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2016年12月  4日(3129号)  11日(3130号)  18日(3131号) 
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日本計量新報 2016年12月11日 (3130号)

新規に検定対象とする自動ハカリは製造者自己検定制度で対応する(2

3129号のつづき)

 器差検定のみをする指定検定機関は、指定要件の緩和とともに、信頼性が確保されるような制度とする。指定検定機関の指定を受けようとする者は「検定業務に従事する自治体の職員と同等の知識経験を有することが望ましく、また、信頼性確保の観点から公正性、公平性、独立性が確保される必要」とされている。そして「検定を行う者は、計量士であることが適当である」とする。計量士の資格取得後の教習や教育が求められる。

 「指定検定機関・指定定期検査機関や資格取得後の計量士を対象とした教習において、計量士の質の向上を図る中で検定に関する教習を行いますが、検定計量士の区分を新設することまでは必要とは考えて」いないという考え方が示されていて、ここでは一般計量士のうちに質量計専門にした区分の設置はつくらない。

 地方公共団体が自動ハカリの検定と定期検査を直接におこなわないことことを前提にしていて、器差検定のみをする指定検定機関は製造事業者や修理事業者が対象になる。器差検定のみをする指定検定機関によって地方公共団体の業務を補完するとしている。地方公共団体は行政による立入検査や試買調査などの事後的な調査の充実を図るという構想だ。

 地方公共団体が実施すべきハカリなどの検定を計量協会などの民間団体が実施している実例があり、こうした違法状態を解消する法令における対応策が打ち出されているのか。器差検定のみの指定定期検査機関制度がそれであるようだが、内閣法制局などに認められるないこともあるので最終段階までわからない。

 上のことのは次のような言葉で表現される。

 「指定検定機関と都道府県の検定の関係においては、指定検定機関は経済産業大臣が指定するものであり、都道府県が指定検定機関の指定を行うこと及び指定検定機関に事務を行わせることはできません」「今回の制度見直しは、都道府県にて検定業務を行わないとするものではないため、指定検定機関が検定を行う計量器の器種の検定に係る設備を引き続き維持する必要は生じます」「地方自治体の検定・検査業務の一部を民間事業者によって補完する場合には、双方で十分に検討を行った上で指定を受けることが望まれます」

 法令上の決まりということもあって「指定検定機関と都道府県の検定の関係においては、指定検定機関は経済産業大臣が指定するものであり、都道府県が指定検定機関の指定を行うこと及び指定検定機関に事務を行わせることはできません」とされる。「今回の制度見直しは、都道府県にて検定業務を行わないとするものではないため、指定検定機関が検定を行う計量器の器種の検定に係る設備を引き続き維持する必要は生じます」との考え方が示されている。「地方自治体の検定・検査業務の一部を民間事業者によって補完する場合には、双方で十分に検討を行った上で指定を受けることが望まれます」という言葉はさまざまに受け取られる。

 器差検定のみをする指定検定機関の指定権限は経済産業大臣である。経済産業大臣の指定であれば器差のみ検定は都道府県にまたがって実施できる。つまり隣県をふくめてどこの都道府県ででも器差のみ検定業務をすることができる。

 以上のほかに今回の法令改正における確認事項として次のことがある。

 既に使用されている自動はかりについては、構造検定は省略するなど規制による影響を考慮して検定・検査の義務付けを検討しており、準備期間を確保できるよう経過措置を設ける。

 基準器検査へのJCSS校正証明書の活用について、答申は基準器検査においてJCSS校正証明書の活用を促進することを述べている。

 「基準器検査の検査基準に不確かさを考慮することは、事業者及び検定・検査機関への新たな負担、不確かさを考慮した場合の検定公差及び使用公差への効果の観点から慎重に検討すべき」としている。

 基準器検査の技術基準は「特定計量器のJISの中に基準器に関する技術基準を規定し、当該箇所を基準器検査規則に引用する」。

 指定外国製造事業者に関しては、基準器検査とJCSS校正証明書の活用において、ISOIEC17025校正事業者の校正証明書の活用を検討し信頼性確保のためガイドライン等を産総研が作成する。

 

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