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日本計量新報 2011年4月17日 (2866号)3面掲載

東日本大震災の爪跡(2)

ガソリンスタンドに長蛇の列

吉野町のガソリンスタンド。地下のタンクから手動ポンプでガソリンを汲み上げ、ポリタンクの目盛りで容積を計る。(4月2日朝撮影)

巻市湊町、吉野町付近の住宅や商店、ガソリンスタンドは1階部分が浸水。ガソリンスタンドの床に置かれたメーターは水に浸かって機能停止した。4月2日朝は、地下のタンクから手動でガソリンを汲み上げ、ポリタンクの目盛りで容積を計って販売していた。

状況が一段落して人と企業が行動する段階になると、自動車が駆り出される。その自動車には燃料が要る。ガソリンの供給は、災害復興のための重大な要素である。

石巻駅から2キロメートルほど西側に立地するガソリンスタンドには、給油待ちの自家用車が列をなしていた。

駅を境に明暗分かれる

釣り選手権でこれまで幾つもの栄冠に輝いてきた、釜石市在住の鈴子陽一氏が、4月2日、出版社つり人社社長の鈴木康友氏と地元ラジオで対談している。鈴子氏は、JR釜石駅の甲子川の岸辺近くで接骨院を営む鈴子氏の隣家が浸水被害を受けたにも関わらず、その接骨院が無傷であったことに触れ、「同じ地域であっても、震災で家も家族も失った人もいれば、家も無事で震災以前と何も変わらない人もいる」と述べていた。

釜石市は、駅の内陸側は大きな被害がなかったが、海側の両石地区は、高台にある小さな家を除いて全てが津波に飲まれた。鵜住居地区も国道45号線沿いは壊滅した。一方、釜石市の内陸に位置する遠野市は大きな被害はなく、ガソリンの給油待ちの車の列が震災の影響を示すだけである。宮古市も、JR宮古駅を境に海側と内陸側では大きな違いがあり、海に近い市街地は壊滅状態である。宮古市と合併した旧田老町の市街地が受けた被害は深刻である。

我と我が家は残っても

岩手県の大槌町と山田町は、地震に伴う津波と火災によって中心市街地が焼けてしまった。ここでも、被災した家とそれを免れた人とで3月11日を境に明暗が分かれている。前述の鈴子陽一氏は間一髪で難を免れたが、同氏が釣り船で遊んでいた山田町のある人は、逆の境遇になった。線路の土盛りに沿って走った波が高台にある県立山田病院の1階に浸水したところで、線路を乗り越えて下ってきたのである。

30台ほどの駐車場に隣接した家屋は、上から押し寄せた水の勢いで5メートルほど移動して、道路を塞いだ。この家を境にして明と暗が分かれた。この家より山側にある家屋は大きな被害を受けずに済んだ。被害を免れた電気店が残って営業していた。中心市街地にある電気店は、全て津波と火災によって打ち壊された。

YouTubeで関連動画公開中!http://youtu.be/hicA-56hCy0 (「東日本大震災」)


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