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安全・安心・持続可能な社会づくりに貢献

鎌長製衡(株) 鎌田長明社長インタビュー

聞き手は高松宏之編集部長

vol.2

日本計量新報 2013年8月4日 (2975号)2-3面掲載

何より人材育成

−−会社を発展させるために必要なことは何でしょうか。

信頼の根源は人間そのもの

何より人材育成です。繰り返しになりますが、計量器が提供しているのは信頼であり、信頼の根源は人間そのものです。国内であれ、海外であれ、信頼できる営業、製造、サービスをおこなえる人材を育成していかなければなりません。日常の勉強会、新しい仕事へのチャレンジを積むことで、社内全体の人材のレベルを向上させたいと思っています。

技術開発の主役は製造ラインと営業

−−技術開発への取り組みはどのようにされていますか。

新製品作りで、技術レベルも向上

当社には研究開発部もありますが、技術開発の主役は各製造ラインおよび全国に散らばる営業です。
 日常営業に入ってくるさまざまな製品開発アイデアを開発委員会で拾い上げ、各ラインで開発をしています。
 新製品作りをすることで、技術レベルも向上するものと考えています。

三次元重心位置測定器など開発

研究開発部では、コンテナ輸送で安全を確保する三次元の重心位置測定器など、これまでにない新しい製品の企画開発や、新しい技術の検証などをしています。

必要だから売れるモノづくりを

−−現在の経済、社会へのお考えをお聞かせください。

競争力高める

トラックスケールについては価格の落ち込みが激しく、「以前と同じ」では利益が出なくなってきています。台数を生かした地道なコストダウン、周辺の取り込み、ブランドの浸透により競争力をさらに上げて生き残りを図っていきたいと思っています。

景気の好悪にかかわらず必要なものがある

景気の好悪にかかわらず必要なものはありますし、安全、安心、持続可能な社会に向けての社会的要求はますます高まっています。景気がよくなって業績が上がるのを期待できない時代ですから、景気がいいから売れるのではなく、必要だから売れるモノづくりを進めていかなければなりません。

違法計量器の一掃を求めていく

−−鎌田社長は、(一社)日本計量機器工業連合会の常任理事をされています。計量に関してお考えになっていることをお聞かせください。

違法な計量器が増えている

今一番懸念しているのは、型式承認もなく検定も受けない違法な計量器が増えてきていることです。2012年の税関の調べでは5トン以上の計量器が500台弱輸入されています。5トン以上の計量器の使い方を考えると、その多くは取引用途に使われていることは想像に難くありませんし、当社の営業からの報告でも型式承認もなく検定も受けていない海外製の計量器が取引用途に使われている例が出てきています。

違法計量器の放置は信頼失う

どんなによい法規則も守られなければ無意味であり、むしろ「悪貨は良貨を駆逐する」の例えどおり、法規則を守るメーカーはコストで勝てずに衰退し、結局消費者が不利益を得ることになります。「管理用」などという方便を許して違法な計量器の利用を見て見ぬふりをする国では、消費者が守られることも、その国の産業が周辺諸国から信頼されることもなくなりますし、もちろん計量器産業は育ちません。

高い基準つくって徹底を

計量器の国際競争は規格競争でもあります。ドイツのように高い基準を作り、行政がそれを徹底すれば、消費者が守られ、周辺諸国は安心してその国のものを買うようになり、計量器産業はより競争力を得ることになります。

技術力向上に努力する

日本の消費者と産業のためにも、違法な計量器を一掃し、より高い水準の計量器が普及するよう、各方面に求めていきたいと思いますし、そのために当社も技術力とものづくりの力を向上する努力を続けてまいりたいと思います。

−−ありがとうございました。

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