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 2003年11月30日(2516号)


■【A&Dが上場後初の中間決算】売上は109億円で前年比10億円の増 DPSなど新規事業が好調

 (株)エー・アンド・デイ(東京都豊島区東池袋3−23−14、古川陽社長)は、2003年4月−9月期の中間決算を発表した。研精工業(株)、リトラ(株)、(株)オリエンテック、(株)エー・アンド・デイ・システムなどの連結子会社10社と関連会社1社を含めたエー・アンド・デイグループ全体の上場後初めての中間決算の売上高は、新規事業が伸長し、既存の事業も堅調に伸びたため109億3800万円と前年同期比で9億9600万円(同10%増)の増収。これは同社でもほぼ予想していた数値となった。

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 販売管理費の抑制、連結子会社の在庫圧縮を進めたため営業利益は6億7600万円と前年同期比で2億2700万円(前年同期比50・5%増)、経常利益は4億4000万円と同2億4900万円(同130・9%増)の増益となったが、純利益は開発投資減税の影響で当初の予想よりも39・4%増となったものの、税効果会計の影響のため1億4200万円となり同3400万円(同19・3%減)の減益となった。

 事業別では、計測・計量機器事業は、売上高69億2500万円(同7・1%増)、営業利益7億4200万円(同71・9%増)と増。なかでも新規事業部門の売上が順調でた。DSP(デジタル信号処理)計測・制御・シミュレーションシステムAD5410/5430シリーズが好調で自動車関連を中心に売上を伸ばした。既存事業の計量機器は、小型台秤EK−iシリーズ、個数計FC−iシリーズが、価格競争力のある商品として出荷台数を伸ばした。また、音叉型の振動式粘度計SV−10は、食品業界・化学業界等での定着が期待される。

 医療・健康機器事業は、売上高40億1200万円(同15・5%増)、営業利益3億2200万円(同5・4%増)。健康機器の中核、家庭用血圧計は、新たに立ち上げた中国工場での生産を強化した結果、特にロシア向けの売上の伸びが著しく、売上を大きく押し上げる要因となった。一方、医療機器部門では、薬価低減による病院の設備投資削減の影響を受け減少した。

アジアが好調

 地域別にみると、国内需要は、売上高80億800万円(同16・9%増)、営業利益8億9800万円(同24・9%増)。新規事業の計測・制御・シミュレーションシステムは自動車関連、大学関係を中心に売上を伸長。半導体露光装置向けA/D・D/A変換器は次世代の半導体露光装置向けに堅調に推移、計量機器では新製品の小型台秤EK−iシリーズや個数計FC−iシリーズがいずれも高性能・低価格が評価され売上を伸ばした。

 米国では、売上高19億500万円(同9・8%減)、営業利益2000万円(同200・0%増)。ITバブル崩壊後の不況は底を打ったが、計量機器等の産業向け製品は厳しい状況が続いた。一般消費者向けの健康機器は価格競争が続いており、一層のコストダウンが必要である。欧州は、売上高3億3100万円(同1・4%増)、営業損失800万円(前年同期3600万円の損失)。世界的景気低迷の影響を受けた。計量機器は販売ルートの見直し、新製品の販売強化に取り組んだ。医療・健康機器はドイツ経済の落ち込みの影響が大きかったが、イギリスの新規ユーザー開拓が進んだ。

 アジアでは、売上高6億9200万円(同6・0%増)、営業利益3400万円(同16515・8%増)と高成長となった。輸出の好調持続を背景に回復傾向を継続。同社グループでは韓国・オーストラリアの現地法人による自国生産品の販売が大きく貢献した。

新開発で顧客・売上の増目指す

 同社は、通期業績見通しを連結売上高228億3800万円、営業利益17億6400万円、経常利益12億9500万円、当期純利益7億4300万円を予定している。

 今後、他社と差別化できる製品群をいち早く市場に提供し、顧客満足度と共に、信頼を獲得すべく、新技術の開発を積極的に進める。計測・制御・シミュレーションシステムは、顧客の高度な性能要請にも十分応えられると考え、売上は順調に推移するとみている。新たな用途開発で、幅広い分野での活用を見据える。半導体露光装置関連製品は、今後期待の出来る分野となっている。既存事業は、コスト低減の徹底とともに、新技術を応用した製品開発を進めていく。

  2003年11月30日(2516号)

 

    2003年11月30日(2516号)
 

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