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 計量行政審議会計量制度検討小委員会第2WG(平成17年度第1回会合)  議事要旨



1.日時:平成17年9月9日(金) 10:00〜12:00
 
2.場所:経済産業省別館9階944号会議室
  
3.出席者:宮下座長、青山委員、印南委員、角田委員、
      加藤委員、川西委員、根田委員(代理出席森中氏)、
      堀切委員、宮崎委員、森委員、吉野委員

4.議題:1 第2ワーキンググループの審議の進め方について
      2 新しい計量行政の方向について
      3 その他

5.議事要旨:
・第1回ワーキンググループの開催にあたり、座長から第2ワーキンググループ(以下「第2WG」という。)の公開について説明があり、了承された。

(1) 議題1 第2WGの審議の進め方について
  事務局から、資料2に基づき、第2WGの審議の進め方に
  ついて説明があり、了承された。

(2) 議題2 新しい計量行政の方向について
  事務局から、資料4に基づき、新しい計量行政の方向に
  ついて説明が行われた。委員からの主な意見は次のとおり。
 
  ・資料4の8ページについて、4点質問がある。
   (1)「事業者による品質管理を促す制度」とは、
    具体的にどういうものか。
   (2)現行の「適正計量管理事業所制度」と
    「新適正計量管理事業所制度」との違いは何か。
   (3)「品質管理に関する能力」の品質管理とは何か。
   (4)欧州のeマーク制度について教えてほしい。

  ・前回の小委員会でも議論になったが、消費者は計量に
   加えて内容の品質までを含んだ安心・安全の暮らしを
   求めている。外形的に計るだけではなく、内容の品質に
   まで踏み込んだ議論として出てきた問題であり、今後は
   品質も問題視していることを押さえておくべき。

  ・商品量目は食品だけの問題ではない。経済省所管の計量
   法でも、対象は農水省の物資もあれば、ラッカー、塗料
   など経済省の物資もある。表示は桁数を6桁以下にする
   など表示方法も見ている。

  ・資料3の2ページのラベルの例について、計量法で見る
   ところは「〜g」と書いてあるところ。「とんかつ用」
   「〜県産」というところは見ない。本来はこれが品質。
   計量士や行政が見ているのは内容量の部分だけ。それ
   以外の部分は別の部署が行っており、この手間をなく
   すべき。ラベル全体のチェックを計量士ができるように
   すれば、まとめて一度の検査で済む。従来の計量士の
   業務範囲とは異なってくるが、現実の問題として考える
   べき。

  ・商品の試買検査を実施しており、消費者部生活安全課、
   衛生局と連携して、ラベル表示の チェックを行って
   いる。いわば計量・品質・安全を一緒に行い、ラベルの
   表示通りとなっているのか調査を行っているわけだが、
   年に何回かに限定して実施しているのが現状。
  ・適正計量管理事業所を商店街に拡げることができないか
   という点について、例えば都の薬局では薬剤師会が計量
   士を雇って検査している。また、米屋や石油、築地市場、
   石油商会、農協等の組合は適正計量管理事業者として
   指定を受けている。その一方、全国展開しているスーパー
   や百貨店でも適正計量管理事業所の指定を受けていない
   企業もある。これは、指定を受けるメリットがないのに
   計量士を雇う必要があり、コストもかかるため。はかりを
   使うのは、基本的に肉屋やお茶屋などの中小事業者が多い
   が、メリットがないとの声を聞く。組合として指定を
   受けている適正計量管理事業所をどう取り込んでいく
   のか、検討が必要ではないか。
  ・ 規制緩和は進めるべきだが、金融制度における規制緩和
   の例に見られるように、規制を緩和して消費者にどれだけ
   影響があるのか、リアクションを念頭に消費者に被害が
   及ばないような制度の検討をお願いしたい。
  ・なお、資料中、消費者保護との記載があるが、消費者
   行政は消費者基本法に変わり、消費者保護ではなく、
   現在は消費者の自立支援となっている。

  ・ISO9001やISO22000等の食品管理のマネジメント
   システムの審査を行っている。企業は、食品のマネジ
   メントシステムを導入する際、商品設計や構成が異なる
   と、商品の特性も異なってくるため、計ることを大切に
   しており、商品設計の段階で計量にもの凄く神経を使う。
   自動はかりでマイナス表示となると、それは必ずはねる
   ようにし、プラス表示しか許していない。顧客に対し、
   マイナス表示を与える商品設計はあり得ない。この
   プラス部分の許容される誤差が大きくなるほど企業収益
   を圧迫する。最終的に貼るラベルは一枚で、消費者に
   とってわかりやすい表示になっていればクリア。

  ・商店街の半分以上は食料品を扱っているのが実状。
   そういう意味で計量法とは密接な関係がある。しかし苦情
   は、計量に関するものはあまりなく、品質に関するものの
   方が多い。計量分野は、行政の抑止力が効いているの
   では。立入検査もさほど行われているわけではなく、
   うまくいっているのではないか。一般の方は、計量が
   正しいと信じ切っており、小売店にしても店の信用に
   関わる問題なので、極端に狂うことはないのではないか。
   タクシーメーター、ガソリンメーターの方が問題あるの
   ではないか。量目については現状、抜き打ちチェックが
   抑止力になるのではないか。

  ・計量器も計量方法も非常に多岐に渡る。計工連としては、
   量目に焦点を合わせて、現状や問題点を含むマトリックス
   的な全体像をまとめてお示ししたい。
  ・包装商品の販売方法は、次の3つに分類される。
   (1) 定量・定額のもの(例えば、1パック100円)。
   (2) 質量などに応じて価格が異なるもの。
   (3) 1個いくらで売られるもの。
   このうち、(2)の販売方法の場合、およそ1/3000という
   非常に高い精度の計量器を使用して、シビアに法律でみて
   いる。一方、(1)の販売方法の場合、組み合わせ計量器の
   精度は高まったが、それでも1/100くらいの粗い精度と
   なっているが、これを法律でカバーするのは難しい。
   計量器の規制ができなければ、サンプル調査で対応する
   しかない。つまり、現状では精度の高い計量器にシビアな
   規制がかかり、精度の低い計量器には規制がかかって
   おらず、公平性に問題ある。これでは消費者保護に
   ならないのではないか。
  ・欧州では、アベレージシステムという方式で、マイナス
   を認めている。ある程度のマイナスを認めないと、価格が
   アップし、最終的には消費者負担になってしまう。事業者
   はマイナス誤差を防ごうと表記した内容量よりも多めに
   商品を入れることとなり、例えば内容量100gであれば
   実質105g平均になってしまい、結局販売価格は105gを
   基準とすることになるため。
  ・計工連会員企業の作っている計量器の3割が計量法の対象
   となり、残りの7割は対象外。対象外のものの中には、
   世の中にとって非常に重要で、計量法の網をかぶせるべき
   ものもあると考えている。

  ・計量士は計量法に規定された国家資格。その業務は、
   正しい計量器で計り、正しい方法で計量し、結果が正しい
   か指導、実施していくことである。計量士の区分として
   は、(1)一般計量士、(2)環境計量士(濃度関係)、
   (3)環境計量士(騒音・振動関係)の3種類がある。
   計量士になるには、(1)計量士国家試験に合格し、一定の
   実務経験を積むこと、または(2)産総研の計量教習
   センターでの5ヶ月間研修を受講し、計量士部会による
   認定を受けること、のいずれかが必要。量目に関わる一般
   計量士については、毎年200名程度合格者が出る。
   合格率は15〜20%強。
  ・一般計量士の業務内容は、(1)はかりの検査、(2)適正計量
   管理事業所における計量器の管理や検査、に分けられる。   
   (1)については、都道府県知事等に代わり定期検査を
   行う、計量士による代検査であり、この比率が高まって 
   いる。
   (2)の適正計量管理事業所については、流通(デパート、
   スーパーマーケット等)が指定を受けている場合と、製造
   事業所が指定を受けているケースに分けられる。まず、
   流通における適正計量管理事業所では、バックヤードで
   商品を包装するものだが、ここでの計量はパート・
   アルバイトがほとんどであり、パート等への教育が十分に
   行き渡っていない。このため、行政が毎年立入検査を実施
   しても 不正が5〜10%必ず出てしまう、という問題が
   ある。また、消費者は基本的には正しい数値で販売されて
   いると思いこんでいるが、それほど信用できない、という
   のが本当の見方。立入検査で担保するというが、立入検査
   はそれほどの頻度で行われているわけではない。やはり
   消費者が自分の目で確かめるのが重要であり、消費者の
   意識や普及啓発が必要。次に、自動車工場や製薬工場等の
   製造事業者の適正計量管理事業所においては、その事業所
   で使われている計量器を、一定期間毎に、計量士が検査
   する体制となっている。消費者に迷惑をかけないという
   意識で、商品を少し多めに充填する事業者が多い。こう
   した事業者の多くはISO9000やISO14000を取りなが
   ら、適管として品質管理と計量管理を行っているのが
   現状。
  ・要望・意見を3点ほど言わせてもらうと、
   (1)計量士制度は非常に重要であるが、昔から活躍の場が
   広がっていないことが問題。民間の活力を活かすのなら、
   魅力のある制度にすることが大事。(2)適管のメリットが
   少ない。行政への報告書や立入検査の免除等の具体的な
   メリット付与が必要。また、同じ適管でも、計量管理に
   ついて事業者毎に差別化してもいいのではないか。
   (3)平成4年の改正以降、はかりの技術基準も2、3度
   改正されていることもあり、計量技術の研修・教育を行う
   仕組みが整備されていないのではないか。
  ・日本計量振興協会の会員の計量士は約1100名。会員と
   なっていない計量士もかなりいる。概算すると3000人は
   いるのではないか。

  ・やはり適正計量管理事業所にメリットがないのは問題。
   消費者に安全・安心の情報提供を行うことにより、
   選択肢を広げることが重要だが、入口でメリットがないと
   いうのは問題。問題点を把握して、建設的な提言を行う
   ことが必要。

  ・適管の指定数は、47都道府県で減少しているが、神奈川県
   における流通の指定数は増えている。これは適管の
   メリットを熱意をもって指導しているため。量目に関する
   立入検査を実施すると、農水省などの他省庁と合うが、
   量目規制がきつくなると商品の価格が上がることとなる。
   例えば、飲料は、質量(g)、体積(ml)のどちらでも
   表記することができるが、アルコールを含むか含まない
   かでg表示かml表示かが決まってくる。規制を厳しく運用
   すると、表記に合わせて充填器を入れ換える等のコストが
   かかることになる。しょうゆの場合も、計量法上はml表示
   となっているが、現実にはg表示もある。事業者に対する
   指導として、g表示は絶対にいけないとは言えない。こう
   いったことにこだわると消費者に不利益を招くことになる  
   のではないか。また、表記の規制を厳格にすると、
   その規制にそぐわない輸入品(メープルシロップ等)を
   排除することにもなりかねない。時代の変化に対応した
   運用・改正が必要。
  ・立入検査といっても個人宅に入るわけにはいかない。
   販売ルートが変わり、例えばインターネット通販の商品の
   正確計量については、モニタリング調査により、表記が
   適正かどうかをチェックしている。東京都や神奈川県で
   は、試買検査も実施している。
  ・量目における世界の動きは、欧州におけるeマーク制度
   など平均値で管理するのが主流。現在、世界で検討されて
   いる国際ルール(IQマーク)と日本のルールを分けて
   しまってもいいのか。

  ・消費者は表示が正しいと信じており、計ることの信頼性が
   高い。こうした前提があるので、適管は活かされないので
   はないか。一方、値切る文化のあるところは違う。
   こういう地域ではもともと怪しいから、マーク制度が
   活きてくる。
   せっかくうまくいっているものが崩れることにならない
   ようにしなければならない。
  ・計量士をうまく活用できないか。消費者1人1人と直接
   顔を合わせるわけではないのが、存在感が薄い理由。
   計量の信頼性を消費者に伝える役割を計量士が果たせると
   いい。一体的な制度の見直しをしていくべきで、計量士が
   身近な存在となれば成功。

(3) 議題3 その他
  次回開催については、10月18日午前を予定。
 


以上

 
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