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日本計量新報 2009年8月23日 (2786号)

企業活動のすべてがwebサイトの建設と運営に反映する

大型電気店(家電量販店)に置いてあるテレビは、液晶型だけでありブラウン管型はない。ホームセンターではブラウン管型が売られているけれども、液晶型との価格差はなくなっている。40型(対角線の長さが40インチ相当)の液晶テレビに10万円の価格が付いており、32型は5万円である。
 かつて液晶テレビの価格は高かった。大型テレビも高かった。しかし、現在はとても大きな40型画面の液晶テレビでも、上手に選べば10万円で手に入る。
 このような現象はどうして起こるのか。「半導体の能力は1年半で2倍になる」という、インテルの創業者ゴードン・ムーアが1965年に唱えた「ムーアの法則」が、半導体関連商品の液晶テレビにほぼそのまま反映しているからである。米国のホーブス誌のリッチ・カールガードはこうした現象を「チープ革命」(Cheap Rebolution)と呼んだ。
 「チープ革命」(Cheap Rebolution)は個人、企業、その他の法人などの情報の入手と情報の発信など情報活動を様変わりさせる。情報の入手と情報の発信などブロードバンド(高速大容量)による通信コストの低減、無料ソフトの供与、有料情報であった新聞情報の無償提供、検索サービスの無償提供、そしてムーアの法則を地でいくようにパソコン関連の製品の高能力と低価格化の高速進行がその背景にある。
 NHKテレビや読売新聞がいかに優れた情報活動をしていようとも、webにおける情報活動に影響する度合いでいえば検索サービス企業のグーグルにはとうてい及ばない。グーグルの情報検索サービスの能力の向上によって、ささやかだけれどもとらえ方によってはとても貴重な情報を確実に生かすことができるようになった。計量計測企業の製品情報、技術情報などはNHKが恒常的に扱う対象ではないが、計量計測機器産業とその製品と商品としての技術は産業社会と個人生活に欠かせないので、どのような方法かで社会にその情報が提供され、商品が購買され技術が利用される。
 1000万部の購読数があるという読売新聞でもその紙面を隅々まで読む人は多くはない。トップページのニュースを読んで、スポーツ面を読んで、ジャイアンツファンは読売巨人軍が勝ったとテレビニュースで知っていることを確認して喜ぶ。
 情報は、わかったような素振りをするNHKのニュースキャスターとその背後にいるディレクターや新聞編集者がつくりだしているのではない。情報は数限りなくあり、人間活動があるのと連動して絶えず生みだされる。
 グーグルは「増殖する地球上の膨大な情報をすべて整理し尽くす」という考えを持っており、これをコンピュータと関連するソフトウェアで実施している。この目的を達成するためには、この情報検索サービスの業務がwebでもっとも重要であると考え、意欲的に開発を進めた結果、業界一の優れた検索サービスを実施できるようになった。グーグルは株価時価総額でマイクロソフトを凌(しの)ぐようになり、この先情報世界でもっとも重要な位置にあり、もっとも重要な働きをすることになるだろう。
 新聞社、放送会社の組織以上に一般企業や個人が重要な情報を取り扱い、そして送り出す状態は、計量計測関係でも早くから見られていた。編集者や新聞社が報道のプロフェッショナルである時代は過ぎた。
 企業活動とは商品をつくりだしてそれを販売して社会に益することである。それと連動して、企業に報酬がもたらされる。つくりだした商品とその購買者を結びつけ販売を成立させるためには、あらゆる方式の営業活動が推進され、企業のwebサイトにはそうした活動がほぼそのまま映し出される。
 企業が備えている望ましい希望と意欲とその体制や体質を、購買者はつねに察知しようとする。その反対のことにも注意をするのが購買行動である。企業活動とwebサイトの建設と運営は一体のものとなっている。企業は使用者・購買者ニーズを含めた情報の収集と抱き合わせで自らが造りだし提供する商品の情報を送り出す。
 企業活動は広報活動である。計量計測関連企業の中には日本計量新報など足下にも及ばないほどに優れた広報活動を実施しているところも多い。
 日本計量新報社が自社のwebサイトでなそうとしていることは、計量計測関連の「増殖する地球上の膨大な情報をすべて整理し尽くす」ことである。このような大げさなことでも、その内容をよく見ると実現性が高いことがわかる。計量計測情報の社会のニーズの実態は、計量計測機器情報へのニーズであるからだ。計量計測情報のニーズのほとんどは使用者が(あるいは使用しようとする者が)、計量をするために計量器を選択し、購入するための行動である。100ほどに分類した計量計測関連情報のうちのアクセス数の9割ほどが計量計測機器情報に属する。

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