えていました。
 本社は東京に移りましたが、現在、大阪支社では20名が業務に従事しています。
 そのほかに、SOHOオフィスが、福岡、仙台、静岡、名古屋にあります。
 まとめますと、メトラー・トレド日本法人は、主にマーケティング部門、科学機器・産業機器・プロセス分析機器・技術サービス等のセールスおよびサービス部門からなり、約150人が勤務しております。

業績は顕著な回復

2009年度の世界的危機で影響を受けましたが、以降、販売およびマーケティングプログラムの遂行により、業績は顕著な回復が見られ、ここ数年間は成功を収めています。

ビジネスパートナーと共に成長を

−−重点戦略はどのようなものですか。

代理店を強力にサポート

マーケティング、サポート、そして技術サービスメンテナンスです。
 欧州でのビジネスは直接販売が基本ですが、日本市場では、ビジネスの成長は、販売代理店様、システムインテグレーター様、エンジニアリング会社様等ビジネスパートナーとの活動に基づきます。
 過去数年間、当社は戦略を展開し、ビジネスパートナーを強力にサポートする体制を整えました。現在の代理店数は約70から80ほどですが、メトラー・トレドは、マーケットにおいてパートナーの数を増やす予定はありません。現在のパートナーをサポートすることによって共に成長し、長期の戦略を展開していくという事に重点を置いています。

データベースの構築に注力

膨大な量のデータベースを構築して、エンドユーザーマーケティングをしています。
 当社のデータベースは、適切なソリューションを正しくお客様へ提供するマーケティングコミュニケーションを可能な限り確実にするために、お客様のアプリケーションと製品ニーズ等の詳細を把握することに重点を置いています。

専門家がパートナーをサポート

メトラー・トレドは、科学機器、プロセス分析機器、産業機器における広範囲なソリューションをお客様へ提供したいと考えています。当社の製品はハイレベルで革新的であり、製品スペシャリストがマーケットにてビジネスパートナーを積極的にサポートします。

ニーズを把握

そして、お客様のニーズを理解し、お客様の要求に合致する製品やソリューションを提供することです。

技術サービスを重視

また、日本法人内およびお客様サイトで強力な技術サービスネットワークを展開することで、精密度100%の弊社製品を保証することにより最大限のサポートをし、現在のお客様や新たなお客様にご満足いただくことです。そのために、社員の3分の1は、技術サービス関連の業務に就いています。

新たなマーケットの開拓

ビジネスパートナーと既存のマーケットシェアをさらに伸ばしていくとともに、新たな特定分野でのマーケットを開拓することにより継続成長を遂げていきます。
 日本では、製薬、化学、食品・飲料、教育などの分野に、力を入れていきます。

−−メトラー・トレドの技術力には定評がありますが。

革新的技術の製品を開発

メトラー・トレドの出発点である世界最高性能の天びんや大型産業用のはかりをはじめ、当社の製品は革新的技術を誇っています。
 いくつか例をあげますと、自動で紛体を分注する「クアントス」、エルゴノミクスを実現するLTS(LiteTouchSystem)チップを装着したピペット、オートケム製品など、さまざまな分野でお客様が抱える問題を解決し、満足していただける製品を開発しています。

−−今年度の業績見通しはどうですか。

後期は期待できる

第1四半期(1〜3月期)はスロースタートでしたが、第2四半期(4〜6月期)には回復が見られます。2013年度の後期においては、良い結果が望めると期待しています。

−−改めて、今後の課題をお示しください。

パートナーとの強力な関係を構築

メトラー・トレドは、お客様の要求、ニーズをよく理解することにより、新しい価値を生み出し、その価値を売っている会社です。日本市場において当社の戦略を遂行していくには、ビジネスパートナーとの関係が重要です。パートナーとのより良い関係を築き上げていくためには時間も必要です。メトラー・トレドは、現在のビジネスパートナーとの強力な関係体制を引き続き築いていきます。

「KAIZEN」は日本でのビジネス戦略

また、改善活動を重点的に推し進めていくことにより、エンドユーザーの満足度を高めていきます。「われわれは再び何をより良くすることができるのか、何を改善(KAIZEN)できるのか」を常に確認して事業を推進していきます。
 当社のサービスおよび「KAIZEN」モデルに基づく継続的改善活動は、私自身の考えや日本におけるビジネス戦略に沿っていると確信しています。

−−ありがとうございました。

<<前へ[1 2]


記事目次/インタビューTOP
HOME
Copyright (C)2006 株式会社日本計量新報社. All rights reserved.