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4つの事業で第2の成長期に

(株)エー・アンド・デイ 古川陽社長に聞く

聞き手は横田俊英論説員

vol.1

日本計量新報 2014年1月1日 (2993号)第2部4-5面掲載

1、自動車関連の開発・支援ツールの提供

−−エー・アンド・デイの事業展開を紹介してください。

自動車関連の開発・支援ツールが伸びてきた

1つめは自動車関連の開発・支援ツールです。20年にわたる日本経済の停滞のなかで、当社もなかなか成長路線に乗れませんでしたが、最近になって、自動車関連の開発・支援ツールが伸びてきています。ここにきて、認知度も上がってきました。

力の計測が基礎

当社の事業で特に重要なのが、力の計測です。ロードセルを始めとして、天びん、台はかり、万能試験機などの市場で実績を重ねてきました。自動車関連の検査装置もこの力計測を中心に展開しています。
 この事業は、2014年は当社の売上で60億円ぐらいの規模にしたいと考えています。この事業はまだまだ伸びてゆきます。

2、理化学市場へのアプローチ

マイクロ天びんの設置環境に注目

普及型から精密型にいたる電子天びんのラインアップに、新たにマイクロ天びんを投入しましたが、これが認知されてきました。その大きな理由は、マイクロ天びんの設置環境に注目したことです。
 マイクロ天びんは、非常に精密な機器ですから、設置環境が悪いとその天びんが本来備えている性能を発揮することができません。これが大きな問題でした。
 お客様から、他社製品を含めて高性能な天びんを購入したのに、きちんと測れないという悩みが多く寄せられていました。

計量環境ロガーを開発

そこで当社は、マイクロ天びんに、設置環境を調べる機能を内蔵しました。またきちんとこの設置環境を評価できる専用ツールとして計量環境ロガー(AD−1687)を開発しました。
 これは温度、湿度、気圧、振動と接続した天びんの計量結果を連続記録し、その計測データを時系列でグラフ表示が可能です。
 たとえば24時間の継続した計量値と環境データを測定し記録することで、人の出入りによる計量値の不安定や繰返し性の悪化、地震の影響、人には感じられないエアコンのON/OFF制御による僅かな温度リップルの影響や、天候変化による湿度、気圧変化の影響などが明確に判断できるようになりました。

根本的な改善が可能に

これらの手法を確立することで、計量値が不安定になる原因が確定され、根本的な計量環境の改善提案や対策実施が可能になるのです。
 当社は、この分野では後発メーカーですが、お客様の設置環境の問題をきちんと把握し、お客様に対して対応策を提案することができたのです。

伸びている理化学分野

当社はまた、粘度計やピペット用テスター、レオメーター、水分計などを製造販売していますが、製薬や生化学などの理化学分野の市場が伸びていますので、この領域の製品を充実させたいと思っております。また、そうした方向にかなう販売体制の構築もはかってまいります。

3、ウェイトチェッカーと金属検査装置の立ち上げ

太平洋セメントのグループ会社からの事業譲渡と相乗効果

当社は、太平洋セメントグループのエンジニアリング事業会社である太平洋エンジニアリング(株)より事業を譲り受けました。それにより、技術面、販売面での相乗効果を生かし、いっそうの業績向上をはかる体制ができたといえます。

ウェイトチェッカーと金属検査装置に注力ウエイトチェッカーAD-4961

2013年7月から、新しいウェイトチェッカーと金属検出器を市場投入しました。当社の基盤技術を生かし、従来品より高性能で、しかも低価格な製品となっています。
 どちらもかなり好評であるという感触を得ています。これらの製品は、市場の世界的な規模も大きく、力を入れてゆきたいと考えています。

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