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日本計量新報 2009年4月26日 (2771号)

2月の計量計測機器生産額
電気計測器231億円、分析機器139億円

半導体・IC測定器は前年比79.9%減
医用測定器、試験機は増

経済産業省が4月15日に公表した2009年2月分の機械統計確報によると、計量計測機器の生産額が前年同月比で増えたのは、医用測定器8.6%増、試験機6.2%増である。減ったのは、電気計器17.0%減、電気測定器(半導体・IC測定器を除く)33.9%減、半導体・IC測定器79.9%減、工業用計測制御機器22.3%減、工業用長さ計33.6%減、ガスメータ1.4%減、工業用計重機9.0%減、精密測定機(光学測定機を含む)48.4%減、分析機器23.3%減。


生産指数は、電気計測器54.9、計測機器90.1

2005年を100とした業種別生産指数をみると、電気計測器の2月は原指数54.9、前年同月比38.5減、季節調整済指数52.7、前月比4.4増、計測機器は原指数90.1、前年同月比28.8減、季節調整済指数88.4、前月比7.8減。

生産能力指数は電力量計は原指数97.6、前年同月比0.0、工業用計測制御機器は原指数97.8、前年同月比0.2増、ガスメータは原指数92.1、前年同月比6.1減。

電気計測器生産額は前月比14.6%増

電気計測器の09年2月の生産額は機械統計確報では231億2800万円である。

前月比は、14.6%増。

電気測定器は102億円

2月分確報によると電気測定器の生産金額は102億3400万円。

電気測定器の内訳を見ると、電圧・電流・電力測定器は5億6900万円、波形測定器4億9300万円、無線通信測定器6億900万円、回路素子・材料測定器1億1000万円、伝送特性測定器2億5900万円、光測定器4億4200万円、測定用記録計・データ処理装置8億4400万円、その他の電気測定器45億3500万円である。

半導体・IC測定器は24億円

生産金額で電気測定器の23.2%を占める半導体・IC測定器は09年2月は、生産金額は23億7300万円(79.9%減、以下カッコ内は前年同月比)となった。 

前月比では20.3%増。2008年3月には、191億8800万円だったので、大幅に減っている。

工業用計測制御機器は103億円

電気計測器の工業用計測制御機器は102億8400万円(22.3%減)である。前月比では8.7%増。内訳は、プロセスオートメーション用計測制御機器101億1800万円、ファクトリーオートメーション用計測制御機器は1億6600万円となった。

電気計器は17%減

電気計器は26億1000万円(17.0%減)。内訳は、指示計器が3億8600万円、電力量計が22億2400万円。

放射線測定器は7億7600万円である。

環境計測機器は19億円

環境計測機器は19億1200万円。

医用測定器は8.6%増

医用測定器は81億7700万円の生産で前年同月比8・6%増である。前月比28・5%増。数量は62万7000台(40.0%増)、前月比2.5%増。

精密測定機器は57億円

精密測定機器は56億8200万円(43.6%減)。

内訳は、工業用長さ計(ゲージ、ノギス、マイクロメータ、ダイヤルゲージ)が21億4900万円で前年同月比33.6%減。前月比で13.4%減となった。生産数量は37万2316個(29.4%減)。

精密測定機(光学測定機を含む)は、35億3300万円で前年同月比48.4%減。前月比では11.7%減。生産数量は1万2704台(55.9%減)。

積算体積計は65億円

積算体積計の09年2月生産金額は、65億2400万円。このうちガスメータは42億2000万円で前年同月比1.4%減。生産数量は41万9959個(5.6%減)。その他の積算体積計を見てみると、水道メータは12億3500万円。積算式ガソリン量器は10億6900万円。

圧力計(アネロイド形)は、8億3400万円。生産数量は54万2226個である。

工業用計重機は26億円

工業用計重機は26億1100万円(9.0%減)。生産数量は1364台(11.9%減)。

分析機器は23%減

分析機器は139億4700万円で前年同月比23.3%減である。前月比では12.0%増。生産数量は2万2844台(19.0%減)。

内訳は、光分析機器17億4700万円、電磁気分析機器(X線解析装置を除く)31億6400万円、クロマト・分離・蒸留機器24億9600万円、その他の分析機器65億4000万円。

試験機は6.2%増

試験機は26億7200万円(6.2%増)となった。前月比では13.5%増。生産数量は472台(29.2%減)。

内訳は、材料試験機19億5900万円、動的試験機・構造物試験機7億1300万円。

測量機器は8億円

測量機器は7億8500万円。数量は3702個。内訳は、トランシット・レベル(水平器・ハンドレベルを除く)1億3900万円、光波測距儀は6億4600万円である。 

日本計量新報 2009年4月26日 (2771号)

守隨本店 国内最大級
電子式吊はかりを完成

 

電子式吊はかり

(株)守隨本店(早川静英社長、愛知県名古屋市中川区福川町3−1、電話052−361−1511)は、先頃、ひょう量100tの国内最大級の電子式吊はかりを完成させ、三菱重工長崎造船所へ3月末に納入した。

吊はかりは、作業現場において活躍する。据置タイプの台はかりでは対応しきれない寸法の大きなものや、作業者が容易に近づけない高温環境下、極低温環境下の過酷な環境条件で測ることもあり、他のはかりにくらべ大きなひょう量と確かな精度、操作性を求められる、オールマイティなはかりである。

今回完成した吊はかりは、比較的大ひょう量モデルが多い吊はかりのなかにあっても、超弩級の大きさである。にもかかわらず、設計から製作・完成までの期間は約4カ月間と、かなりの短い時間で完成させている。同社では、これまで多くの吊はかりを取り扱ってきた実績と技術力の積み重ねがあり、今回のような特殊な商品についても短期間で完成に漕ぎ着けた。

最大の特長は、ひょう量100tに至っても、通常品と変わらぬ高い精度(2000分の1)を維持していること。実際のユーザーは、96tくらいまで計量している。

開発時に苦労したことを早川社長に尋ねると、
「ロードセル外注先が設計する際に、製品の安全性を確保するため、コンピュータによるシミュレーションを重ね、二重三重の強度確認を行った」「製品・部品の自重が非常に重いので、各工程(特に検査工程)において担当者はかなりの力仕事となった」「それに伴い、作業の安全性確保にもとても気を遣った」「さらに、部品の切削加工では大型のマシンを必要とし、外注先探しにも苦労した」。また今回のことをふまえ、今後の商品開発について聞いたところ「参加者全員がチャレンジすることの喜びを実感でき、次のチャンスが待ち遠しい」と抱負を語った。

今回納入した吊はかりは、船舶用スクリューや、その他の搭載設備の計量に活躍する。これらは、重量分布など船舶の重心位置を検出するためのデータとして、船舶の安全航行に欠かせないものである。

【仕様】▽ひょう量=100t▽寸法・質量=全長1962mm、重量約600kg

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