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健康計測機器メーカーから「日本を健康にする」会社へ

(株)タニタ 谷田千里社長に聞く

聞き手は高松宏之編集部長

vol.3

日本計量新報 2014年2月2日 (2997号)5面掲載

計量計測機器が基本

ーー企業の健康づくりへ向けての総合的な展開のなかで、計量計測機器の製造・販売はどうなりますか。

計量計測がすべての基本です。計測したデータがないと分析も判定もできません。そして、この計測は計量計測機器によっておこなわれます。また、健康かどうかの判断に体重は重要な指標となっています。体重や体組成をはかることによって健康の増進につながります。電子尿糖計などが果たす役割も同じです。

計量計測機器の製造・販売は発展させる

ですから、タニタは、「日本を健康にする」というテーマで総合的に事業を展開していますが、その基本となる計量計測機器の製造・販売は大切なものと考え、継続、発展させていきます。

計量制度のアピールが大事

−−計量の普及にも積極的に関わっておられますね。

健康計量・計測機器を製造販売していますから、計量に関わる方々とおつきあいする機会が多いのですが、そこでは現在の計量制度が抱えている問題点をいろいろうかがっています。家庭用計量器を特定計量器から外すかどうかの問題、規制緩和との関連で、いわゆる生活に密着しているガスメーター、水道メーター、電気メーター、タクシーメーターなどを計量法ではどう扱えばよいのか、また各地の計量行政に協力している計量関連の民間組織の弱体化による適正計量を確保する体制の危機の増大など、かなり深刻な問題もあります。
 一方、タニタのブランドイメージが高まったことで、これまでおつきあいがなかったさまざまなところからの講演依頼なども増えました。
 その際感じたのが社会基盤と生活の安心安全を守っている計量制度が本当に世の中に知られていないということです。これは問題だと思いました。「計量啓発」の重要性、緊急性を、自らの経験から肌で感じており、もっとアピールする必要があると感じています。

品質規格がメイド・イン・ジャパンをつくった

私はある程度の品質規格や基準は必要だと考えています。戦後の荒廃のなかから日本の産業が発展してきたのは、これに牽引されて技術を発展させてきたからです。品質規格がメイド・イン・ジャパンのブランドをつくってきたといってよいと思います。
 なかなか難しいでしょうが、これらを現代の要請に適合するように再構築していく必要があります。
 JIS(日本工業規格)もどんどん世界にアピールしていく必要がありますね。これによる日本製品の一段高いレベルの優秀さがメイド・イン・ジャパンのブランドをつくってきたのですから。輸出に使える武器です。

−−ありがとうございました。

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