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  since 7/7/2002

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新春トップインタビュー (株)イシダ代表取締役石田隆一社長に聞く  

世界市場の中で日本を考える

イシダの110周年

 私どもイシダの110周年に関係しての経営計画、将来構想などについてですが、110周年の110を「いい(11)まる(0)にしよう」ということで張り切っております。私は社長に就任して2002年12月15日で、まるまる35年になります。

 社長就任当初は、110周年を迎えたら社長を退任するつもりでおりましたが、日本経済がこのような状態にあり、どんな企業でも一瞬たりと油断ができない状況にあります。ですから、このような時期に経営者として、退くことは無責任であり、適切な時期ではないと思います。よって、今後も会社の発展のために全力投球しますが、あわせて社会のお役に立てるよう与えられた公職の責務も全うするつもりでおります。少なくともあと数年は現役で奮闘せねばなりません。

 個人の人生はマラソン、企業経営は駅伝にたとえることができます。私は社長である間は、自分の区間を全力で疾走します。社長である以上は、健康で、知恵も徳もなければなりません。そのことに少しでもかげりがあれば身を引く覚悟で臨むのは当然です。常に智・徳・体を維持していて、それができなければ退くということです。

動機・目的は正しく

 私どもイシダの事業展開は、円の中に十字があるマークで、わかりやすく表現しています。縦軸においては、計量技術を深耕させながら、さらに、情報化を推進してゆきます。重量センサーというものは、経営センサーであり、情報化を進展させるさまざまなデータを取り込み、センサーとしての機能を強化させていきます。そして、横軸においてはシステム化を挙げています。顧客のニーズは、単に計算することではなく、その周辺にある包むこと、数えること、梱包すること、運ぶことなどの諸作業のシステム化へと変化してゆきます。そのニーズに応えるために、商品のシステム化を進めています。さらに、その両軸を円で囲み、円の中に十字があるマークを描くのですが、その円が国際化を表しています。

 私が尊敬する京セラ会長の稲盛さんが言っておられますが、事業の動機・目的は正しくなければなりません。会社を大きくしたいから、これは儲かりそうだから、というだけの動機で行動してはいつか絶対に失敗します。

 儲けのため、あるいは見栄のためだけではなく、世の為人の為自分の信じる道を歩いていくうちに、自然と事業は膨らんでいくものです。事業を拡げる場合は、全くの別分野ではなく、あくまでも関連性のある分野で事業を広げ展開していくことが大切だと最近思っています。

イシダの人づくり

 事業に関係して人づくりのことを申し上げます。人は何よりの財産であり、企業は人に尽きます。1年の収穫を得ようとすれば穀物を植えよ、10年の収穫を得ようとすれば木を植えよ、100年の収穫を得ようとすれば人を育てよ、と言われます。私ども、どんどん若手に権限委譲するようにしております。

 何をやっても良いと言うことではありませんが、若い世代は、「活き活き、伸び伸び」育てて、大きく仕事を任せることで若い人材を育てるつもりです。

 特にグローバル展開な世界戦略を実現するためにも、私は開発と教育には金を惜しまないという姿勢で、世界ビジネスの具体的な場面に若手を投入して鍛えております。

 現在若い開発部長を中心に、GS活動という新しい手法を使って、知識を集め、皆でそれをどうすべきか議論をし、下から積み上げるボトムアップ方式で事業計画を展開しております。

三方良しの精神

 私どもイシダはお取引先、お客様あってこそ110周年を迎えられます。長年のご協力とご愛顧に心から感謝致しております。お取引先様、お客様は母なる大地であり、大地があってこそ私どもは実りを得て生きていけるわけですから、お客様第一、現場第一ということを徹底してやっていきたいと考えております。

 自分の会社だけが繁栄して、まわりのことは考えないというようなことでは絶対に上手くいくわけがありません。あくまで私どもは「三方良し」という理念を基本に基づいて歩んでいきます。そのような基本的なベースができていないことには企業でも国でも絶対に永続しません。

 目先の事ばかりをやっていてはいけません。5年先、10年先にどうあるべきかというグランドビジョンを描き、それをどのような目標と理念をもって実現するかを考えるべきではないでしょうか。

 今の日本は、うまくやっているように見えますが、本当のところはグランドビジョンができていないのではないでしょうか。現在の日本は目先のことにとらわれて走っていて、5年先、10年先のことをどうするのか、それをどのような理念のもとに行うのかということが欠けています。

 きちんとした一つの大きな旗印が国にないから目先のことに走ってしまうのです。今こそ日本もグランドビジョンをつくって、目標と理念をはっきりさせなくてはなりません。

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