計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事計量関連団体 年頭所感(2015年一覧)>【(一社)日本計量振興協会会長】新体制の構築と人材育成

2015年 計量関係団体 年頭所感

新体制の構築と人材育成

(一社)日本計量振興協会会長 加島淳一郎

加島淳一郎 新たな年を迎えるに当たり謹んで新春のごあいさつを申し上げます。
 昨年12月、宮下前会長に代わり会長に就任いたしました。会員各位ならびに計量関係者の皆様のご支援とご協力をいただくことにより役目を果たしていきたいと考えます。よろしくお願い申し上げます。
 わが国の経済はアベノミクスにより円安、株高となり、やや明るい雰囲気にはなっておりますが、直近では足踏み状態が続いています。ただ、大企業は好決算が相次いでおり、今後は官民一体となった活動による本格的な景気回復が望まれます。
 さて、計量界においては、100有余年間、その使命は一貫して変わらず、脈々と活動が継承されていることは誇りにすべきことでありますが、咋今はやや停滞感がみられています。たとえば計量制度のグローバル化対応の遅れ、地方公共団体の執行体制の低下および計量技術者の不足、さらには検定・検査の信頼性の低下傾向等が一部にみられます。今後は、経済社会の変化に即応した計量制度や実施体制の見直し・再構築とそのための人材育成が急務と考えます。当会では、3年前に計量制度の課題と対応策について調査報告をしましたが、再度検討委員会を立ち上げ、堀り下げた調査と提言をおこなう予定です。
当会の事業としては、主軸の計量管理受託事業、試験校正事業、普及事業を確実に実施していくほか、以下の3つを新事業として取り組んでいきます。     
 1つめは、国際整合の関連として、現在実施中の自動はかりの計量管理課題検討委員会において、今後は管理対象とする自動はかりの絞り込みと計量管理ガイドラインの作成をおこなう予定です。
 2つめは、計量管理のグローバル化対応として、ISO10012計測管理国際規格の活用の取り組みですが、今後は、規格の技術説明会の開催と企業への導入支援およびISO9001との組み合わせ認証体制の整備を進めたいと思います。
 3つめは、人材育成の取り組みとして、計量制度の将来像に沿うと思われる検定にも対応できる計量士および物づくり現場で的確な計量管理をおこなう計量士等の研修制度の検討をおこなう予定です。また、分野別研修として、企業校正技術者育成研修および販売事業者向け計量コンサルタント資格認定研修、中小企業向け測定基礎研修会および放射線・放射能測定講習会を継続実施したいと思います。
 なお、放射線・放射能関連は、人命にかかわる重要課題であるため、放射線量計については何らかの法規制化が必要と考えております。
 本年も役職員一同、関係方面の方々のご支援により一層充実した活動をしていく所存でございますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げ、年頭のあいさつとさせていただきます。

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