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日本計量新報 2008年11月2日 (2747号)

日本計量史学会 創立30周年記念式典・計量史をさぐる会2008
11月22日(土)、東京・新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷で

記念講演は岩田重雄氏
「文明の源流としての計量の起源」
さぐる会は古枡の測定結果など6件の発表

日本計量史学会(蓑輪善蔵会長)は、1978年の創立以来30周年を迎えることから、「創立30周年記念式典・計量史をさぐる会2008」を11月22日(土)、東京・新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷で開催する。


記念式典は13時開会、計量史をさぐる会は14時55分から。

参加費は、研究発表会3000円(資料代込)、懇親会7000円。誰でも参加できる。

毎年開催している計量史をさぐる会は日本計量史学会と(社)計測自動制御学会力学量計測部会の共催。

第1部の創立30周年記念式では、学会の発展に寄与した人に感謝状、名誉会員証を贈る。

同会顧問(前会長)の岩田重雄氏が記念講演をする。演題は「文明の源流としての計量の起源」。

岩田氏は、人類誕生以来、いつから計量を始めたかを推定し、世界各地における現生人類の定住と計量単位の発達の関係を考察する。氏は「地域と年代ごとに計量単位を分類し、従来の研究にとらわれることなく、各文明の発祥地と文明間の関係を考察する手掛かりを得ることを目的」としている。

岩田氏は世界各地の計量を旧石器時代までさかのぼって考察しており、考察の範囲は東ユーラシア、西ユーラシア、中央ユーラシア、先住アメリカと広大である。

岩田氏は「旧石器時代までさかのぼって計量史を中心に研究することによって、各文明の発祥地と文明間の関係が明らかになる」とし、計量関係者ばかりでなく、数学、言語学、人類学、考古学、歴史学、天文学、建築学など各方面の研究者が参加して広汎な研究を行う必要があると提唱している。

第2部は2008年計量史をさぐる会。次の6件の発表がある。

▽京枡と江戸枡に関する測定結果(大網功、黒須茂、小宮勤一)▽山下喜吉コレクション古分銅の測定(根津嘉明)▽肥後の古太刀の4尺は南朝尺(川端俊一郎)▽明治6、7年の市川又右衛門(改め又三)等による度量衡に関わる建白書(土田泰秀、市川悦雄、唐澤進太郎、山田研治)▽フランス革命期の科学雑誌に見るメッシェンとトランブルの子午線計測に関する記事と19世紀の冒険小説に見る子午線計測譚(西田雅嗣)▽メートル法以前の「長さ」の単位の変遷─オランダ・イギリスの歴史的背景(黒須茂)

第2部の休憩時間には、展示品「平賀源内の寒暖計(寒熱昇降器の参考品)」の解説がある。

さぐる会終了後、懇親会を開催する。

『逐次刊行物の総合目次集』を作成

同会は記念事業として『逐次刊行物の総合目次集』を作成し、当日の参加者にも配付する。目次集は学会誌『計量史研究』と会報『計量史通信』の目録であり、索引もつけて活用しやすいようにしている。

1978年19名で発足

日本計量史学会は、1978(昭和53)年に会員19名で発足した。現在の会員数は190名ほど。

発足時の会長は寶月圭吾氏。同年会報『計量史通信』、翌79年には学会誌『計量史研究』を創刊している。

毎年開催している「計量史をさぐる会」は第1回開催が1979年。以来、毎年開催している。「計量史をさぐる会」という名称になったのは1982年である。

95年から「計量史をさぐる会」は、(社)計測自動制御学会力学量計測部会(当時は質量・力計測部会)と共催している。95年日本学術会議の広報協力学術団体、96年には文部省の学術団体、99年には日本学術会議の登録学術団体(いずれも当時)として登録している。

2002年に「日本計量史学会創立25周年記念大会」を開催した。

2001年から蓑輪善蔵氏が会長。

【問い合わせ先】日本計量史学会事務局=電話・FAX03−3269−7989、
電子メールjimukyoku@shmj.jp(事務局は常駐ではないので問い合わせは電子メールかFAXで)、
http://www.shmj.jp/


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