計量新報記事計量計測データバンク今日の計量計測情報ニュース会社概要出版図書案内リンク

すべての製品に革新技術を

大和製衡(株) 川西勝三社長に聞く

聞き手は高松宏之編集部長

vol.3

日本計量新報 2013年7月7日 (2971号)2面掲載

革新技術で画期的ユーザーメリット創造(2)

低コスト、大幅時短で定量作業が可能に

3つめの例は、電子式台はかり・卓上はかりです。革新的なセンサー技術と電子制御技術により、だれにでも簡単に操作でき、低コストで、作業時間を大幅に短縮した定量分類作業が可能になりました。そのなかの「音声ランク選別機ランクNAVIシリーズ」がテレビの情報番組でも取り上げられて、大きな反響を呼びました。

組織風土を革新

ーー革新技術はどのようにして生まれるのでしょうか。

できないことは宝物

紀元前5000年に始まった質量計の世界は、これまで何度も述べたように、高度のメカ技術を有する歴史的な企業が携わってきました。
 しかし、その歴史故の既成概念が変革のじゃまになることがあります。大和製衡にもそれがありました。「そんなことは無理だ、できない」と。
 わたしはこの「できない」ということは、「宝物」であると思っています。このできないということこそが、実は、そこに革新が存在していることの着眼点になるからです。そこにこそ、われわれの持ち味を活かせる種があります。みんなができると言っていることはだれだってできるのですから、それは革新技術にはなりません。

風土の革新が必要

しかし、これには組織風土の革新が必要です。大和製衡の社員自身が、「できない」という既成概念のまっただ中にいるわけですから。

風土が変わってきた

現在は、従来は評論家的、第3者的に眺めていた社員たちが、革新技術が存在することに、やっと気づきはじめたところです。そういう共通の価値観を持ちはじめています。「なんとかする」という風土になりつつあります。
 このように、根幹としての技術的背景のうえに、組織の風土が変化してきていますから、100周年に向かって、世界の大和製衡をめざしてがんばっていきます。

国際化をはかる

世界をめざすということは国際化をはかるということで、大和製衡は国際化比率を高めることに力を注いでいます。
 これは景気に左右されない企業を構築することです。そして、その基礎は革新的な技術力です。
 現在の当社の輸出比率は約50%ほどです。これを70%程度まで引き上げていきます。

常に研究者の心を持つ

ーー改めて、川西社長の姿勢をお聞かせください。

ものづくりの先頭に立つ

わたしは、常に研究者の心を失わない経営者でありたいと心がけています。本田宗一郎氏や松下幸之助氏のように、オーナー自らがものづくりの先頭に立つということです。

新たな計量文化を発信する

戦後のベンチャー企業の原点に立ち返って、世界の新たな計量文化を大和製衡から発信していきたいと考えています。メカ技術を再構築し、「技術立国日本」を当業界の先頭に立って実現していきます。
 このように国の基本政策に参画していくことは、経営者としての責任でもあります。

−−ありがとうございました。

<<前へ[1 2 3]


記事目次/インタビューTOP
HOME
Copyright (C)2006 株式会社日本計量新報社. All rights reserved.