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2008年・関係団体の行動の基本

世界の包装技術の発展に向けて

(社)日本包装機械工業会会長 石田隆一 


石田会長

 希望に満ちた輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中は弊会に対し、格別なるご交誼を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年のわが国の経済は、年初よりの好調な輸出と企業収益の回復基調を反映して株価も上昇し、民間設備投資も回復の動きが強まる傾向で推移いたしましたが、9月以降、特にアメリカ経済がサブプライムローンの問題と原油高も重なり景況が後退の様相を示した影響を受け、日本の株式市場の株価が大きく低下し、厳しい環境下に置かれ、先行き不透明な状況にあります。
 このような環境の下にあって、石油・原材料高下にも拘わらず、わが国の「ものづくり産業」の根幹を担う一般機械工業の昨年度の生産高は、対前年度比4・5%増の16兆6千億円が見込まれ、包装機械産業も国内の設備投資の回復の動きと、中国を中心とした東アジア諸国やヨーロッパ等への順調な輸出に支えられ、対前年度比3・2%増の4千3百億円台の生産高に達することが期待される状況にあります。しかし、先行きの景気の見通しは、少子高齢化時代を反映して個人消費が依然として回復感に欠け、持続的な安定した成長基盤を確保するまでには至っていない状況にあります。
 本年は2007年問題を契機に、団塊世代の多くの方が退職されることが見込まれ、人材不足も伴い、ものづくり産業の根幹である技術・ノウハウの伝承等が危惧される状況下にあって、さらに少子高齢化が進むなど、ますますニーズは多様化し、包装機械に対して需要業界からは、多品種少量生産化に対応できる包装システムが求められてきております。
 環境保護の面では、昨年4月からの改正容器包装リサイクル法の施行や石油製品の値上がり等により、さらなる省資源・リサイクル化、省エネルギー化等を促進する製品の開発が求められ、安全、かつ衛生的な商品を流通・提供する立場にある包装機械へも安全・衛生性に対する要求が強まってきております。
 弊会ではこれらのニーズに応えるため、環境保護に配慮した新技術の開発に努めるとともに、安全・衛生面では独自に制定した「包装・荷造機械の安全基準―2004」と「包装・荷造機械の衛生基準―1999」の下で、包装機械の安全・衛生化を推進し、包装機械産業への信頼をさらに高めて行きたいと考えております。
 一方、海外との貿易面では近年、中国を中心に東アジア諸国への日本の包装機械メーカーの進出が増加し、進出相手国あるいは東南アジア地域向けの市場の確保と開拓を図る活動が活発化してきております。年々東南アジア諸国の国民総生産高も上昇し、これに伴い包装機械へのニーズも高まり、輸出は拡大の傾向にありますが、今後もさらに各々の地域、国が求める製品の開発に努め、輸出比率を引き上げ、安定した産業の成長基盤を構築して、内需依存型から輸出を指向した業界に脱皮したいと考えております。
 わが国の包装機械産業は、今や世界の包装機械の生産高の約20%を占めるまでに成長し、年々その責任と使命が増しておりますが、世界の包装機械産業も再編の動きが活発化し、大手企業への集約化が加速しており、また発展途上諸国の追い上げの勢いも旺盛です。このような状況下で日本の包装機械産業は、これまでユーザーニーズにマッチした製品を開発し、提供してきた技術と経験を活かし、世界の包装機械技術の発展に向け寄与したいと考えております。また、人材の確保や、弊会の包装学校を通じて人材の育成に努めることにより理解と協調を図り、新たな発展基盤を醸成し、内外の需要業界の要求と期待に応える所存であります。
 最後に、本年も関係各位の倍旧のご支援とご協力をお願い申し上げ、新年のご挨拶と致します。

(以上)

 
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