ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX第2WG第2回>議事要旨

 計量行政審議会計量制度検討小委員会第2WG(平成17年度第2回会合)  議事要旨



1.日時:平成17年10月18日(火)10:00〜12:00

2.場所:経済産業省別館9階944号会議室

3.出席者:宮下座長、青山委員、印南委員、角田委員、加藤委員、川西委員、根田委員(代理出席小島氏)、堀切委員、森委員、吉野委員
      (株)伊勢丹 恵田マネージャー、奥村計量士、ライオン(株) 森嶋東京工場長、田中マネージャー

4.議題: 1 計量制度検討小委員会第2WG第1回会合議事
        録について
      2 適正計量管理事業所の現状について
      3 消費者アンケートの結果概要について
      4 第2WGに関する主要論点整理
      5 その他

5.議事要旨:
(1)議題1 計量制度検討小委員会第2WG第1回会合議事録について
 事務局から、資料1に基づき、計量制度検討小委員会第2WG第1回会合議事録について説明があり、特段の変更もなく了承された。

(2)議題2 適正計量管理事業所の現状について
 活ノ勢丹 田中マネージャーから、資料2に基づき、伊勢丹の計量管理について説明が行われた。委員からの主な質問は次のとおり。

・ 資料中の「不足」という言葉の定義は、伊勢丹の適正計量管理事業所(以下「適管」という。)としての取り決めや自社の社内規定よりも不足しているという意味か、それとも計量法で定められている量目公差より不足しているという意味か。
・ 東京都からの2時間に渡る指導は大変だっただろうが、そのおかげで消費者への安全な計量が確保されている。これは一消費者としてありがたいこと。適管の指定を受けるメリットはあまりないと言われているが、伊勢丹として適管指定のメリットはありやなしや。
・ 事業者の立場として、計量法に関わる業務とJAS法に関わる業務を併せて実施するのは負担となるのか。また、その際、どういう業務が行われるのか。
・ 参考資料3の「食品分類別量目不足占有率」で、東京都においては魚介類が最も割合を占めているのに対し、伊勢丹では惣菜類が最も割合を占めているのはなぜか。
・ 昔は尺貫計を使用して布地のはかり売りをやっていた。これは日本の文化とも言えるもので、メートル法にそんなに神経質になることはないのではないか。

ライオン(株) 田中マネージャーから、資料3に基づき、ライオン東京工場の計量管理について説明が行われた。委員からの主な質問は次のとおり。

・ 消費者へのサービス及び製品の品質確保をトータル的な品質と考えたとき、正しい計量を守ることは品質の一部。消費者は品質をトータル的に評価して購入する。トータル的な品質を確保するシステムを構築すべき。適管にメリットがないと言われるが、正確計量や品質を保持していけば、顧客からのリピートを得るというメリットが中長期的にはあるのではないか。
・ 適管が正しい計量のデータを出し、第三者が適正に評価するシステムができれば、計量器の校正の頻度を減らしていくことができるのではないか。
・ ライオンでは、商品をパッケージする以外に、圧力計や温度計等様々な計量器を使用しているようだが、例えばISO9000を取得していると、計量についてもチェックが入る。ライオンはISO9000を取得しているか。また、基準器の校正はISO9000に準拠しているか。
・ 東京都が適管については定期検査を年に1回としている、とのことだが、年に1回の検査は各企業の事業規程に基づくもので、東京都が過度な規制をかけているわけではない。旧法下では、定期検査は市部においては年に1回、郡部においては3年に1回と規定されていたので、その名残りがあるのではないか。
・ 国際間において、はかりの認証は進んでいるが、量目に関しては、例えば、日本では全数検査を、海外では統計的手法を取り入れているなど、国により制度が異なっている。国際間における量目の整合性確保についてはどのように考えるか。
・ 輸入商品の管理はどうしているのか。例えば、海外の基準には合致していても、日本の基準には適合しないケースもあるが、どう対応しているのか。

(3)議題3 消費者アンケートの結果概要について
 事務局から、資料4に基づき、消費者の計量に対する認識、期待等についてのアンケートについて説明が行われた。委員からの主な意見は次のとおり。

・ 時間がなかったため、母数が少なくて残念。計量法は古い法律であるため、皆知っているではないかという思いこみがあった。我々も反省している。情報提供はすごく重要なことだと再認識した。機関誌で、現在の計量制度見直しの活動を記載し、注意喚起していきたい。
・ 計量法は地味で、一般にはあまり知られていない。計量法を理解してもらうためには、機会をとらえて情報を伝達していくことが必要ではないか。
・ 工場見学の際、1個1個の商品の重さがデジタル表示され、そこで内容量の不足を示すマイナス表示が出ると、内容量の足りない商品をつくっているのか、と苦情が出てくる。計量法で認められた範囲だと説明しても納得してもらえない。中小企業の競争力確保のため、しっかりはかっているところにはマイナス表示も認めている、と説明している。計量法に対する一般の理解はあまりないのが実感。
・ 製造業においては商品の最終検査でマイナスにならないようにチェックするのが普通だし、消費者もちょっとでも多く中身が入っていれば嬉しいのが人情。しかし、余分に充てんすると、原価に転嫁され、社会的仕組みから見れば高コストとなる。商品量目において、マイナスの存在も正しいとの考えを普及していくことが必要。

(4)議題4 第2WGに関する主要論点整理
 事務局から、資料5に基づき、第2WGに関する主要論点整理について説明が行われた。委員からの主な意見は次のとおり。

【商品量目規制について】
・ 1)2ポツについて、事後規制に移行するのであれば、「不正事業者」に対しては、公表よりも罰則を重くすることを考えないといけないのではないか。公表は情報提供であるという審議会での議論を踏まえると、違和感がある。
・2)1ポツの「通報・監視制度」について、消費者が通報や監視をすることは現実的ではない。物価モニター等の制度を活用すればいい。はかりに対する消費者の監視能力を高めていくのは難しい。
・ 事業者は消費者の信頼を失うことを最も恐れるため、消費者の啓蒙運動が重要。国で計量月間など、計量に関する何らかのアピールを行っているのか。
・ 計量制度においては国際化への対応が一つの課題となっており、商品量目もこれと同じ方向で見直す必要がある。OIMLの計量監督の原則は、監視をするのは国又は地方公共団体の役割で、その責任を免れることはできないこととなっている。市場管理は当局自身がしなければならないこと。こういう国際化の流れを踏まえて対応すべき。
・ 1)2ポツの「公表」については、公表すること自体が目的のような感じがする。実際には不正事業者といっても、単なる風袋設定ミス等悪意のないものが多く、2回目の検査では改善されているケースがほとんど。公表することを目的とするのは本末転倒。
・ 1)3ポツの「計量士の能力の活用」については、例えば三越の計量士が伊勢丹に行くことが現実として考えられるか。どのような形で実施していくのか思い浮かばない。現在活動している計量士は概ね1000人くらいだろうが、今後、それほど多くの計量士を活用できると見込んでいるのか。また、計量士をどういう身分で立ち入らせるのか。報酬などの面を考えても難しい問題がある。
・ 2)1ポツの「通報・監視制度」については、既存の制度を活かすべき。東京都では、消費生活相談員という制度があり、500人のうち100人を計量関係の調査員としている。都がはかりを貸与し、購入した商品のうち不適正なものを通報させる。昨年度は通報が50件あり、そのうち不適正は15件であった。各自治体でこのような制度を工夫させるべきではないか。
・ 2)2ポツの「地域の実情を踏まえた商品量目制度」については、特産品について規制するのならわかるが、法律上に規定するのはどうか。
・ 3)の「関係省庁における連携の推進」は、縦・横・斜めの連携が重要。消費者への利益はもちろんのこと、事業者にとって過度の規制にならないような法改正をお願いしたい。
・ 2)2ポツについては、検定対象ではない灯油メーターを検査するなど、既に地域独自の施策を講じている自治体もある。「検討する」というより、むしろ「より推進する」とすべきではないか。
・ 1)2ポツ「公表」については、不正事業者を公表するガイドラインを策定してほしい。今は悪意ある事業者はいないかもしれないが、制度を設けておくことが、実効力を上げることとなり、抑止力にもなる。
・ 2)1ポツの「通報・監視制度」については、何らかの受け皿を設置すべき。例えば個人情報保護法の受け皿である消費生活センターに通報させるようにすれば、制度が動いていくのではないか。

【適正計量管理事業所制度について】
・ 1)2ポツの「民間の認証機関」については、新たに設けるには人・金・設備が必要となり、より高いものになってしまうのではないか。民間の認証機関を活用するなら、都道府県とのダブりをなくして、どちらか一つにしてほしい。

(5)議題5 その他
 次回開催については、11月中・下旬を予定。

                          以上
 

 
↑ページtopへ
ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX第2WG第2回>議事要旨