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日本計量新報 2013年6月16日 (2968号)

知恵ある者は主役が誰であるか踏まえて行動する

大勢のまえで人が話をする。企業の場合には代表者の朝礼や、記念式典などである。この場合には企業の経営目標や経営計画とその実行についてなどが話の中心になる。大勢のまえでの話は団体の会合であったり、講演であったり、演説である場合には目的に沿った内容になることで要領を得る。
 会合の場での来賓の祝辞のあり方は難しい。来賓に立派な話をしてほしい場合には、精一杯団体を褒めてそれと連動する自己の立場を強調すればよい。体裁で来賓あいさつを求められているのであれば、あいさつは要領を得て短いほどよい。自己の立場を心得ないで長いあいさつをすることのないように、心得ておくとよい。
 会社の会合に招かれたときには、あいさつはその会社の代表よりも立派にならないように抑えたい。話の内容は会社を褒めることだけにしたい。団体などの会合での来賓あいさつも同じである。張り切った人はあいさつの内容をいろいろ考えて新規性を出そうと思うあまり、来賓が主役になりがちである。
 テレビカメラを向けられると街頭の人が経済評論家になる現代の日本である。テレビ局がマイクを向けて集めた映像から自分の望む内容のものだけを拾って編集しているのだが、日本人は皆が偉い人にみえる。皆偉い日本人のなかにあっても、来賓はあくまでも脇役として振る舞うのがよい。ともすると祝辞を述べる人が主役になって、主役であるそこに集まる人々を脇役にしてしまう。
 知恵ある人はこのことをよく踏まえて主客転倒をしてはならない。

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