ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX第3WG第7回 議事要旨

 計量行政審議会計量制度検討小委員会第3WG(平成17年度第7回)
 議事要旨


1.日時:平成17年12月2日(金)
          13:30〜15:40

2.場所:経済産業省別館11階1120会議室

3.出席者:今井座長、伊藤委員、河村委員、久保田委員
            齋藤委員、芝田委員、杉山委員、瀬田委員
      田畑委員、中野委員、畠山委員、本多委員
      松本委員、三浦委員、山領委員

4.議題:1 計量制度検討小委員会第3WG第5、6回会合議
       事録について
     2 海外主要国における計量標準の開発・供給体制等
       の整備状況について(中間報告)
     3 第3WGに関する骨子案について
     4 その他

5.議事要旨:事務局から委員の出欠について報告の後、座長か
 ら今回開催の趣旨及びWGの公開についての説明がなされた。

議題1:計量制度検討小委員会第3WG第5、6回会合
    議事録について

 第5、6回会合の議事録の内容について、了承された。

議題2:海外主要国における計量標準の開発・供給体制等の
    整備状況について(中間報告)

 NMIJ中野委員より、海外主要国における計量標準の開発・供給体制等の整備状況について、調査結果の中間報告がなされた。

主な質疑等は以下のとおり。

・NMI−VSL(オランダのNMI)は国立ではないということであるが、民間としてのデメリットはあるのか。また、法的に定められた校正事業者の認定制度について、日本のJCSSに当たるものが海外では無いということであるが、どういう状況なのか。
→ヒアリングの際、NMIからは、直接的なデメリットの指摘はなかったが、経営的にはかなり厳しい状況。また、日本ではJCSS制度が計量法で規定されているが、多くの国ではボランタリーベースであり法律に基づき行ってはいない。ボランタリーな認定機関の承認行為は、商業ベースでISO/IEC17025の基準を使用し、ILAC等が行っている。なお、制度の運営はボランタリーベースでも、実施機関が法で規定されている場合もある。

・CIPM-MRA(国際相互承認協定)における「契約」とはどのように考えればよいのか。また日本ではどう考えればよいのか。
→CIPM−MRAにおいて、国又は中核的な国家計量標準機関(Principal NMI)が、国内の国家計量標準機関をDesignatedすることにより、その機関に対していくつかの義務が発生し、国際比較に参加するとか、その機関が計量標準のどの量を担って供給するのかといった、具体的なことを決めていく必要がある。それを契約や覚書と呼んでおり、それをとりまとめる主体が英国ではDTIとなる。
 日本については、計量法では、NMIJもCERIも相手先は全て経済産業大臣であり、大臣が指定等をしている。また、法律外のCIPM―MRAにおいては、産総研がPrincipal NMIとしてCERIとの間で覚書を結んでいる。経済産業省と産総研の関係については、計量法上の経済産業大臣の事務を本省と産総研とで中期目標等で分担している。

・韓国については、校正事業者の認定制度もあり、また、国が独自で標準物質を供給しているが、他国の国家標準を受け入れていることについて、どういう形で受け入れているのか。
→調査においては、校正事業者が海外の計量標準を使用する事について認定機関が認めるかどうかという質問をした。韓国については、供給者がILAC等の国際相互承認の枠組みに適合していれば、韓国の認定機関は受け入れるだろうとの回答であった。また、韓国では海外の計量標準をかなりの試験機関が使用している。なお、国際的な認定機関のルールとして、校正事業者に対して差別的な取扱いをしてはならないこととなっており、相互承認に加盟するには、海外の計量標準を受け入れざるを得ないが、国内の規制法規で海外の計量標準を受け入れないこととなっている場合がある。

議題3:第3WGに関する骨子案について

 事務局より、第3WGの方向性(骨子案)及び特定計量証明事業認定取消事案について説明を行った。

主な質疑等は以下のとおり。

(計量標準供給について)

・準国家計量標準について、何らかの形で指定することについては、社会のニーズに応えるために必要なことであり、大いにやるべき。準国家計量標準の位置付けとして、暫定標準とされているが、標準物質の場合は、半恒久的に外国任せという分野があってしかるべきではないか。暫定というと、最終的に国内で持つこととなり非現実的ではないか。→今までなかったものを準国家計量標準とするため、様子見の時間も含めて試行という位置付けとなるのではないか。
 

・日本の特定標準器がMRAでつながっておらず国際整合性が確保されていないということであるが、国際比較の点で、MRAにつなげるようにした方が良い。
 

・準国家計量標準について、海外に輸出した時に受け入れられるのか心配。海外には準国家計量標準というシステムがあるのか。
→準国家計量標準として例えば日本の学会が出している標準がすぐに国外で受け入れられるのはなかなか難しい。ただし、そのような場合であっても海外でのニーズが高く、国際整合性が必要になるものについては優先的に整合性の確保を進めていくということだと思う。また、緊急的に国内の値を整合化するにはこのスキームは意味がある。SIトレーサブルではないものについては、海外の国家計量標準機関も扱いに苦労していて、マーケットに任せているところ。本件は、国際的に見て初めての試みかもしれない。
 

・例えばSIトレーサブルなNISTの標準物質を買ってきて、国内のJCSSで供給する場合には、海外に通用するのか。
→通用する。
 

・準国家計量標準について、E−TRACEは念頭に置いているのか。→E−TRACEで供給する標準については全てSIトレーサブルであるものを念頭に置いており、準国家計量標準の指定の対象として想定していない。E−TRACEの国際整合性の問題は遠隔校正を受ける相手側と校正者との責任関係がISO/IEC17025の規定とうまく整理がつかないところにある。
→ISO/IEC17025の解釈については、ILACに対しE−TRACEの仕組みが入れるよう提案をしようとしているところ。
 

・P14の国家計量標準レベルの水準とはどのようなレベルか。
→詳細なイメージが出来ているわけではないが、例えばSIトレーサブルでないものは、SIトレーサブルになるよう努力し、それまでの間は準国家計量標準として整理することで、JCSSの標準供給を増やせないかということを考えている。
 

・マネージメント・コーディネート機能の強化とはどういうイメージか。
→NMIJへ権限を移転するというよりも、仕事の進め方や関係者の役割分担・責任の分け方を決めていこうということ。具体的にはまだ決まっているわけではなく、方向性について意見をいただきたい。
 

(JCSS(トレーサビリティ供給)について)

・準国家計量標準がJCSSの枠組みの中で使われるようにして欲しい
 

・計量法のトレーサビリティ制度では不確かさをどのように位置付けているのか。
→不確かさについては、法というよりは、技術的なものであり、現場で使用される際の用語である。どのレベルで出てくるか確認して回答する
 

・P17の国際相互承認の必要性に対する対応について、国際相互承認の観点からJCSSにおいて2年ごとの再審査又はサーベイランスを義務付けるのか、あるいは義務付けないのか最終的にどう結論付けるのか。
→意見をいただきながら検討していく。
 

(環境計量証明事業について)

・他の分野に比べて、具体的方針の中身がない。何を検討するのかをもう少し充実させていくべき。
→資料5は、環境計量証明事業が含まれるものであり、これを骨子に盛り込むよう修正したい。環境計量士を始めとする従事者の更新については、現場での効果があることから進めていきたい。

・日本検査の認定取消しの際に、計量士の処分は検討しなかったのか→虚偽証明を行った日本検査に対しては、大阪府から廃業を促し、既に廃業されている。環境計量士についての処分は検討していない。

・技術士については、技術士法を改正し、倫理項目と自己研鑽を謳っている等、参考にしたら良い。

・試験検査機関が増加してきている中で、試験検査数が減少しており、1件当たりの価格が暴落し、客観的・技術的に見たときに、品質の高い分析値を出すことが難しい状況まで来ているところ。具体的方針ついて、例えば、環境計量証明について、自治体に対し入札最低価格をある程度規定することを検討することや、ISO/IEC17025の十分な活用等、議論を深めていただきたい。

(特定計量証明事業(MLAP)について)

・技術的な視点と人間の教育の問題、更にはモラルの問題があり、これらを踏まえていくことが必要。

議題4:その他

 事務局から、次回会合は、来年2月に行われる予定の計量制度検討小委員会での議論を踏まえ、来年2月中旬以降に開催する等、今後の進め方等について説明を行った。

以上
 

 
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