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計量新報 2007年 2月 18日発行/2664号 1面・3面


計量制度検討小委員会第3WG(第10回会合)開く

計量証明事業の信頼性担保、基準器制度とJCSSなど討議

今国会に計量法改正案は提出せず
松本審議官があいさつで表明

 計量行政審議会計量制度検討小委員会第3ワーキンググループ(WG)の第10回会合が、2月7日、東京・千代田区の経済産業省で開かれた。会合は、パブリックコメントや地方説明会の状況を説明したほか、新規課題として問題提起されている(1)計量証明事業の信頼性担保、(2)JCSS登録事業者の拡充方策、(3)基準器制度とJCSSに関して討議した。第3WG提言の進捗状況は報告のみで、委員は電子メールで意見を述べることになった。(関連記事3、4,5面)

新しい課題も提案

 基準認証担当の松本隆太郎経済産業省産業技術環境局審議官があいさつし、今国会には計量法の改正案は提出しない、と述べた。

パブリックコメント・地方説明会での意見

 西本光徳知的基盤課課長補佐が、パブリックコメントや地方説明会での第3WGに関する意見概要を説明した。意見全体に関しては、次の計量制度検討小委員会で報告する。

民間の努力に悪影響ないように

 国家計量標準の整備は、(社)日本鉄鋼連盟による計量標準整備など民間の努力に悪影響が及ばないように運用されるべき、との意見が出された。

JCSS制度普及促進を

−検査・検定との関係明確にして欲しい−

 計量トレーサビリティ制度の普及を促進するべきとの意見が出された。校正メニューの豊富化、低料金化、使いやすいサービスの提供等を求めている。
 JCSS制度と検査・検定との関係の明確化が求められた。JCSS制度が求める校正・不確かさを用いた計量と、基準器検査など法定計量制度が求める検査・検定との関係について、明確にされるべきとの意見が出された。

計量証明事業の信頼性を担保すべき
−クロスチェックの実施など提案される−

 地方公共団体が計量証明事業者に外注する計量で、モラル低下によるずさんな計量が見られることから、計量証明事業の信頼性を担保するべきとの意見が出された。西本課長補佐は、対応策として、発注者による外部分析機関(ISO/IEC17025認定機関)を利用したクロスチェックの実施が提案された、と報告した。
 また、計量証明事業に係る行政処分や罰則を強化するべきであるとの意見が出た。
 経済産業大臣((独)製品評価技術基盤機構に事務委任)が行う特定計量証明事業者の認定に係る政令手数料は、民間が認定を行う実費より大幅に安いのは問題である。民間事業者である特定計量証明認定機関の認可手数料が、健全な運営ができるよう大臣の認定手数料を見直すべきであるとの意見が出された。
 全体としては、計量制度の広報に力を入れるべきであるとか、計量トレーサビリティ制度、特定計量証明事業制度でISO/IEC17025の民間認定や、工業標準化法に基づく認定など、バラバラではなく一括して取れるようにするべき、との意見が出た。また、経済産業省、環境省などで環境測定に係る精度管理指針などが異なるので統一するべきであるという意見が出された。

制度見直しに関し8箇所で説明会を実施

 今回紹介された意見は、2006年5月22日から6月23日まで実施されたパブリックコメントでの意見のほか、全国8箇所で実施された「計量制度見直しに係る説明会」で出された意見をまとめたもの。

(3面)

計量証明事業の信頼性の担保が求められる
−立入検査やクロスチェックなど検討−

 「地方公共団体の入札による計量の外注先で、モラル低下によるずさんな計量が散見される」ことから、計量証明事業の信頼性をどう担保していくかが問題となる。
 事務局による報告では「地方公共団体の環境部門の濃度の計量に係る委託に関して、計量証明事業者のモラルや、品質・能力についての懸念が表明された。また、地方公共団体の資源ゴミ買い取り部門に係る質量の計量に関して、不正により刑事訴追された事例がある」と現状が指摘された。
 対策として、一つは特定計量証明事業の拡張、もう一つは現行制度の中で計量証明事業の信頼性を担保する方策が検討された。
(次号以下へつづく)

 
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