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日本計量新報 2016年6月5日 (3106号)

計量士制度と計量器コンサルタントの制度

計量士制度は国家資格である。そのなかで、一般計量士は、計量管理事務のほかに、ハカリの定期検査を国に代わって実施できる。計量法が規定する計量士の権能にからむことである。広くは計量管理であり、適正な計量の実施の確保のために法的権能を超えて計量の専門知識を生かして活動する。

計量器コンサルタントは民間団体である日本計量振興協会が付与する資格であり、計量器とその使い方に関係する専門知識と経験を保有するものであることを認定している。計量士に付与されている計量法に関係したハカリの定期検査を代行するといった権能は持たされていない。

計量器の専門知識を有し計量法と関係した使用分野や取り扱いなどの相談を受け助言するといったことがその業務である。取引と証明にかかるハカリを使用する場面では国家検定あるいはそれと同じ検査に合格したものを使用しなければならないが、一般の計量器販売の届出事業者はこの知識が欠落している状況にあるので、この方面の知識を有していて倫理意識が高い計量器コンサルタントの役割が高まっている。

計量器コンサルタントの資格を得るためには次のようなことが要る。

日本計量振興協会が実施する<CODE NUMTYPE=SG NUM=81FC>計量法、<CODE NUMTYPE=SG NUM=6E26>単位と標準(量、単位、標準)、<CODE NUMTYPE=SG NUM=5618>計量器概論(計量器について)、<CODE NUMTYPE=SG NUM=5504>計量管理概論(計量を効率化するために)などの科目の資格認定講習を受講し、終了後にテストをうけて、平均得点が60点以上であること。資格認定講習は、開催地の地計協の協力を得て開催している。現在までに資格を付与された者は全国で1700名を超え2000名ほどである。資格要件は計量器の製造または販売事業者の従事者で5年以上の経験を有すること。一時は通信教育制度によってこの研修が実施されていた。

計量器コンサルタント制度設立当初には計量士の側からこの制度を排斥する意見が出ていた。同制度が民間資格であり計量器販売における相談と助言をするときの知識保有者であることを認定していることへの理解が進んでいる。取引と証明のためには使用できない「家庭用ハカリ」や検定の付かないハカリがその分野で使われていることが多い状態があるため計量器コンサルタント制度の意義が改めて認識される。

 

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