vol.18 エイプリルフール──フランスでは「4月の魚」


 
 4月1日には害のない嘘ならついてもいい──。
 日本でも定番の行事(?)エイプリル・フールですが、最近では、ネット上で当日にちょっとしたサプライズを仕掛けるサイトも少なくありません。
 このエイプリル・フール、日本流に言うと「4月馬鹿」(そのままですね)ですが、フランスではこの日を「4月の魚」、ポワソン・ダブリル(Poisson d'Avril)と言うのだそう。
 その由来には諸説あり、

 ●魚はサバを指し、サバはあまり利口ではなく4月になると簡単に釣ることがで
  きるから
  というものや、また、その反対に、
 ●フランスでは4月に魚がとれることが滅多にないため、「あり得ないもの」と
  いう意味合いがあるという正反対のもの、
 ●フランスでは産卵期の4月1日から釣りが禁止になるため、釣り好きの人を
  からかってニシンを送ったのが始まり
 ●4月になると太陽が魚座をはなれるから
 という説などがあります。

 魚に関係のないところでは、
 ●16世紀に国王がグレゴリオ歴を採用し、1年の始まりを4月1日から1月1日に
  変えたが、民衆が快く受け入れず、従来の新年4月1日に贈り物をしてふざけ
  合ったから
 ●poissonはもともと"passion"(受難)、つまり「キリストの受難を意味し、
  キリストが保守派の祭司長たちに愚弄されたことを忘れないために騒いだり
  嘘をつく
 というものもあります。

 ところで、面白いのはフランスでこの日に行われる風習。
 ちょっとした嘘や冗談をついたりする他、魚の形のお菓子を食べたり、魚のイラストが描かれたカードを贈ったりするそうですが、子供たちの風習はもっとエキサイティング!
 紙に描いた魚を切り抜いて、相手に気づかれないように背中にそっと貼って、こっそり笑うのだとか。背中に魚を背負っている人を見かけても、みんなポーカーフェイスでその人に気づかれないように振る舞うのです。
 つまり、背中にいくつも魚が貼り付いている人が一番のまぬけ!というわけ。
 想像するだけで笑いがこみ上げてくる愛すべき風習ですね。


  もっと詳しく知りたい方はこちらへ

  4月の魚? 4月1日はポアソン・ダブリル(All About)
  4月の魚とポーカーフェイス(学びの場.com)
  暮らしのミニ知識(生活画報)