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2007年8月12日 (2685号)

設備投資に支えられ売上、純益とも前期比増

東証1部の4社、第1四半期(平成20年3月期)の業績は好調

東証第1部に上場している主な計量企業の第1四半期(平成20年3月期)が出そろった。原材料の価格の上昇などの懸念材料があるものの増加基調の設備投資に支えられて、おおむね前年同期比で売上と純益を伸ばしている。各社の概要は次の通り。


エー・アンド・デイ

エー・アンド・デイは、経営理念にも掲げている「HONMONO(本物)」をグループ全社で徹底することにより、顧客重視の営業活動を全面的に展開し、ユーザーの信頼度・満足度を高めると同時に、積極的に新技術を応用した製品開発に努め、新規事業の市場浸透を図った。一方、既存事業においては、円安に伴う輸入価格の増加等があったが、徹底したコスト低減に注力した。第1四半期の売上高は82億6千5百万円(前年同期比15.6%増)となり、営業利益は2億5千万円(同41.7%減)、経常利益は5億8百万円(同27.0%増)、四半期純利益は2億6千8百万円(同3.5%増)となった。

事業の種類別セグメントの業績は次のとおり。

▽計測・計量機器事業=景気回復に伴う設備投資の伸びに支えられ、材料試験機が前期からの好調を維持し、電子天びんなどの計量機器も堅調に推移した。しかし、新規事業である計測・制御・シミュレーションシステムは売上を伸ばすことは出来なかった。売上高は43億1千8百万円(前年同期比2.1%増)、営業損失は2億5千8百万円(前年同期は1億8千百万円の利益)となった。

▽医療・健康機器事業=ロシアにおける販売を現地代理店から前期に設立した子会社にしたことなどにより、大幅に売上を伸ばすことができた。売上高は39億4千6百万円(前年同期比35.2%増)、営業利益は8億4千6百万円(前年同期比72.6%増)となった。

長野計器

設備投資の増加を背景として、産業機械業界向、プロセス業界向、半導体業界向の圧力計、圧力センサの売上は堅調に推移した。特に、半導体業界向、空圧機器用の小形圧力計、化学プラント向の圧力計及び建設機械用圧力センサの売上が増加した。一方、車載用圧力センサは、新規ユーザーへの売上は増加しているものの、前年同期比では減少となっている。なお、平成18年5月に米国のアッシュクロフト−長野計器フォールディングスを完全子会社としたことにより、同社の当連結対象期間の売上高35億71百万円が前年同期比で増加要因となっている。連結売上高は98 億2千8 百万円(前年同期比59.9%増)、営業利益は3億3千8 百万円(前年同期比100.6%増)、経常利益は4億4千万円(前年同期比24.2%増)、四半期純利益は2億6千8 百万円(前年同期比13.6%増)となった。

島津製作所

島津製作所は、引き続き中期経営計画(平成17年4月〜平成20年3月)の基本方針であるグローバル成長と生産・販売・サービス改革を中心とする事業構造改革を進めるとともに、顧客ニーズに対応した新製品の拡販に注力している。第1四半期の売上高は576億8千2百万円(前年同期比10.9%増)となった。また、海外売上高については、243億7千8百万円(同22.3%増)となった。損益面については、経常利益は34億7千3百万円(前年同期比54.6%増)、四半期純利益は18億1百万円(同16.3%増)となった。なお、同社グループの売上高は、第2四半期、第4四半期に集中する傾向にある。

チノー

チノーは、開発力の強化に注力するとともに、営業部門に計装技術者を配置するなど販売力を強化し、また、装置の標準化・内作化を進めてコスト低減を図った。第1四半期の連結業績については、受注高は50億8千3百万円(前年同期比6.6%増)、売上高は40億6千2百万円(前年同期比5.7%減)となった。このうち国内向けの売上高は34億6千万円(前年同期比5.0%減)、海外売上高は6億2百万円(前年同期比9.6%滅)となった。

内容別では、計測制御機器は14億6千6百万円(前年同期比6.3%減)、計装システムは燃料電池関連需要の低迷により13億4千5百万円(前年同期比20.1%減)、センサは10億2千2百万円(前年同期比21.4%増)、その他は2億2千8百万円(前年同期比4.7%増)となった。

利益面では、営業利益は1億4千4百万円(前年同期比2.7%減)、経常利益は1億1千5百万円(前年同期比4.0%滅)、当四半期純利益は7千7百万円(前年同期比17.3%増)となった。


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