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会員拡大に力入れて、ネットワーク強化

全国計量器販売事業者連合会石蔵利治会長に聞く

聞き手は横田俊英論説員

vol.1

日本計量新報 2012年2月26日 (2906号)2面掲載

総会を各地で開くことで活性化

−−計販連という団体の基本的な内容を教えてください。
 全国計量器販売事業者連合会(計販連)は、計量器販売事業者を会員とする全国組織です。
 計量器販売事業者は、日常的に、ユーザーと接する機会の多い業務です。その立場から「適正な計量器の供給」と「正しい計量の実施のための助言」をとおして、日々適正な計量の実施のために個々の会員と会が協力して大いに励んでおります。
 現在は、規制緩和という世の中の流れにしたがってハカリなど計量器に対する計量法の縛りが緩くなっているということがあるので、計量器の性能保持などに関してユーザー自らが自主的にまた積極的に取り組まなくてははならない時代になってきています。そのようなことと関連して、計量器販売事業者がユーザーであるお客さまのハカリなど計量器の管理をお手伝いすることによって、結果として世の中の適正な計量が確保されるという状態ができあがり、これが広がっております。計量法の規制の外になっているハカリの管理がユーザー任せで、実際にはハカリの管理は何もしていないで、精密さが怪しくなっているままで使われている事例は少なくありません。そのようなことですから計量器販売事業者は販売したハカリが必要な管理の下でその機能が正しく発揮されるように、お客さまのお手伝いを積極することが求められます。
 当会では計量器の管理がしっかりなされるように会員とは会合のたびに打ち合わせをしておりますし、「正しい計量の実施のための助言」を積極的に行うことを事業として打ち出しております。このように計量器販売事業者の社会における役割は大きくかつ重くなっていますので、私たちは今以上に会と会員が協力して関係する事業に積極的に取り組んでいきます。
−−石蔵会長は会長就任2期目を迎え、会員の中にも会長の考えに対する理解が深まってきているように思います。

 

会長になって2期目

新潟県で開いた総会で会長に就任しました。その後、仙台、熊本での総会があって、多くの会員に出席していただいております。賑やかで楽しい融和に満ちた総会になっていると思います。
 今年2012年は青森で開催します。青森市の(株)西衡器製作所の西秀記社長のお世話で8月のねぶた祭りに併せて開きます。この祭り中に青森市の中心部の宿は普通にはとれないところを頑張っていただきました。

 

帰属意識が高まっている

計販連は、毎年、総会の開催地を変えて実施しております。開催にあたってご当地の会員さんに総会の世話をいただくことを通じて、会員の計販連への帰属意識が高まりますし、お世話をいただいたということで、ご当地の会員の皆さまへの感謝の気持ちが素直なかたちで仲間意識につながります。毎年違うところで開催するということは、大変なこともありますが、会は会員が手づくりで自主的に運営していくのだということになって、会が活性化するのに大いに役立っております。
 楽しく総会を開く、何でも話し合う、ということをやってきているためか、会員同士の敷居が低くなっていて一体感が生まれております。私が比較的若いということもあるのでしょうか、総会には若い人も参加しますし、日本の景勝地などを視察するという目的をかねて夫婦で仲良く参加される人が多くなりました。賑やかに総会を開きたいのでありがたいですし、この旅行を通じて奥さまのご主人への理解も深まるように思います。そのようなことで皆さん、総会に参加することを楽しみにされております。
 総会では何も難しい議論をする必要はありません。私たちは「はかる」をテーマに売れる商品を取り扱っているわけですから、それを敏感に感じ取れる立場にあります。このことを踏まえて、私たちがどのようにしていけばよいのかということを話し合います。
 次回の青森での総会は当地での第一級のホテルで開きますし、開催時期が非常によいということで、直ぐにお申し込みをいただいた人が多くおりますし、現在その宿泊予約を受けてるところです。繰り返しになりますが、ご当地の会員に世話していただいて、各地で総会を開催するということが、本当に会員の帰属意識や結束力を高めて、会の活性化につながっていると、私は思っております。

 

オープンに情報交換

総会は観光地で開催しますから、会員の親睦を深める場としては最高の場になります。総会では、会員の皆さんが互いに打ち解けて話をし、計量器や計量に関する情報交換をします。お互いが同等の立場で参加していますから、飾らない自由な意見を出し合うことができます。

 

相互交流で新たな取引も

計量制度などの話ももちろんしますが、私はやはり、親睦の意義が大きいと思います。普段は違う地域で、異なる活動をしている会員が、総会の場で親睦を深めるなかで、ネットワークが構築されたり、これまでになかった新たな取引関係が生まれたりします。計量器の販売事業者も、今は、その地域だけで仕事が完結する場合もありますが、全国的な関わりのなかでビジネスが進む場合もありますから、ネットワークの構築が大切になってきています。
 これが大事ですね。企業のトップ同士が親しくなることは、ビジネスも相互にうまくいくようになるということです。

47都道府県全部に会員を

 計販連はそういう打ち解けた自由に富んだ団体ですから、私が声をかけたら、趣旨に賛同いただいて入会していただいたメーカーさんが何社かあります。

仲間が仲間を誘う状況に

計販連の組織は、今、拡大しています。楽しい会合、楽しい組織だということで、仲間が仲間を誘うという積極的な状況が生まれつつあります。そういうなかで、会そのものに魅力が生まれつつあると感じています。昨年は四国から始めての会員が生まれました。

都道府県の空白をなくしたい

計販連は、現在50社の会員、10社の賛助会員がいます。
 私の目標は、47都道府県全部に会員を増やすことです。会の空白地帯を埋めたいと考えています。各都道府県から3社が会員になれば、120社を超える組織になりますね。
 四国から入会があった話をしましたが、鳥取県からも入会がありました。この入会は人のネットワークというか人の縁なのです。そういう縁も大いに活用して、会員を増やしていきます。
 会社の規模がある程度以上でないと、計販連の活動に時間を割くことは難しいですから、会員を増やすことはそう簡単なことではありませんが、しかし、この目標はしっかりと掲げて取り組んでいくつもりです。
 また、主だった計量器のメーカーには、賛助会員になっていただけるように声をかけていきたいと思っています。

使用者の立場で意見具申を

−−改めて、計販連の事業とその方針をお聞きします。

販売者として意見具申を

会員を拡大したいという話をしましたが、会員を拡大することにより全国団体としての認知度を高めることができます。
 計販連は計量器の販売者の全国団体として、計量器の使用者と直に接する者として、計量行政に関し、行政組織に対して、計量器の使用者の立場に立った意見具申を、きちんとしていけるようになりたいと思っています。

販売者はユーザーに一番近い立場

行政機関も、メーカーだけの意見ではなく、ユーザーに一番近い立場におり、計量行政や消費者行政に関する現状の課題や問題点を一番よく分かっている、計量器の販売者の意見をしっかり把握して、計量行政に取り組んでいただきたいと思います。少なくとも、ユーザーが理解に苦しむような法規制があってはなりません。
−−ありがとうございました。(おわり)

会の概要
【名称】全国計量器販売事業者連合会
【会長】石蔵利治
【住所】〒162−0837、東京都新宿区納戸町25番1号日本計量会館内、電話03−3268−0577、FAX03−3268−4924
【目的】計量器販売事業者の団結、親和によって計量器販売事業者の改善、進歩を図り、計量界の発展に寄与する

 

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