Vol.9 母の日の定番──カーネーションは聖なる花?


 
 母の日に贈り物として定番になっているカーネーションですが、なぜ“カーネーション”なのでしょうか。
 その由来は、母の日が制定された由来と重なっています。
 そもそも母の日は、1905年5月9日、アメリカのウェストバージニア州に住むアンナ・ジャービスと言う女性が、母の命日に彼女の追悼式を開き、母の好きな白いカーネーションを配ったことから始まりました。
 それ以来、母親が健在であれば赤いカーネーション、亡くなっていれば白いカーネーションを胸に飾るようになり、それがいつしか母の日にカーネーションを贈る習慣へと変化していったのです。

 ところで、母の日とカーネーションの関係には、キリスト教にも関わりがありそうです。
 キリスト教には、イエス・キリストが十字架にかけられた日、母マリアが流した涙の跡に一輪のカーネーションが咲いたという故事があります。それ故、キリスト教徒にとって、カーネーションは「母と子」を象徴するものになっているのだとか。
 前述のジャービス母子は敬虔なキリスト教徒であったとのこと、追悼式にカーネーションが選ばれたのもこの故事と無関係ではなさそうです。

 実はカーネーションは、キリスト教以前から神聖な花として扱われていたようです。
 カーネーションの原産地だと考えられている地中海沿岸の国、古代ギリシアでは、神々の主神ゼウスに花冠を捧げる習慣がありました。
 その花冠を作るのに欠かせない花がカーネーション。
 そこで、この花は花輪を意味するラテン語CORONAにちなんでCARNATIONと名付けられたといわれています。



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  母の日とカーネーション(こよみのページ)
  カーネーション(母の日お役立ち情報)
  母の日・豆知識(ANGELICO)