「計量計測データバンク」トップページ

計量トレーサビリティー事業制度紹介特集のご案内

目次

1、JCSS登録事業者紹介特集企画の趣意書

2、キログラム定義など4つの基本単位の定義改定

3、計量トレーサビリティー制度の概要

4、JCSS登録事業者紹介記事(掲載例)

5、上記特集記事とともに掲載いたします広告見本

  clip_image001[2]

 

キログラムなど4つのSI基本単位の定義を改定

国際度量衡総会(CGPM)で2018年11月16日決議、2019年5月20日に施行

キログラムなど4つのSI基本単位の定義を改定

「キログラムの大きさは、プランク定数の値を正確に6.626 070 15×10‐34 J sと定めることによって設定される」

 質量の単位であるキログラムの新しい定義ほかSIの基本4単位の定義改定をしたのが2018年11月13日〜16日フランス共和国のベルサイユ国際会議場において第26回国際度量衡総会である。新定義は2019年5月20日から適用されることが併せて決議された。


国立研究開発法人産業技術総合研究所提供

 長さの単位を決めればここから度量衡の単位をつくりだせるという趣旨でメートル法が推進されメートル条約が締結された。地球の子午線を測ってこれを分割した適度な長さが1メートルと取決めされた。1メートルは1000mmであり、100mm四方の升(ます)の水の質量が1キログラムと定義された。質量が1キログラムはこれによって肉感としても理解される。

 100mm四方のに辺には差異が生じやすい。升の差異は質量の差異となるかた1キログラムにゆらぎが生じる。升によってつくりだされる1キログラムにまさるものとして白金とイリジウム合金の塊が用いられることになった。よりよく計られた水の質量1キログラムは白金とイリジウム合金の塊である分銅に移し替えられて、これが質量1キログラムを体現する国際キログラム原器になった。

 国際キログラム原器の精密さと質量の安定性は10マイナス7乗ほどであり、どのような精密測定の要求をも満足させるほどである。国際キログラム原器は130年もの年月に渡ってその任務を果たしてきている。

キログラムなど4つのSI基本単位の定義を改定

 1キログラムの質量を国際キログラム原器よりも確かな形でつくりだせる技術が確立したことが見極められたために質量の単位である1キログラムの定義が変えられることになった。


国立研究開発法人産業技術総合研究所提供

 シリコン単結晶の密度、モル質量、格子定数を測定し、シリコン単結晶に含まれる原子を数えてアボガドロ定数を測定することを橋渡しとして、ワット・バランス天びんによって導き出されたプランク定数から、導き出される精度が1 kgに換算すると10μgが実現された。国際キログラム原器の質量安定性50μgを凌ぐことになった。定義内容は以下にで説明するが、超高精度のレーザー干渉計と表面分析システムを用いて、直径約94 mmのシリコン単結晶球体の形状を1nm未満の精度で測定することで、プランク定数を世界最高レベルの精度で測定するという日本の産業技術総合研究所の業績が大きく寄与している。

 質量の単位キログラムは国際キログラムの質量として定義されていたものが「キログラムの大きさは、プランク定数の値を正確に6.626 070 15×10‐34 J sと定めることによって設定される」と定義変更されることになった。

 世界に一つしかない分銅「国際キログラム原器」の質量がキログラムと定義されていたが。国際キログラム原器の質量は、長期的にはガスなどによって表面が汚染されて質量の変化をすることが確認されている。対応策として普遍的な基礎物理定数に基づいた定義に改定すべく、基礎物理定数を国際キログラム原器の質量の長期安定性よりも高い精度で決定するための研究が各国で進められてきた。その結果、プランク定数に基づく新たなキログラムの定義に移行することになった。

 直径約94 mmのシリコン単結晶球体の形状を1 nm未満の精度で製作し、かつ測定することで、プランク定数を高い水準で導き出す技術をもつ国は日本、米国、カナダ、ドイツなど数か国のみである。シリコン単結晶球体の製作は簡単ではないがこの国々ではつくりだし、また測定する技術を持っているから、キログラム原器に変る質量の原器に相当する器物を再生できる。

 質量の単位であるキログラムの新しい定義は金属の塊であったキログラム原器より安定度と精密度の高い方法が開発された。それが新定義の「キログラムの大きさは、プランク定数の値を正確に6.626 070 15×10‐34 J sと定めることによって設定される」である。新定義によって旧来のキログラム原器は役割を全うしたことになる。新しい方式ではよりこののち定義を改定しないままで、より精密なキログラムの実現に道を開いている。

 計量単位の標準とりわけ、基本単位をキログラム原器のような器物の状態から解放し、物理定数などによって定義して、精密度を向上させること決定がこのほどなされた。

キログラムなど4つのSI基本単位の定義を改定

 第26回国際度量衡総会でキログラムほかSIの基本4単位の定義を改定した。


国立研究開発法人産業技術総合研究所提供

 「新しいSI」において、SI 基本単位のうち四つ、すなわちキログラム、アンペア、ケルビン、そしてモルは物理定数を用いて再定義された。それらの新しい定義は、それぞれプランク定数(h)、電荷素量(e)、ボルツマン定数(k)、そしてアボガドロ定数(NA)の確定値にもとづく。この結果、SIのすべての7つ基本単位が、物理定数の式で表現されることになった。そして、基本単位の定義を実用的に実現する手段として、具体的な現示(実現)方法も規定された。
 

キログラムなど4つのSI基本単位の定義を改定

ページトップへ戻る


「計量計測データバンク」トップページ

目次

1、JCSS登録事業者紹介特集企画の趣意書

2、キログラム定義など4つの基本単位の定義改定

3、計量トレーサビリティー制度の概要

4、JCSS登録事業者紹介記事(掲載例)

5、上記特集記事とともに掲載いたします広告見本

 

計量トレーサビリティー事業制度紹介特集のご案内

ページトップへ戻る