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日本計量新報 2008年5月18日 (2724号)より掲載

私の履歴書 鍋島 綾雄  

日東イシダ(株)会長、(社)日本計量振興協会顧問、前(社)宮城県計量協会会長

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23 会長に就任と先進県視察 2755号

 1982(昭和57)年、東北6県北海道計量大会が宮城県当番で開催された。当番県の会長は連合会長として会議の議長を務めるのだが鈴木会長は86才の高齢でもあり、議長席の後ろに介添え席を設け私が耳打ちをして議案の内容を説明リードしなければならなかった。懇親会の席で秋田県の鈴木会長が「議長席副会長が見え隠れ」と一句披露して笑いを誘ったりした。

 1984(昭和59)年の総会で正式に会長指名されたが、長く代役を務めていたので特別な感慨はなかった。同時にこの総会で、計量に関心が薄くなって名目的な役員になっていた郡部の長老に引退してもらって代わりに各部会からから若手を理事に起用した。

 総会後退任した理事さんに永年のご尽力に対する感謝状を差し上げることにして、私が運転して事務局長の大村検定所長と二人で3日掛って県内を一周した。今思えば大村所長は良く付き合ってくれたと思う。

 栗原地区を廻った時、築館の高橋理事さんに栗駒山の中腹にある温泉に招待された。昨年の614日の大地震で壊滅的な被害を受けた状況をテレビで見て感慨深いものがあった。

 次に、協会の今後の方向を探るために先進地の協会の視察をしようということになった。幸い兵庫県の協会の会長が神戸衡機の宮坂さんだったので兵庫県に行くことを提案し賛同を得て実行することにした。メンバーは二人の副会長と事務局長(検定所長)と常任理事と私の5人でその年の11月兵庫県視察が実現することになった。神戸では検定所・協会・計量士会更に神戸衡機の工場まで見学して大変勉強になった。兵庫県計量協会の年間予算は1億円近く、宮城の40倍だった。計量協会も運営の仕方によってはこんな素晴らしい組織になるというお手本が現実にあるということに、我々一行は大変勇気付けられたものである。そして此処まで来たのだからかの有名な有馬温泉に泊まろうということになって宮坂さんにホテルを紹介してもらった。豊臣秀吉が気に入って通っただけあって流石に素晴らしかったが、当時の料金で3万円を超えたのにはびっくりした。協会には金がないので自腹を切って決行した視察だったが、お陰で24年経った今日宮城県の協会は兵庫には及ばないものの、全国屈指の予算規模を誇るレベルまで発展することが出来た。

(つづく)

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