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−気楽な読み物欄−
案外にシリアスかもしれない人の別荘と私の休暇の写真のお話・横田俊英(論説員)

老後は雪国よりも温暖な焼津がいい

 この稿の主題の一つは別荘のことである。下山英雄さんの土地は奥さんの親父さんの斡旋で三十年ほど前にいま思うと驚くほどの値段で買ってあった。隣の敷地には奥さんの姉夫妻の神田さんが家を建てて住んでいた。喘息の子どもの転地療養のため仕事を含めて東京から越したのである。神田さんは子どもが東京に出て独立したこともあって老後の居住地を焼津に確保している。神田さんは東京勤務に変わり川越に住んでいるが、何年後かに始まる定年後の生活を温暖の地で送る。湯沢の住居を売却した資金で建物を建てる計画だ。この春、湯沢に岩魚釣りに出かけ「かたくり荘」に泊まっていたら、地元の不動産屋の案内で購入希望者が見にきていた。売却は神田さんの希望価格を大分下回った。

 

車で片道四時間の別荘通い

 ニコンF2の福島耕治さんは長野県の美ケ原山麓の長門町にある学者村に数年前に別荘を建てた。気の済むままに設計したログハウス風の建物は豪勢である。

 東京から車で片道四時間をかけて別荘通いをしている。老後はここで暮らすといっている。学者村は小高い丘に造成されている。夏はよい。東京の冬の暖かさに慣れた人間には厳しい冬を過ごせるか疑問である。老後を後をこの地で過ごす人々だらけになったらまるでお祖母捨て山だ。

 雪国の冬の暮らしを知る神田さんが湯沢から温暖の地焼津に老後の住居を移す。このことは何を象徴的に物語っているか。

 福島耕治さんは学者村で老後を過ごしてもよいと考えた。思うことと現実にできることとは乖離があるのが普通であるから、現実にそうするということではない。いまは休暇を過ごす別荘として使っているのだから十分仕合せである。


自宅を売却して八ケ岳に暮らす余生

 八ケ岳山麓の小淵沢別荘の友人は東京にあるマンションを売却して、アパート暮らしをしている。売却費用が別荘建築費に回る。思った値段でマンションが売れないので落ち着かない日々が続いている。この小淵沢の別荘地、近隣に幾つもの建物があり、一部は地元の人の日常の生活の場になっている。退職後にマンションを売却すればよさそうなものだが、いかにも気が早い。都会を離れての別荘暮らしに対する願望がサラリーマンの間に広がっている。

 

仕事をしていればこその快楽な余暇

 「別荘暮らし、野に出て釣りをする楽しみは仕事をしているからこそのもの」とは下山英雄さんの弁。

 「かたくり荘」から歩いて五分の所に大学時代の友人の南雲敏夫君が暮らしている。町役場に夫妻で勤務する彼の一番のレクリエーションはジョギングとその延長のマラソンである。魚野川の釣り場から帰る途中でジョギングする南雲君の姿を見かけて驚いたことがある。彼は釣りなどしない。

 釣り場の近くにいる暮らしがうらやましいが、何時でも釣りができるとなるとむきになって川には出かけないであろう。


上高地で美しい自然に浸りたい

 いま季節は春から夏にさしかかっている。春をテーマにした写真を八ケ岳や湯沢で撮れるチャンスがわずかに残っている。友人の別荘見物には回り道をした。韮崎から長野県の川上村を通って八ケ岳に向かう。紅葉が綺麗な谷間を通ったが、新緑もまた素晴らしい。車を停めることをためらったことが残念である。八ケ岳山麓には山桜が咲き残っていた。

 

梓川の清流に棲む岩魚が示す真理

 新緑を求めて上高地に足を運んでみたい気分になってきた。

 この地の梓川の本流の澄んだ流れ、支流の緩やかな親しみのある流れは桃源郷である。喧騒を避けられる季節に上高地に旅をするといい。小梨平や徳沢まで足を運ぼう。足元を流れる小川の岩魚は人に姿を見せることを恐がらない。禁漁が長い間続けられているので川には岩魚があふれている。獲ってしまうから岩魚が減るのである。上高地が拓かれたころは獲る人が少なかったので岩魚はいくらでもいた。ここに渓流釣りを楽しませる普遍の原理が隠されている。


街のギャラリィーが自然願望を生む

 上高地の写真は事務所近くの「エル・ブレス」というヴィクトリア直営のアウトドア用品店売にいくつも飾られている。立派な写真だが、これを見ていると「僕の上高地」を撮ってみたい気になってくる。

 

日本的な風景の象徴はやぶ山

 上高地の美しさはヨーロッパやヒマラヤなどとは違う日本独自のものである。何が美しいかといえば化粧柳の芽吹きであり、こうした木々の緑と清冽な水の流れと眼前にそびえる穂高連峰を中心とした山々である。上高地は美しすぎてどこか構えたような所がある。外国から帰ってくると日本のやぶ山が心をなごませるが、やぶ山が日本中どこにでもある裏山の続きであり日本人の原風景であるからだろう。

 心をいやすための住まいには東京に至近のやぶ山のある地を選ぶとよいであろう。それも少し高台の見晴らしのよい場所を。


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Internet 日本計量新報社の活用事例

96/10/29

日本計量新報社は こんな会社 です


ホームページ作成のきっかけ

  1. 電子メール ----原稿のやりとり、打ち合わせ
  2. 新聞原稿の電子データ化


ホームページ開設でめざしたもの


運用上の問題点

  1. 運用経費と使用目的にあったサーバー選び(スペースレンタルの場合)


  2. ホームページへの訪問者が望む情報提供


  3. 運営体制をつくる


  4. 使いやすいホームページに


  5. 情報公開のものさし(基準)

教訓

  1. ホームページは8割完成したら公開する=とにかく早く立ち上げる
  2. とにかく見てもらう=ホームページの宣伝につとめる


(c)鞄本計量新報社
 高松 宏之
E-mail: hirotkmt@ari.bekkoame.or.jp

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