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計量新報 2005年 8月 14日発行/2596号 1面


計行審第1回計量制度検討小委員会開く

計量法大幅見直し、委員からさまざまな意見

より合理的、効果的制度へ

 計量行政審議会の2005年度(平成17年度)第1回計量制度検討小委員会(中田哲雄委員長)が8月8日午後、東京・霞ヶ関の経済産業省 本館第1共用会議室で開かれた。諮問内容である計量器の検査・検定、適正計量、計量標準・標準物質の供給体制整備、その他横断的事項について検討した。小 委員会に3つのワーキンググループ(WG)が設けられ、今後は諮問内容に沿って小委員会とWGで検討を行う。年内をメドに基本的方向を計量行政審議会で審 議し、再度小委員会、WGで検討する。来春には答申を取りまとめる予定。

  7月26日に開催された05年度第1回計量行政審議会で、諮問内容については、計量制度検討小委員会を置き、そこで審議を進めていくことが承認された。今回の小委員会はその初回となる。
 事務局を担当する籔内雅幸計量行政室長が審議に関して説明し、以降の議事進行は中田委員長が務めた。原山保人審議官が、配付した資料「新しい計量行政の方向について」の概要と、第1回計量行政審議会での委員の主な発言を紹介した。
 これをたたき台に、諮問で打ち出された(1)計量器の検査・検定、(2)消費者に身近な商品の適正計量、(3)計量標準・標準物質の供給体制の整備、ま たトレーサビリティの確保、(4)その他計量単位、計量士に係る制度など横断的事項、の見直すべき4項目について、委員がそれぞれの立場から意見を述べ た。「1回目ですので忌憚のない意見をお聞かせ下さい」という中田委員長の挨拶に呼応するように委員の発言が続き、予定時間をオーバーして審議は続いた。
 さまざまな意見の中から例を挙げると、検査・検定では、特定計量器18種を見直すことは日程的に間に合うのか、という意見が出た。また、計量事務の自治事務化による自治体間のバラつきを危惧する声が上がった。

 適正計量については、量目公差不適正事業者の実名公表など、社会的制裁を加えられるようにしてもいいのではないかと いう意見が出た。それに対し、不適正の実態はほ
とんどヒューマンエラーで、悪意に基づくものは ほとんどない。ただ、誠実に商いをしている証を 制度にする方法もあるのではないか、という発言があった。

 計量標準に関しては、医療などの分野にも計量 標準制度を持ち込んで、安心・安全を担保するべ き、という意見が出た。

 最後に齋藤浩産業技術 環境局長が挨拶した。計量は社会の根本を担う基礎である以上、変えては いけない部分がある。一方で変えられるところは抜本的に変える必要もあ る。情報公開においては、誰にでもわかるように、守るべき基準を数値に表 すこと、「これは確かだ」 という第三者の認証を与 えることが重要となる。 社会システムの中で、こ の2点をそれぞれの立場で果たしていけるような制度にするにはどうすればいいかを考えていきたい、と検討の基本スタンスを表明した。

WGで具体的検討

 小委員会に3つのワー キンググループ(WG) が設けられた。
 第1WGは特定計量器 の検査・検定を中心とし た安心・安全な社会の構築のための計量のあり 方、第2WGは商品量目制度を中心とした公正・ 公平確保のための計量のあり方、第3WGは環境計量証明事業者制度、計量標準供給とトレーサビリティの確保、NMIJ ((独)産業技術総合研究所 計測標準研究部門)がより活躍するための環境整備を中心とした、世界との繋がりを確保する計量のあり方を検討する。

 その他、各WGに 横断的に係わる事項 (単位の課題や計量士のあり方、情報提供のあり方など)については小委員会で検討する。

今後の予定

 WGは9月上旬から順次、小委員会は9月下旬 ごろに検討を開始。進捗(ちょく)に応じ、11月下旬から12月上旬をメドに小委員会で基本的方向を取りまとめ、計量行政審議会で審議する。それを踏まえ、再度小委員会、WGで検討し、来春をメドに答申を取りまとめる予定としている。

 
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