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日本計量新報 2013年4月21日 (2961号)

コンビニの百円コーヒーとハカリの機能向上

ペットボトルのキャップほどの大きさの容器に押し込められパックを機械に装着してボタンをおすと香ばしいコーヒーが抽出される。このコーヒーをコンビニエンスストアのスタンドで飲むことができ、その値段が100円であるから休憩のための良い場所になっている。30年ほど前にはガソリンスタンドとコンビニエンスストアがひとつの敷地に立地するという予測がなされていて、一部ではそのようになっているものの大きくは伸展していないのは日本の土地事情などによるのだろうか。
 コンビニエンスストアの急進展はそのころの予測を遙かに超えている。30年前には自動車電話はあっても普通の人が使用できる状態ではなかった。インターネットも同じであり、携帯端末などが情報のやりとりをして、パソコン代わりになることなどは夢物語にはあっても現実として捉えることはできない状況であった。
 計量器がそのままに情報端末になったり、情報端末と連結されて、計測情報を発信して、そのデータがさまざまに利用されるようになっている。これはすべてがそうなっているということではなく、必要があればそのようなことができる。
 計測情報を自動的に集積すること、遠隔地でそれを確認して対応することなどがもたらす利便は予想を超える。今後はあらゆる計測機器に無線情報発信システムの組み込みや連結がおこる。それはすべての計測機器に付くということではなく、あらゆる種類の計測機器においてそのようなしくみをもつものが登場するということである。
 新しいアイデアの登場、技術の革新と対応する製品の開発などが、人の生活や世の中のしくみを変える。ハカリは機械仕掛けでドラムを回してデジタルの表示をする直示式のものが開発され、その後に電光表示菅によるデジタル表示方式になり、現在ではロードセル式、電磁式、音叉振動方式などによるデジタルハカリが普及している。登場直後のロードセル式はその精密さが五〇〇分の一ほどであった。それが今では一万分の一を超えている。精密さにおいては音叉振動方式や電磁力平衡方式ではそれをずっと上回る。
 電子ハカリの技術進歩は製品としての価格低減とあわせてすさまじい。ハカリなど計量計測機器に自動校正システム、故障診断システムが付けられて、このシステムが安定して機能するようになると、ハカリの定期検査という計量法の仕組みに変化をもたらすことになる。

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