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2015年 計量関係機関 年頭所感〈東京都計量検定所〉

地方計量行政機関のさらなる連携に向けて

東京都計量検定所長 戸谷嘉孝

戸谷嘉孝 2015(平成27)年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年のわが国経済は、消費税率引上げ後の個人消費の反動減の長期化等により4月以降実質GDPが2四半期連続減となりました。そうしたなかでも10月末の日銀の追加緩和を受けて円安株高のトレンドは持続拡大、雇用者数や一人当たり賃金も緩やかに増加し、デフレ基調からほぼ脱却したと思われた1年でした。
 今年は、企業収益の増加が所得雇用環境の改善を加速し、力強い景気の自律拡大へとつながっていくことが期待されるところです。
 東京都計量検定所は、昨年1月6日に浜松町から現在の江東区新砂へ移転し、1周年を迎えます。設備を更新したため移転後も業務を休止していたJCSS校正事業(質量区分:分銅等)も昨年10月に再開することができました。これをもってようやく機能面で移転が完了した次第です。皆様にはご理解とご協力をいただき、深く感謝申し上げます。
 今年はメートル条約締結から140年、同条約加盟から130年の節目の年に当たります。計量計測は国民生活やものづくりの基本であり、その基盤を担う法定計量は国家的にも重要な事務なのですが、各都道府県、特定市の計量行政機関は行政改革の波のなかで例外なく予算・人員面で厳しい状況に置かれています。同時に、ベテラン職員の大量退職を迎え、いかに少ない人員で的確に事務を遂行していくか、技術の継承が喫緊の課題となっています。これは単にマニュアルを整備するとかやり方を覚えるレベルにとどまってはならず、未知の問題に突き当たったとき、自ら考え抜いて何としてでも解決策を見出していく「技術の心」を伝承するものでなくてはならないと考えています。そのために、基本をしっかりと押さえたうえ、多くの実地経験と試行錯誤を積むことが必要となります。東京都は、実地経験の場として他の計量行政機関との連携を見出し、昨年中に1県1市の職員を2週間または6カ月研修生として受け入れることで、当所職員のスキル向上を試みました。お互いによい刺激と経験となり、今後も続けていこうと考えています。
 計量行政機関相互の情報の共有の促進も的確な事務の遂行に不可欠であると考えます。東京都は都道府県計量行政協議会の全国世話人にもなっており、各道府県や関係機関、業界団体のご協力も得ながらこの取組も進めていきます。
 本年4月から八王子市が中核市としてスタートを切ります。対等な立場で密接に連絡を保ちながら、協力してそれぞれの事業を進めていきたいと考えています。
 適正な計量を実現するためには、国民の理解と関心、信頼が重要です。今年も関係団体・業界のご協力を得て11月1日に計量記念日行事である「都民計量のひろば」を実施するほか、展示方法を一新した計量展示室の活用、親子はかり教室、都内公立小学校への出前計量教室、区市の消費生活展や東京都と消費者団体による「くらしフェスタ東京」、地元の江東区民まつりへの出展等を通じて、普及啓発事業をおこなっていきます。
 本年も皆様には東京都計量検定所に対しまして一層のご支援、ご理解を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のご多幸とご発展を祈念し、年頭のごあいさつとさせていただきます。

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