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あたごくらぶ新春インタビュー

ノーベル物理学賞受賞・平成基礎科学財団理事長

小柴昌俊氏 インタビュー(4)

2008年12月11日 都内にて

日本計量新報 2009年1月1日 (2755号)2部11面掲載

成果見えにくい基礎研究

今年のノーベル賞を受賞した人たちは研究から受賞まで30年とか50年かかっています。その国の基礎科学は、その国がどういう計画で行うのかを決めなければなりません。ところが、これを決めるのは難しいことです。

 これが応用科学、例えばナノテクノロジーなら、半導体を小型化して記録密度を濃くするために、こういう人たちで研究チームをつくって、装置や研究費を与えたらどのくらいの成果が上がるのか、だいたい見当がつきます。

 数年前、ハワイのすばる望遠鏡を400億円かけてつくるとき、議論がありました。これをつくったら何がみつかるかなんてだれにもわからない。幸い、遠くにある初期の天体を発見するなどして成果を上げているから、成功だと言われていますが。

 スーパーカミオカンデをつくるためには100億円が必要でした。自然の観測のためにこういうものをつくるなんて、文部科学省は、当初はまったくやる気がありませんでした。

 どうしたら100億円出させられるのか。それにはいろいろな手を使ったんですが、ぼくが言いたいのはこういうことなんです。株を普通の人が買ったら、儲かるか損をするかだいたい五分五分。しかし、兜町に巣くっていていろいろな情報を集められる人なら当然、当たりがいい。
 本気になってやってきた人の山勘は、普通の人よりは当たるわけです。

 ですから、こういう基礎科学分野の研究をやるかやらないかを決めるのは、その分野に長く携わり苦労して実績をあげてきた人、なおかつ現役を退いた人がいい。そうじゃないと決められないですよ。

つづく

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