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新しい技術でマーケットを切り開く


古川 陽

(株)エーアンドデイ 代表取締役社長

vol.3

日本計量新報 2008年3月30日 (2717号)2面掲載

注目の新製品を多数発売する

1mgクラスの天びんで防滴

−−新しい商品を紹介してください。

「FX−iWP」があります。汎用の最小表示が1の天びんです。これはIP65/JIS5等級準拠の防塵・防滴構造になっています。粉塵の舞う環境や水滴がつくサンプルの計量に最適です。最小表示が1の天びんで防滴構造になっているのは他にないと思います。

分離型の天びんの「AD−4212B」です。最小表示10μgのタイプがあります。現在、微量物をはかりたいというマーケットは大きいのです。こういうものを供給できるメーカーは限られています。他社製品からエー・アンド・デイ製品に変えていただく場合も多くなっています。それは、精度、速度、安定性など、実際に使っていただくとすぐにわかっていただけるからです。

2mlの少量で粘度を計測

粘度計「SV−A」です。2<CODE NUMTYPE=SG NUM=60AA>という小指の先ぐらいの量で粘度をはかることができる製品です。これは電子材料や製薬のような分野から、少量での測定に対して強い要望があるのです。新しい材料はどうしても高価ですから、少ない量ではかるメリットがあるわけです。これは強力なアピールになります。

デジタルはかりのSHシリーズがあります。アナログ式のメカタイプで30万台くらいの市場があります。エー・アンド・デイでは、この前のタイプでSKとSLシリーズがあります。これは価格が1万2900円です。ところが、このSHシリーズは、6900円(税抜き)です。検定付も出ました。この器種で、ぜひメカ式のはかりに勝ちたいと思っています。

ローコストの台はかりであるFGシリーズです。これは今好調な売れ行きを示しています。機能を絞って低価格を実現しています。しかも、計量スピードが早いのです。

安くて早いというのは、お客様にとってトップ2の要求です。

DSP技術を使った計量器

先ほどもお話ししましたが、DSP技術を使って計量器にアプローチしていきます。第1弾はフィーダーです。コントローラとしてさまざまに活用できます。さらに、汎用性、機能、コストに優れた新製品も準備していますので、かなり強力な差別化になると考えています。

−−先ほど伺った防水技術でも実績がありますね。

「SK−WP(検定付)」などの防水はかりがあります。IP65/JIS5等級に準拠しています。この器種は発売以来5年ほどたちますが、価格、性能ともに他社の追随はありません。


優れた技術を理解してもらう

−−エー・アンド・デイの名前はかなり知られてきています。

そうですね。お陰様で計量計測機器業界では知られるようになりました。しかし、自動車業界などでの知名度はまだまだです。

自動車でいいますと、車に関係するのは、主に力か回転(速度)ですね。エー・アンド・デイははかり、すなわち力の会社ですので、力からアプローチしているわけです。

また、精度に関する感性の違いを感じますね。トルクメーターや工業計器は1%の世界です。これに対してはかりは、精度が粗いものでも2000分の1の世界です。考え方がまるで異なるのです。このあたりも当社の優れた技術を理解していただくのに時間を要するところです。

たとえばギアミッションの耐久性の判断があります。ギアのかみ合わせが悪くなるとノイズが発生します。異常な振動が発生します。すなわち、振動または音ではかっているのです。しかし、われわれが開発した0・03%の精度の回転計があると、ギアのかみ合わせの状態が見えるのです。しかし、今までの他社の回転計の精度が粗かったですから、なかなかエー・アンド・デイの技術を簡単には理解していただけないという困難があります。ですから、実際に見て体験していただくなど、さまざまな努力をしています。

今年も新しい成長マーケットを更に広げていきたいと考えています。

−−ありがとうございました。(おわり)


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