vol.20 6/1は気象の日──日本で唯一の気象神社


 
 先月号に引き続き、今月も計量に関わりのある記念日をご紹介します。
 既に過ぎてしまいましたが、6月1日は「気象記念日」でした。「梅雨入りも近いことだし、天気が変わりやすいから?」と思いがちですが、実は違います。
 明治8(1875)年6月1日、東京・赤坂葵町で気象と地震の観測が開始されました。それから8年後の明治17(1884)年6月1日には日本ではじめて天気予報がスタート。
 それ以来、この日は「気象記念日」と制定されました。
 毎年記念日には、気象庁で記念式典や公開ワークショップなどが開催されています。

 ところで、この日に例祭をやっている神社があります。
 その名もなんと「気象神社」!
 東京・高円寺の氷川神社に祀られている、日本で唯一の気象神社だそうです。もとは旧陸軍気象部の構内に、天気予報の的中を願って建立されたものですが、戦後、今の神社に移されました。
 祀られているのは、「八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)」という知恵の神様。天照大神(あまてらすおおみかみ)を天の岩屋戸から引き出すために、神楽舞の方策を講じた神様として有名です。
 名前の「おもひ」は「思慮」、「かね」は「兼ね備える」の意味で、多くの人々が持つ思慮を一人で兼ね備える神様ということで、いかにも学業成就の御利益がありそうです。
 また、名前の「兼(かね)」が工道具の曲尺のカネに通ずるということで建築関係の神様でもあるとのこと。
 いずれにせよ、お天気の神様として祀っているのは氷川神社だけなのです。
 学問の神様でありお天気の神様であるということで、気象予報士合格祈願に訪れる人も多いようです。
 また、全国の気象台からお守りの注文もあるのだそう。
 下駄の形の絵馬もあるということなので、
 「明日は何が何でも晴れてほしい!」
という日があれば、こちらで神様にお願いしてみては?


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  気象神社(氷川神社)
  オモイカネ(Wikipedia)