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日本計量新報 2011年7月31日 (2880号)

日本計量新報社の仕事は計量計測情報の提供で受手の満足を得ること

 『日本計量新報』では、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染に関係した事柄を調べて報道し、解説してきた。放射能とは何であるか。放射能物質にはどんなものがあるかといった世の人が必要とする情報を、必要とする時に提供することが、新聞社の大切な務めである。

 放射線とは、電子や中性子などの粒子、またはX線などの電磁波のこと。アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線などさまざまな種類があるが、共通した特徴として、物を通り抜ける能力(透過力)を持っている。原子力発電に利用するウランなどは、核分裂する際に「放射線」を出す。放射線を出す物質を「放射性物質」、放射性物質が放射線を出す能力のことを「放射能」という。

 放射線が有害だとされるのは、放射線による「被ばく」によって細胞のDNAに傷(主としてDNA切断)ができるからである。DNAの傷がもとになって、癌や白血病など様々な病気を引き起こす。ただし、日常生活で自然から受ける放射線レベルであれば人体に影響はない。一般公衆の線量限度(被ばくの上限値)は1年間に1ミリシーベルトである。放射線を受ける量は場所によって異なるが、世界の1人当たりの自然からの放射線は2・4ミリシーベルト/年である。シーベルトとは、受けた放射線の量を表す単位で、体への影響の度合いをはかる物差し、放射線を安全に管理するための指標として用いられる。その他、放射線に関係する単位には、ベクレル(放射性物質が放射線を出す能力を表す単位)、グレイ(放射線のエネルギーがどれだけ物質に吸収されたかを表す単位)、cpm(1分あたりの放射線の計測数)がある。

 人の仕事は、誰かの役立つことで意味をなす。日本計量新報社の仕事のうち『日本計量新報』の編集と発行に類する業務は、計量計測に関係する人々、すなわち計量士、適正計量管理事業所の技術者、製造業や流通業などにおける計測関係業務者、計量器販売事業者、計量器コンサルタント、計量器製造事業者、計量行政職員などの計量公務員などの人々が必要とする情報の収集と報道、そして解説である。この業務は、上記の人々が個々に行う情報収集の代行または補助業務に属する。玉石混淆の膨大な情報の中から、役に立つ情報を選択して収集し、価値付け評価をすることにより、これらの人々に必要な情報を提供しているのである。

 新聞に報じた記事は、全てWEBサイト「計量計測データバンク」にデジタルデータとして掲載している。「日本計量新報全紙面PDF版」の累積は10年以上に及ぶ膨大な量になっており、このデータをいつでも引き出して閲覧することができる(購読者のみ)。

 日本計量新報社の新聞発行以外の重要業務として「計量計測情報の国民への提供」ということがある。時事問題を含め、計量計測には多岐に亘る情報があるが、柱となるのは「計量器情報」である。インターネットの登場と発展によって、日本と世界の計量器企業の計量器情報を直接にそして詳細に、また購買手続きを付属させて提供できるようになった。

 日本計量新報社が実施しなければならない業務は、今のままで十分であるといえないが、社会的に意味と意義があることを強く願っており、それが自分達の仕事であると決めている。

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