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経済産業省計量行政室
2017年度特定計量器の試買調査結果公表
非自動はかりと家庭用特定計量器を調査

経済産業省計量行政室:2017年度特定計量器の試買調査結果公表、非自動はかりと家庭用特定計量器を調査

 経済産業省計量行政室は、2017年度(平成29年度)計量法特定計量器の試買調査結果を公表した。調査結果の概要、報告は、経済産業省webサイトで閲覧できる(https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/75_reports.html)。

 この調査は、年度ごとに継続して実施している。事業者自らの責任で適合性確認をしている特定計量器(国内で製造販売されている製品または海外で製造され、輸入販売されている製品)について基準適合状況を確認するために、国内市場で流通している特定計量器を無作為に購入し、検査機関での検査をしている。

 結果の公表は、情報を広く公開することによって、類似の不適合の疑いがある製品の流通防止を図るなど、事業者における自主的な適正計量の確保に関する活動を促進するため。

■調査対象は、非自動はかりと家庭用特定計量器

 2017年度(平成29年度)の調査対象は、非自動はかり10型式、家庭用特定計量器は、一般用体重計20型式、調理用はかり20型式。

 これらを小売店、インターネット、通信販売または電話注文により、1型式につき3台を無作為に購入し、調査した。

 対象事業者は、非自動はかり(特定計量器)は国内外指定製造事業者。家庭用特定計量器は国内製造事業者または輸入事業者。

■非自動はかりは2型式(4台)で検定の合否判定基準への不適合の疑い

 非自動はかりは、10型式中2型式(4台)について性能基準のうち検定の合否判定基準への不適合の疑いが確認されたが、使用中検査の合否判定基準および表示基準には全て適合していた。

【特定計量器】非自動はかり
【調査型式数】10型式(29台)※1台は、性能試験時に動的不良が確認されたため、調査対象外とした。
【性能基準不適合の疑いがある型式数】▽検定合否判定基準:2型式(4台)▽使用中検査合否判定基準:0型式(0台)
【表示基準不適合の疑いがある型式数】0型式(0台)

経済産業省計量行政室:2017年度特定計量器の試買調査結果公表、非自動はかりと家庭用特定計量器を調査

■一般用体重計・調理用はかりでは不適合の疑いが確認された器種が

 一般用体重計は、20型式中、性能基準は4型式、表示基準は1型式について、不適合の疑いが確認された。調理用はかりは、20型式中、表示基準は2型式について、不適合の疑いが確認された。

◎一般用体重計

【家庭用特定計量器】一般用体重計
【調査型式数】20型式(60台)
【性能基準不適合の疑いのある型式数】4型式(8台)
【表示基準不適合の疑いのある型式数】1型式(3台)

◎調理用はかり

【家庭用特定計量器】調理用はかり
【調査型式数】20型式(60台)
【性能基準不適合の疑いのある型式数】0型式(0台)
【表示基準不適合の疑いのある型式数】2型式(6台)

■過去の調査結果との比較

《非自動はかり》

 前回の試買調査と比較して調査対象となる型式が市場から減少していることから調査対象を5型式減らしている。

 性能に関して、検定公差の合否判定基準では、不合格率の上昇は見られたものの、使用公差を逸脱する製品は確認されなかった。使用公差とは、計量器の使用中に許容される器差の許容差。

【検定合否判定基準不合格の割合】▽2015年度(平成27年度):型式13・3%(台数6・8%)▽2017年度(平成29年度):型式20・0%(台数13・8%)

《一般用体重計》

 過去に調査していない事業者および型式を優先して調査することにしており、今回の調査は、昨年度と同数の20型式を調査対象とした。

 性能は、過去2年間と比較して、今回、不適合の疑いのある型式数および台数ともに僅かではあるがその割合は減少した。

 表示は、過去2年間と比較して、性能基準不適合および表示基準不適合の疑いがある型式数は大幅に減少した。

【性能基準不適合の割合】▽2015年度(平成27年度):型式45・0%(台数25・0%)▽2016年度(平成28年度):型式40・0%(台数18・3%)▽2017年度(平成29年度):型式20・0%(台数10・0%)

【表示基準不適合の割合】▽2015年度(平成27年度):型式45・0%(台数41・7%)▽2016年度(平成28年度):型式40・0%(台数40・0%)▽2017年度(平成29年度):型式5・0%(台数5・0%)

《調理用はかり》

 過去に調査していない事業者および型式を優先して調査することにしており、今回の調査は、昨年度と同数の20型式を調査対象とした。

 性能は、性能不適合に該当するものは確認されなかった。

 表示は、過去2年間と比較して、今回、不適合の疑いのある型式数および台数ともに大幅に減少した。

【性能基準不適合の割合】▽2015年度(平成27年度):型式16・0%(台数6・7%)▽2016年度(平成28年度):型式20・0%(台数11・7%)▽2017年度(平成29年度):型式0・0%(台数0・0%)

【表示基準不適合の割合】▽2015年度(平成27年度):型式32・0%(台数32・0%)▽2016年度(平成28年度):型式30・0%(台数30・0%)▽2017年度(平成29年度):型式10・0%(台数10・0%)

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■改善指導を実施

 今回の試買調査で不適合の疑いが確認された計量器については、製造事業者、輸入事業者等に対して計量行政室からその内容を説明し、是正のための改善指導等をした。

 指導をした事業者からは、不適合が疑われた原因の調査、その調査結果に基づく検査方法、検査体制等の是正・改善措置の実施状況の報告を受けている。

 今後、製造または輸入することを予定している場合には、事業者が提出した是正・改善措置にのっとり、同様の措置を講じた上で、製造または輸入を実施するよう指導をしている。

 経済産業省計量行政室は、今後も引き続き、同様の試買調査を継続し、必要な場合には適正計量の実施の確保に向けた計量法に基づく指導監督を実施するとしている。

■事業者自らの責任で適合性確認

 計量法(平成4年法律第51号)では、取引もしくは証明における計量に使用され、または主として一般消費者の生活の用に供される計量器のうち、適正な計量の実施を確保するためにその構造または器差に係る基準を定める必要があるものとして特定計量器を定めている。

 取引等に使用される特定計量器には、都道府県による検定に合格したことを証する公印(検定証印)が表示されている必要があるが、優れた品質管理能力を有する製造事業者は経済産業大臣からの指定を受け、指定製造事業者になることによって、自社で技術基準への適合性を確認し、製造した計量器に検定証印の代わりに基準適合証印を表示することができる。


基準適合証印

 一般消費者の生活の用に供される体重計、調理用はかりなどの家庭用特定計量器は、製造事業者または輸入事業者が自ら技術基準への適合性を確認し、いわゆる丸正マークを表示して販売しなければならない。


家庭用特定計量器基準適合表示(丸正マーク)
 

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