ホーム計量関係機関および団体の行動の基本2007年・関係機関の行動の基本(2007年一覧)>経済産業省産業技術環境局知的基盤課長

2007年・関係機関の行動の基本

多様に広がる知的基盤整備の重要性

経済産業省産業技術環境局知的基盤課長 吉田 雅彦  

 平成19年の新年を迎え、謹んでお慶びを申し上げるとともに、年頭の御挨拶を申し上げます。

 我が国は、景気回復基調にあるものの、急速な少子高齢化や経済のグローバル化の中で、社会・経済の構造変化に対応した我が国の新たな発展基盤の形成、国際競争力の確保、安全・安心な国民生活の実現等、喫緊の課題に直面しております。

   こうした状況の中、我が国産業における技術開発の効率化と持続的な技術開発力の向上を図るため、技術革新の基盤であり、かつ国際競争の前提となる計量標準の役割は益々重要となってきていると認識しております。

 特に、バイオ・ナノテク分野といった先端技術分野において、我が国オリジナルな技術により国際市場獲得を目指していくためには、こうした先端技術の科学的・客観的評価を可能とする計測技術の開発とともに、計量標準の開発・供給体制の整備が不可欠であります。

 更に、健康医療・食品分野や環境分野といった安全・安心な国民生活の実現に向けた新規分野での対応の必要性も、技術的法規制の増加に伴い、益々高まってきているところであります。

 このような状況の下、計量標準の整備については、2001年に策定された「第2期科学技術基本計画(閣議決定)」において、2010年を目途に世界最高水準の計量標準の供給を目指す等、知的基盤の早急かつ着実な整備が位置付けられ、現在着実に整備を推進しているところでありますが、本年は、知的基盤の整備に配慮した新たな第3期科学技術基本計画の実施2年目になります。

 このため、昨年に引き続き、本年においても、社会ニーズを的確に捉えつつ、量だけでなく質の面を十分に踏まえ、関係機関の協力の下、我が国における計量標準の整備を一層強化してまいりたいと考えております。

 さて、経済産業省といたしましては、計量制度が非常に多岐に渡る関係者の皆様に支えられている制度であることから、地方経済産業局ごとに説明会を開催し、地域の関係者等に広く検討の内容について御理解を得るとともに、御意見を募りながら、科学技術の進歩、安全・安心に対する国民の高まり、ものづくりを中心とした産業競争力の向上における正確な計量の重要性の高まりなどに配慮しつつ、新しい計量行政の方向について検討を行っております。

 本年も日頃から適正な計量の実施に御尽力されている関係各位の御意見を伺う機会が一層増えるものと考えております。

 また、国際的な取り組みとしても、引き続き国際度量衡委員会の活動へ積極的に参画するとともに、特にアジア太平洋地域における計量標準の水準向上を図るためのアジア太平洋計量計画(APMP)へ主導的に参画することや技術的支援等を通じて一層のリーダーシップを発揮することにより、アジア各国との協力・連携を進めていきたいと考えております。

 最後になりましたが、皆様方の益々の御健勝と御活躍をお祈りするとともに、計量標準を始めとする知的基盤の整備に対し、御理解と御支援をお願い致しまして、新年の御挨拶とさせて頂きます。

(以上)

 
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