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2018(平成30)年度近畿計量大会
2018年11月16日、 奈良ホテル

                    

近畿計量大会開く
11月16日、奈良ホテルで

 年に一度、近畿地区の計量協会会員や計量士がつどって計量に関する情報交換する「2018(平成30)年度近畿計量大会」が、奈良県計量連合会の当番で、約250名の参加で開催された。


                 近畿計量大会のようす

■堀本文男奈良県計量連合会会長があいさつ

 13時開会。堀本文男奈良県計量連合会会長があいさつした。堀本会長は、近畿計量大会が近畿地区の計量関係者の重要な情報交換の場であり、計量の重要性を再確認する場として、有意義な時間を過ごして欲しいと述べた。


    堀本文男奈良県計量連合会会長

■3氏が来賓祝辞

 来賓を代表して3氏が祝辞を述べた。
 阿部一貴経済産業省計量行政室長は、次のように述べた。2016年開催の計量行政審議会の答申を受けて、順次計量法令の改正を進めてきた。来年以降、器差検定を中心におこなう指定検定機関による自動はかりの検定が開始される。今後とも、適正計量の確保につとめていく。11月は計量強調月間だが、計量の普及啓発と同時に人材の確保が重要である。皆さんと密に連携してやっていきたい。


     阿部一貴計量行政室長

 荒井正吾奈良県知事は次のように述べた。国を作る基は計量であり、計量の基準をつくるのは国の仕事であり、計量は国全体で取り組まなくてはならない重要な仕事だ。大宝律令が計量を定めた最初のものだと理解している。時間に関していえば、漏刻という日本最初の時計は奈良の飛鳥でつくられた。現在は、動くものをはかる計量が大事になっている。計量が重要になる分野は拡大している。


       荒井正吾奈良県知事

 仲川げん奈良市長は次のように述べた。価値観の多様化で共通項がなくなっている今こそ、共通のものさしが重要になっている。このものさしが揺らぐと取引は成り立たない。計量は日本が存在感を示す上でも大事である。


       仲川げん奈良市長

■近畿計量協議会感謝状贈呈
 

山原𠀋之(奈良県)氏と黒田慶彦(同)氏に感謝状が贈呈された。


                     山原𠀋之(奈良県)氏(左)と黒田慶彦(同)氏

■記念講演は3題

 3題の記念講演があった。

1、最近の計量行政について=阿部一貴(経済産業省計量行政室長)
2、奈良ホテル109年の歩み=辻利幸(奈良ホテル取締役副総支配人)
3、これからの生き方=山田法胤(薬師寺長老)

 安倍室長(写真は前掲)は、計量法の目的と制度の体系、計量法令の改正の概要を説明した。

 最近の法令改正の重点である、自動はかりの特定計量器への指定と、自動はかりの検定を実施する器差検定を中心におこなう指定検定機関に関して、概要を説明した。自動はかりを特定計量器に指定したが、当面検定の対象となるのは4つの自動はかり(ホッパースケール、充塡用自動はかり,自動捕捉式はかり、コンベヤスケール)。検定実施主体に都道府県は含まれない。指定製造事業者制度はない。定期検査ではなく、検定証印に有効期間を設け、検定を定期的に実施する。検定証印の有効期間は2年(適正計量管理事業所は6年)。猶予期間を設けて既に使用されている自動はかりも検定するが、検定の精度(公差)は新たに使用する自動はかりよりは緩くする。

 指定検定機関の指定に器差検定を中心におこなう区分を追加した。指定区分は、非自動はかり、自動はかり(4器種)、燃料油メーター。器差検定と構造検定(一部)を実施する。一般計量士3名以上を含む6名以上で要件を満たすものが検定を実施する。地域ブロックでの指定が可能。所有しなければならない設備は基準分銅と基準はかりのみ。中立性、独立性などの制度の信頼性を担保した上で民間参入を促進する。申請には、検定管理責任者が指定検定機関講習を修了することが必要。

 キログラムの単位の定義などが改定されれば、JCSSの特定標準器の見直しが必要になることから、改定が適用される2019年5月20日までに、規定の見直しをするとした。

 辻氏は、当時のようすを写した貴重な写真を中心に、奈良ホテルの歩みをたどり、その時々のエピソードも披露した。

 たとえば、アインシュタインが同ホテル宿泊時に引いたとされるピアノ(アインシュタインのピアノ)が戦後行方不明となり、それを見つけ出してホテルへ復帰させるまでの苦労など印象的なエピソードが語られた。

 奈良ホテルは1909年(明治42年)10月に営業開始しており、本館の建築にあたっては鉄道院によって巨費が投じられ、東京駅駅舎を手がけた辰野金吾と片岡安のコンビが設計を担当している。

 同ホテルは、アルベルト・アインシュタイン、愛新覚羅溥儀、オードリー・ヘプバーン、ダライ・ラマ14世などの著名人が宿泊したことでも有名。


   辻利幸奈良ホテル取締役副総支配人。右は、「アインシュタインのピアノ」を説明。

 山田法胤氏は、最近は僧侶の中から不心得ものが出ていることにも触れながら、生き方についての視点を説いた。

 世界一貧乏な大統領として有名なホセ・ムヒカ大統領(ウルグアイ)の「私たちは発展するために生まれてきたわけではない、幸せになるために地球に生まれてきたのだ」という言葉も紹介し、物に香が移り沁むように、あるものが習慣的に働きかけることにより、他のものに影響・作用を植えつけることである「熏習(くんじゅう)」によって、人生のものさしを考えて欲しい、心のはかりをつくってほしいとした。

 計量の基準とは違って人間の人生にはさまざまな基準があり1つではない、それを複眼的にかつ柔軟に適応していくことが大切だと述べた。


          山田法胤氏

■次年度開催県は滋賀県

 次年度開催県の、田中秀康滋賀県計量協会理事長が「新たな元号となる年であり、皆様のご参加をお待ちします」と、歓迎のあいさつをした。


  田中秀康滋賀県計量協会理事長

 閉会の辞は、山原𠀋之奈良県計量連合会副会長。

■懇親会で交流

 大会の後は懇親会が開催され、年に一度の交流を深めた。

 堀本文男奈良県計量連合会会長があいさつ。地酒の「豐祝」(奈良豊澤酒造)で乾杯した。

 乾杯の発声は三倉伸介産総研NMIJ計量標準普及センター法定計量管理室長。SI単位の定義改定に関して紹介した。


 乾杯。発声は、三倉伸介産総研NMIJ計量標準普及センター法定計量管理室長(右)

 歌や踊りも披露され参加者は懇親を深めた。

 中締めは、原田勲奈良県計量連合会副会長。


 原田勲奈良県計量連合会副会長

 

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