ホーム・計量計測データバンク計量関係機関および団体の行動の基本2006年・関係団体の行動の基本(2006年一覧)>日本精密測定機器工業会

2006年・関係団体の行動の基本

マザーテクノロジーを支える人材育成

日本精密測定機器工業会 会長 高辻乗雄 

 平成18年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 日本経済は、昨年初来の輸出の増加や設備投資の拡大等を受けて景気の拡大基調が維持され、今後も、内外需の伸びが企業収益や家計所得の増加を通じて個人消費と設備投資の両輪の拡大につながるという好循環が期待される状況にあります。

 当精密測定機器業界においても、生産・出荷が昨年1年間を通じてともに拡大を続け、こうした高原状態が本年も引き続き継続するものと期待しているところです。

 しかしながら、原油価格の高騰や長期金利上昇等をきっかけとする海外経済の失速、マクロ経済政策の転換、為替の動向等、懸念材料は未だ多く、予断は許されない状況にあります。

 こうした中にあって精密測定技術は、わが国の産業競争力の源泉である製造業において、工業製品を測定・評価しその品質を支えるうえで欠くことのできないマザーテクノロジーとして重要な役割を担って参りました。昨今の高付加価値製品への顕著なシフトは、より多様化した、より精度の高い測定技術が求められており、国際的なトレーサビリティ体系の確立、測定の信頼性の評価技術の向上等への取り組みなど、当工業会の活動は従来にもまして重要性が高まっております。

 また、これまで製造業を支えてきた熟練労働者が本年以降大量に退職期を迎えるようになり、高度かつ固有の技術・技能が失われていく恐れが非常に高まっている状況にあります。世界市場での激しい競争の中、日本が生き抜いていくためには、これまで培ってきた熟練技術・技能を的確に次世代へ継承するとともに、世界の技術をリードし高度な技術革新を実現するため、人材の育成にむけて当工業会は大切な役割を果たさなければならないと考える次第です。

 昨年当工業会は、人材育成を目指したセミナーの開催、日本唯一の精密測定専門見本市「光ナノテクフェア」の日本光学測定機器工業会との共催、会員企業の工場見学とベトナム現地法人の視察等、多くの事業を実施してまいりました。本年もこれをさらに推進し、精密測定に対するニーズに積極的にお応えして、世界の製造業の最先進国としてのわが国の永続的な繁栄により一層貢献すべく、全力を尽くして参ります。なお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

 年頭にあたりまして、皆様のご繁栄とご健勝を心からお祈り申し上げまして新年のご挨拶とさせていただきます。

(以上)

 
↑ページtopへ
ホーム・計量計測データバンク計量関係機関および団体の行動の基本2006年・関係団体の行動の基本(2006年一覧)>日本精密測定機器工業会