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日本計量新報の記事より  本文 9805-08



◆研究講演会「知的基盤と熱物性」(計量研究所・10月15日)(98年8月30日号)

 工業技術院計量研究所は(財)日本産業技術振興協会と共催で、平成十年度研究講演会を、十月十五日午前十時から東京・赤坂の石垣記念ホールで開催する。今年のテーマは「知的基盤と熱物性−機能材料の熱物性計測技術と標準物質の開発をめざして−」。

 さまざまな科学技術活動、産業活動、社会活動を支える技術基盤として、計量標準や試験評価技術、標準物質など「知的基盤」の重要性が認識されつつある。科学技術基本計画でもその重要性がとりあげられ、また平成九年度より科学技術振興調整費に知的基盤整備推進制度が設けられた。

 今回の講演会では、わが国にとって必要な知的基盤とはどのようなものか、知的基盤として熱物性はどのように展開されるべきかを考える。また科振費のなかで昨年度から開始されたプロジェクト「機能材料の熱物性計測技術と標準物質の研究」の趣旨とその中でおこなわれているいくつかの研究課題を紹介する。

【日時】10月15日

【場所】三会堂ビル9F石垣記念ホール(東京都港区赤坂一−九−一三、電話〇三−三五八二−七四五一)

【協賛】(社)応用物理学会、(社)計測自動制御学会、(社)精密工学会、(社)日本機械学会、日本熱物性学会

【プログラム】 ▽10時〜開会のあいさつ(計量研究所長今井秀孝)▽10時10分〜薄膜・微小領域の熱物性計測技術(計測システム部計測情報研究室竹歳尚之)▽10時55分〜固体熱拡散率計測技術の標準化と標準物質(計測システム部計測情報研究室馬場哲也)▽11時40分〜固体熱膨張率計測技術の標準化(熱物性部低温計測研究室山田修史)▽13時30分〜科振費による知的基盤熱物性プロジェクトの概要(熱物性部小野晃)▽14時30分〜特別講演「我が国における知的基盤の現状と課題」(工業技術院知的基盤課長武田貞生)▽15時45分〜特別講演「知的基盤としての熱物性と国際的な競争・協調」(慶應義塾大学常任理事・理工学部教授長島昭)▽16時45分〜閉会のあいさつ(熱物性部長小野晃)

【参加費】無料(ただし一般参加者はテキスト代二千六百円)

【問合わせ先】計量研究所総務部業務課=〒三〇五−八五六三、茨城県つくば市梅園一−一−四、電話〇二九八−五四−四〇四九、Fax〇二九八−五四−四一四六、E−mail:gyoumu@nrlm.go.jp

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◆質量のトレサ研究会が計管協認定事業者部会の分科会として新発足-技術能力検証試験の立案、実施めざす-(98年8月30日号)

 技能向上を含め従来から計量法トレーサビリティ制度の質量の校正サービス事業者立ち上げのための研究活動を続けてきた質量標準トレーサビリティ研究会は、(社)計量管理協会の認定事業者部会に参加し、同部会の質量分科会として活動することになった。

 (社)計量管理協会と質量標準トレーサビリティ研究会は、質量分科会と技能試験ワーキンググループの準備会を九月十日午後一時から、東京都新宿区の日本計量会館で開く。

 新しく発足する質量分科会は、従来の研究会の活動成果を活かしながら計量法トレーサビリティ制度の質量分野の校正技術の向上、情報収集と意見交換するとともに、分科会内にワーキンググループを設け技術能力を検証する試験に関する計画の立案・実施をめざす。

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◆98最新の電子はかり特集(1)(98年8月16日号)

 はかり産業を概括すると生産金額の五〇%強が工業用はかりで占められている。工業用はかりは生産設備として機能している。このはかりを導入することにより省力化・合理化が推進され、また品質向上にも寄与している。はかり産業は九一年度(平成三年度)に一〇〇〇億円近くに生産金額が上昇したが、その後国内景気の後退と連動して低迷を続けていた。九三年度(平成五年度)に底を打ったあと上昇に転じていたが、ここへきてやや減少傾向を示している。激しい価格競争から生産台数は伸ばしているものの金額が伸びずに前年実績を割り込んでいる機種もある。このなかで注目されるのが「家庭用はかり」である。体重をはかる時に体脂肪率も同時に測定する「体脂肪計付ヘルスメーター」が九六年(平成八年)から好調な伸びを示し、九七年度(平成九年度)も好調さを保っている。

97年度生産額は前年度比93.7%

 はかりは生産金額の視点に立つと基本的に産業設備であるが、はかり産業が今後伸張発展して行くためには産業と社会が求める「新機能」を開発しなければならない。新しい価値を創造する「新機能」の開発こそがはかり産業の社会的使命といってもよいので、新機能を盛り込んだ新製品の開発が期待される。

 九七年度のはかりの生産出荷状況は、生産金額八百五十八億一千万円(対前年度比九三・七%)、生産数量が六百二十八万千六百八十一台(対前年度比九八・八%)だった。日本はかり工業会がまとめたもので、九六年度に五年ぶりに九百億円台を回復したが、九七年度は八百五十億円台に減少した。

 国内出荷数量は五百三十四万四千七百四十五台(対前年度比九四・七%)、輸出数量は六十一万三千百七十七台(対前年度比九九・五%)である。

天びんは輸出が好調

 機種別では、天びんは生産金額が七十億九百万円で対前年度比三・五%減、生産数量は十四万六千百四十台(対前年度比三・三%減)。国内出荷数量は七万八百四十二台(対前年度比八・七%減)。輸出は好調で数量は四万六千九百五十六台(対前年度比一三・七%増)である。このうち電子式は国内出荷数量で対前年度比七・〇%減、輸出数量は一三・七%増えた。天びんのうち電子式の機種は生産金額で九七・五%、数量で八六・八%とほとんどを占めるまでになっている。天びんのはかり全体に占める割合は、生産金額で八・二%、生産数量で二・三%である。

台はかりの生産数は増加

 台はかりは、生産金額が八十四億八千五百万円で対前年度比一三・五%減であるが、生産数量は十五万三千四百四十二台(対前年度比七・九%増)で、増加した。台はかりのうち電子式は、生産金額で八九・四%(七十五億八千九百万円)、数量で八二・〇%(十二万五千八百九十五台)と大きな割合を占める。台はかりのはかり全体に占める割合は、生産金額で九・九%、生産数量で二・四%である。

商業用はかりは生産額が11%減

 商業用はかりは、生産金額が百三十八億九千九百万円で対前年度比十一%の減、生産数量は五十二万四千三百二十八台で対前年度比で四・一%減った。九五年度は生産金額が対前年比で九・四%の増、生産数量が対前年度比で一四・三%増えるなど好調だったが、九六年度はその反動がきたかたちで生産金額が百五十六億二千万円で対前年度比一%の減、生産数量は五十四万六千六百九十四台で対前年度比で二・七%減った。九十七年度も電子料金はかりの不調がひびいて数量・金額とも減った。

 商業用はかりのうち電子式は、生産金額で百二十五億千九百万円で対前年度比で十一・四%減少した。数量は十二万六千百十二台(対前年度比二〇・八%増)と健闘している。商業用はかりの電子化率は、生産金額で九〇・一%とほとんどを占めるが、生産数量では二四・一%であり、まだまだ伸びていくと思われる。

 商業用はかりのはかり全体に占める割合は、生産金額で一六・二%、生産数量で八・三%である。

家庭用はかりは生産額が12%増

 家庭用はかりが好調である。生産金額が百十八億九千五百万円で対前年度比一一・七%増を記録した。生産数量は四百九十一万三千五百八十二台(対前年度比一・四%減)である。脂肪率計付のヘルスメーターなど、健康への関心の高まりを反映して需要が伸びている。

 家庭用はかりのうち電子式は、生産金額が九十九億七千五百万円で対前年度比二六・五%と昨年に引き続き激増した。生産数量も二百七十四万六千三百三十九台で対前年度比二二・九%と大きく伸びており、電子化の伸展がうかがえる。電子化率は、生産金額で八三・九%と九六年度の九〇・〇%からやや減少しているが、生産数量では五五・九%と九六年の四四・八%から大きく伸びている。

 家庭用はかりがはかり全体に占める割合は、生産金額は一三・九%だが、生産数量は七八・二%と大きな割合を占める。

工業用はかりは全体の5割を占める

 工業用はかりは、生産金額が四百三十一億七千七百円で対前年度比七・八%の減、生産数量は四万三百八十三台で一三・五%減少した。

 工業用はかりがはかり全体に占める割合は、生産額が五〇・三%と過半数を占める。生産数量は〇・六%である。

 機種別にみると、チェッカーが好調で、対前年度比で二・二%伸びた。ホッパースケールは対前年度比八・三%減になった。組合せはかりは対前年度比二・九%減。トラックスケールは対前年度比一〇・一%減に転じた。昨年度は二桁の伸びを示していた。

 国内出荷数量は、五百三十四万四千七百四十五台で対前年度比で五・三%の減となった。このなかで電子式のはかりが健闘しており、電子式の台はかりが八万六千二十四台で対前年度比二・四%増、電子式商業用はかりが六万八千二百九十三台で対前年度比〇・七%増、電子式家庭用はかりが二百二十六万二千四百二十三台で対前年度比十七・三%増といずれも伸びを示した。

電子式はかりの輸出は好調

 輸出数量は、全体では六十一万三千百七十七台で対前年度比〇・五%減と前年並みとなったが、機種別に見ると対前年比で大幅に増加した機種も多い。円安の影響で輸出が好調。

 輸出は家庭用はかりが対前年度比四・六%減となったがそのうち電子式は同比三十一・二%と大幅増となった。天びん同比一三・七%増(電子式一三・七%増)、台はかり同比九・一%増(電子式一一・〇%増)、工業用はかり同比二四・三%増と好調である。商業用はかりの九六年実績は輸出数量が十万二千五百九台で対前年度比一三・四%減となったが、九七年は輸出数量が十万九千九百二十五台で対前年度比七・二%(電子式三一・二%増)の増加に転じた。

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◆夏の特集・特別企画−計量史と身近になることのすすめ−「昔が分かれば今に対処でき未来が見える」(98年8月2日号)

 日本計量史学会は「あなたも『はかる』をモチーフに、歴史を一緒に学びませんか」と呼びかけているように自由な雰囲気で運営されている全く新しい開かれた学会である。入会資格は特に問わない。計量史学に興味・関心がある者、計量史学を研究している者、関連分野の研究をしている者など、だれでも自由に入会できる学会である。計量史学は現代を生きるすべての人々に関わっており、また計量の仕事に就く人々にとってはその業務を計量史学的な視点から捉えることは有効であることから、日本計量史学会が注目されているのである。

 日本計量史学会は会員百二十名ほどの学会であり、計量器の製造および販売事業者、計量士ほか計量関係者、計量公務員ならびにOB、街の計量器コレクターならびに研究家、学校・研究所等の教員・研究者、図書館や博物館等が会員になっている。

 会費は年額七千円 。会員には年一回発行で総説、論文、資料、文献目録などを収録した『計量史研究』や、年に何回か発行される会報である『計量史通信』が刊行のつど無料送付される。

 学会の目的は「度量衡を含めたすべての量の計量に関連する歴史的な研究とその普及をはかること」であり、前述の定期刊行物の発行のほか「計量史をさぐる会」の開催(非会員も参加できる。別項参照)、計量に関する歴史的資料の調査、国内外の学会・団体・機関との協力などをおこなっている。

 日本計量史学会の設立は一九七八年。欧州では計量史を近隣諸国で共同研究することの必要性の認識が一九五五年頃から高まり、地球規模の視点からの研究を目的に一九七三年に国際計量史委員会が創立され、三年に一度の国際会議を開いて国際的な交流をはかっている。日本計量史学会は世界で最初の計量史学に関する地域の学会として、国際計量史学会から公認されている。計量史学に関する研究や調査に関する事業の業績が高く評価され、『計量史研究』には海外からの研究論文の投稿がある。

 インターネットのホームページも開設しており、同会の紹介、入会方法や計量史研究のバックナンバーなども紹介している。

http://www.bekkoame.ne.jp/~hirotkmt/sub_web/m_sociej.htm

【役員】
▽会長=岩田重雄▽副会長=高田誠二▽理事=新井宏、内川恵三郎、川村正晃、黒須茂、斉藤和義、多賀谷宏、西田雅嗣、西村淳、前田親良、蓑輪善蔵、宮川■ 、山田研治、横田俊英▽監事=藤原泉
【事務局】
〒一七五-〇〇八二、東京都板橋区高島平四-一六-一、TEL・FAX〇三-三九七九-九一一七、郵便振替番号〇〇一七〇-九-六六九七四
 
計量史をさぐる会 98年10月3日〜4日、長野県松本市&中条村

 日本計量史学会は毎年この時期に「計量史をさぐる会」を開催している。会員が日頃の調査研究成果を発表し、計量史についての質疑応答や座談会などを実施している。さぐる会は全国各地を会場に開催しているが、開催地ゆかりの計量に関連した史跡や博物館等の見学もおこなっている。「計量史をさぐる会」は学会員だけでなく一般の人も自由に参加できる。

 第二十一回の今回は、十月三日、四日の両日に長野県松本市と中条村で開催する。三日は松本市はかり資料館の自由見学と日本民俗資料館での講演・研究発表会、四日は測量資料館はかりの館を見学する。

 松本市はかり資料館の前身は一九〇二年(明治三十五年)創業の竹内度量衡店。計量器販売専門店として中南信地方の需要を一手に引き受けていた。一九八六年(昭和六十一年)に営業をやめ、一九八九年(平成元年) に松本市に移管された。同資料館の所蔵品は千点に達し、はかり、ものさし、ますなどの計量器や貴重な文書類を見ることができる。

 日本民俗資料館での講演・発表会は講演が、

  1. 松本平の用水と測量(秋山晃・松本土建(株)品質管理室長)
  2. 松本城築城と計測(中川治雄・松本城管理事務所研究専門員)

研究発表会は四件の研究発表を予定している。

 日本民俗資料館の前身は一九〇六年(明治三十九年)に現在の旧開智学校(重要文化財)に設けられた記念館。一九六六年(昭和四十一年)に日本民俗資料館と改称した。民俗、歴史、考古、美術、自然(山岳)、時計の六つの展示部門があり、九万千点におよぶ資料を収蔵している。江戸時代の中堀善太郎製の両替用天びんや後藤徳乗(一五五〇〜一六三一年)の分銅を見ることができる。

 中条村の測量資料館はかりの館は、伊能忠敬が方位を簡単にはかる器具として開発した小方儀をはじめ、間縄や明治時代以降の測量機器を系統的に展示している日本有数の測量資料館である。伊能図などの地図類も展示している。

【松本市はかり資料館】
▽所在地=長野県松本市中央三-四-二一、〒三九〇-〇八一一、TEL〇二六三-三六-一一九一▽入館料=三百十円
【日本民俗資料館】
▽所在地=長野県松本市丸の内四-一(中央公園)、〒三九〇-〇八七三、TEL〇二六三-三二-〇一三三▽入館料=五百二十円
【測量資料館はかりの館】
▽所在地=長野県上水内郡中条村四四三八-六、〒三八一-三二〇〇、TEL〇二六-二六八-三三〇二▽入館料=無料
【申込・問合せ先】
日本計量史学会事務局=TEL〇三-三九七九-九一一七

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◆第41回関東甲信越計量協会連絡協議会(7月16日・横浜みなとみらい)(98年7月26日号)

 東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、新潟、長野、山梨の一都九県計量協会で組織する関東甲信越計量協会連絡協議会が七月十六日午後、横浜市のみなとみらい地区のヨコハマ・グランド・インターコンチネンタルホテルで開かれた。当番・主催は(社)神奈川県計量協会で。今回の協議会は計量制度と法令に関する諸案件を行政機関に質問するという会議方式をとらず、「自らの問題を自らが考え自ら前進の方向を探る」という自己解決型の会議の方式を採用して開催した。

 七月十六日に(社)神奈川県計量協会の当番・主催によって開かれた第四十一回関東甲信越連絡協議会は計量制度のワールド・スタンダードを探り、これへの積極的な対応をはかるという意気込みのもと「国際化時代における適正計量」をメインテーマにして開かれ、二百名を超える参加者があった。

 会議は十六日午後二時から(終了は午後四時)三つの分科会がスタート。分科会のテーマは

@計量の社会的使命、
A経営者の使命感と人材育成、
Bこれからの地方計量協会の在り方。

分科会はパネルディスカッション形式で行われ、各分科会ともパネラーの熱心なテーマに沿った報告と議論を土台に、会場の参加者がこれに対等の立場から議論に加わり、議論を煮詰めて問題の解決の方向を探るという内容であった。

(詳細は日本計量新報98年7月26日号をごらんください)

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◆愛知県はかり工業協同組合の校正センターが完成(98年7月19日号)

 愛知県はかり工業協同組合(組合員十九社、植村高久理事長)は、実用基準分銅の校正と計量器製造・修理届出事業者の検査設備の組合員による共同利用施設の設置を計画、約一年前から準備をすすめていたがこのほど完成し、六月二十三日開所式をおこなった。

 この共同利用施設は、愛知県半田市の半田度量衡(株)の敷地内に設置したもの。計量法の改正により一九九九年(平成十一年)四月から質量計の検定・検査に使用が義務付けられる実用基準分銅の校正や計量器製造・修理届出事業者の検査を実施するための組合員による共同利用施設として計画された。

 同組合は今後組合員以外の一般ユーザーの分銅の校正も予定しており、特に大型分銅については、県内四ヶ所の基地に大型質量比較器の配置を準備しており、まもなく質量の認定事業者になる予定の(財)日本品質保証機構(JQA)中部事業所の指導も得て中部地区の質量標準供給体制の一翼を担えるようにしたいとしている。

 同組合は大型はかりの製造をしている十一組合員が協力して大型質量計の型式承認を取得した経験を持っており、今回の共同利用施設設置はそれに続く共同事業。小規模はかり事業者の共同による画期的事業展開として注目されている。

校正室概要

【面積】九・八六m2

【主な設備】
▽OIML・F1級標準分鋼20kg〜1mg30個
▽電子天びん210g1基、32kg1基、5・1kg1基
▽基準台はかり1t/50g

【所在地】愛知県半田市東郷町四-三二、半田度量衡(株)内

【問合せ先】
▽同組合=TEL〇五二-五八一-二〇二一
▽半田度量衡=TEL〇五六九-二三-一七〇九

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◆千葉県計量協会総会開く−法人設立準備会等の活動を承認(98年7月12日号)

 社団法人化を目指して県内計量団体の統合・一本化に成功している千葉県計量協会の平成十年度通常総会が六月二十二日午後、JR千葉駅ビルの千葉ペリエホールで開かれ、諸議案を原案通り承認可決した。

 千葉県計量協会は先に事業と組織体製の強化のため県内計量関係団体の組織統合を実現している。平成九年度には五度の理事会・法人設立委員会を開いて、地方分権制度の推進など計量制度の環境変化への対応策を協議してきている。新年度事業においては計量管理業務の受託、計量器定期検査業務の受託、計量強調月間の実施等前年度事業を継承する事業計画と予算計画を策定した。

 任期満了に伴う役員改選を行った結果、守浩三会長をリーダーとする主要役員を再選した。

【新役員】

会長表彰受賞者

【計量関係功労者】
▽東海林貞雄((株)ウエダ製作所)▽川内辰也((株)竹中製作所)▽大山義夫((株)高島屋柏店)▽為村廣((有)中山計量士事務所)
【計量管理優良事業場】
▽(株)環境管理センター東関東支社

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◆地方分権の推進本格化、計量行政分野でも具体化への懸命の対応(98年7月5日号)

 地方分権推進が本格化している。九五年七月の地方分権法成立、地方分権推進委員会の四度の勧告、本年五月二十九日の「地方分権推進計画」閣議決定を経て地方分権の指針が固まったことから、各都道府県で対応する条例、規則の整備への検討が進められている。

 地方分権推進計画に添って次の通常国会には改正法案が提出される予定である。法改正を受けて地方公共団体は対応する条例、規則を整備する。

 計量行政では検定など機関委任事務が自治事務となり実施主体が各都道府県に変わる。地方庁は各県ごとに実状も異なるが、限られた人員で効率的に適正な計量行政を実施する体制をつくるために、相互協議もおこなって課題を整理し検討を重ねている。通産省も全国をブロックに分けて地方庁と意見交換した。(98年7月5日号社説参照)

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◆馬場秀俊計量行政室長に聞く・地方分権時代に対応する計量行政の構築に力注ぐ(98年6月7日、14日号)

 今、計量行政は大きな変化の時期にきています。規制緩和、地方分権、計量標準の整備など、現在私たちが抱えている計量に関係する課題の仕上げの時期に来ています。私はこれらに関して二〇〇〇年(平成十二年)がエポックの年になると思っています。

規制緩和−民間の力を活用する

●検定有効期間を5年かけて見直す

 まず規制緩和に関する計量の課題です。現在、取引・証明に使用する計量器の検定の有効期間を適切なものにするために見直す作業を進めています。昨年度から五カ年計画で推進しています。

 初年度である昨年度はガスメーター、温水メーター、積算熱量計、騒音計、pH濃度検出器、同指示計の検定の有効期間と、騒音計、濃度計の計量証明検査の周期、型式承認の有効期間について検討し、計量器の諸性能が向上していることもあり、検討した全機種について期間の延長が適当であるとの結論に達しましたので、計量法施行令の改正等の必要な措置をしました。

 本年度は検討の第二年度としまして、燃料油メーター、液化石油ガスメーター、振動レベル計、濃度計(九種類)について検討を開始しました。関連する業界や製造メーカーなどからもよく意見を聞き、客観的なデータの収集にも努めて、適切な期間を定めていきます。また、燃料油メーターについては定期検査制度の導入について要望がでていることもありますので、この制度の導入の是非についても検討を加えることにしています。

●指定製造事業者制度の範囲を拡大

 取引・証明に使用する計量器を製造している事業所で、品質管理について法が定める一定の水準を満たす事業者が、自社の検査で検定と同等の効力を有する基準適合証印を貼付できる指定製造事業者制度は順調に運用されています。毎年適用する事業範囲を拡大していまして、本年度は電力量計やタクシーメーターなどにも同制度を適用する予定で、現在整備をすすめています。また指定修理事業者制度の創設の可能性についても二年間かけて調査をします。

●民間企業も指定機関になれるようにする

 指定製造事業者制度もその一つですが、積極的に民間の力を活用する、民間認証、自己認証へ向かって計量法を開放していくことも重要です。現在、指定検定機関、指定定期検査機関、指定校正機関などになるには、民法第三十四条に基づく法人、すなわち公益法人でなければなりません。この制限を取り払って民間にも開放するという課題があります。政府の行革委員会からも課題として出ていますから、この方向になると思います。

 しかしこのことは何でもなってよい、野放しにすることとは違います。実際の審査では、仕事内容の公共性に鑑み、継続性、中立性、公正性をどう担保するかなどが問われます。規制がはずれたからといって野放しにするということではありません。あくまでもしっかりした能力、基盤を備えた民間の機関に門戸を開くということです。

●適管事業所制度を強化推進

 規制緩和のもう一方の側面として、計量管理の自主的な推進が非常に大事になってきます。自主管理を推進するものとして適正計量管理事業所制度の強化推進という課題もあります。

地方分権−2000年春には新しい計量行政がスタート

 地方分権の推進の課題があります。一九九五年七月に地方分権法が成立して以来、地方分権推進委員会は四度の勧告を出すなど地方分権推進への作業を進めています。昨年十二月には機関委任事務制度廃止後における地方公共団体の事務のあり方等についての大綱が策定されました。  今後のスケジュールとしては、五月二十九日の閣議で「地方分権推進計画」が決定されましたが、これにもとづき来年の通常国会に改正法案が提出される予定です。法改正を受けて各都道府県の対応する条例、規則等が整備されることになります。そして二〇〇〇年(平成十二年)春には、いよいよ地方分権型の計量行政がスタートすることになります。

●全ての業務が地方に移るのではない

 誤解のないようにしていただきたいのは、計量行政の全てを各都道府県に移すのではないということです。国が都道府県に権限を委譲するのは、量目取締、検定、定期検査、計量証明検査や計量証明事業者などの登録、適正計量管理事業所の指定や監督などの業務です。一方、適正な計量の実施を確保するための法律の制定、計量単位に関すること、計量標準の供給、指定製造事業者制度、計量法トレーサビリティ制度の校正サービス事業者(認定事業者)の認定、計量士国家試験の実施などは、国が固有に役割を果たさなければならない業務として権限の委譲はおこないません。

●通達事項は原則廃止

 地方分権型の計量行政がどのような形になるのかは、現段階では具体的な姿を現すまでには至っていませんが、少なくとも現在通達などで決めていることは原則として廃止され、各都道府県の自主性に任せることになると思います。しかし、各都道府県の判断がてんでバラバラでは、計量行政に混乱を招くことになりますから、重要な項目、基本的な判断基準などは政省令に格上げして、基本認識として定める必要があるでしょう。

 地方分権型の計量行政の内容については、都道府県や特定市の全国会議等ですりあわせをやっていますし、主要な検定所などが集まって頻繁に打ち合わせをして、その内容は全国に連絡する、といった形で具体的な内容を詰めているところです。

 手数料なども現在は国が決めていますが、各自治体が自主的に定めることになります。もちろん、国で行うものについては国が料金を定めますので、各自治体が手数料を定める場合も、自然に調和されてそうバラバラになることはないと思います。またこれらはコストを一部受益者に負担していただくということですから、コストが全部はね返ってくるようなことはありません。

 特定市が現在八十五市ありますが、これは原則として減りません。むしろ人口二十万人以上の市でやる気があるところは特定市として指定していきます。

●計量教習所も変わる

 計量教習所も地方分権との関連で変化があります。計量教習所の目的の一つに、計量行政に従事する公務員に、職務の執行に必要な知識を教えることがあります。従来は、検定、検査などの計量行政に従事する職員は必ず計量教習所で履修しなければならないと決められていました。必置規制といいますが、これを廃止します。今後は検定、検査などの計量行政に従事する職員は各自治体が自前で養成するのが基本になります。計量検定所や計量検査所の職員も総合職型になって在任期間も短くなってきているので従来の教育システムが現状に合わなくなっていたという面もあります。

 そうは言っても、各自治体の規模が小さい場合は自前の教育といっても難しい面もあります。したがって計量教習所を廃止するようなことはありません。希望する人たちは受講できるようにするといった支援は引き続きやっていきます。たとえば、従来は全課程を集中的連続的に受講しなくてはならなかったんですが、短期の教習を何回か積み重ねるといったカリキュラムもつくるなど、いろいろ工夫していきます。

計量標準の供給拡大に全力

●新たに6分野で供給開始

 計量標準の整備の問題ですが、五月二十六日に、計量行政に関する通産大臣の諮問機関である計量行政審議会から新たに六つの分野の標準供給の開始とすでに供給している分野の供給範囲の拡大について答申をいただきました。これを立ち上げますと、当面供給を予定している二十一の分野のうち十七の分野について計量標準の供給を開始することになります。実際に校正サービスをおこなう校正サービス事業者(認定事業者)も夏から秋にかけて新たな認定を予定しておりますし、なるべく早く二十一の分野での計量標準の供給開始にもっていきたいと考えています。

●2001年には200種類超す標準を供給

 国として、品質管理や通商貿易の基礎的基盤である 計量標準の供給の整備には力を入れています。計量行政審議会の計量標準部会で「国家計量標準供給のあり方」をご議論いただきまして、この結果は産業技術審議会と工業標準調査会が合同で設置した「知的基盤整備特別委員会」の議論にも反映されています。これらの議論もふまえて国として具体的な整備計画を策定し、二〇〇一年には二百種類を超す計量標準を供給できるようにしていきます。

 計量標準に関連して一言申し上げておきたいことがあります。計量標準は物象の状態の量の基準です。したがって、そうでないものは計量標準として供給しません。また計量標準は何でもかんでも国が供給する必要があるのか、ということがあります。たとえば「長さ」「粗さ」「真円」「角度」といったものを考えてみますと、この中には基本的な量と、基本量が定まればそこから導き出すことができる量があります。物象の状態の量の範囲は膨大なものになりますので、国はこの中から何を供給すればよいのか、何から取りかかればよいのか、ということを考えなければなりません。ユーザーのニーズなども勘案して国としての戦略を考える必要があります。

 社内における計量標準の管理の方法としては、計量法トレーサビリティ制度、基準器検査等があります。計量法の中に二つの制度があることが計量法トレーサビリティ制度の普及を遅らせている面があるとの指摘もありますが、基準器検査制度は、地方庁、計量器メーカーなどが計量法の規定に基づく検定検査に使用する基準器に関する目的に限定された制度でこれを受検しなければ、計量法上の検査検定には使用できないというものです。すなわち、基準器検査は計量法上の検査検定に使用してよいかを確認するためのものであり、計量器ユーザーによってはこれを必要としない場合もあります。このため、検査証明書の書き方も必要最小限となっています。

●計量法トレーサビリティ制度の認識広める努力する

 一方、計量法トレーサビリティ制度は、校正サービス事業者(認定事業者)が発行する校正証明書により、不確かさを含め校正された計量器が国家計量標準とトレーサブルであることを証明することができる制度ですので、必要な方には大いに利用していただきたいと思います。もちろんトレーサビリティの証明、不確かさ等の精度が不要な場合まで計量法トレーサビリティ制度でやらなくてはということではありません。この違いをきちんと普及して認識していただかないと、計量法トレーサビリティ制度の校正サービス事業者(認定事業者)の事業としてなりたつ基盤を強くできませんので、広報活動にも力を入れていきたいと思います。

計量単位のSI化に努力−第3段階の期限は99年9月

 取引や証明行為に使用する単位(法定計量単位)は一九九三年に施行された新計量法で原則として国際単位系(SI単位)でなければならないことになりました。非SI単位をすぐにSI単位へ切替ることが困難な単位については、三段階の猶予期間を設けて切り替えています。一九九五年(平成七年)の第一段階、一九九七年(平成九年)の第二段階まで順調に切り替えができました。

 現在、最終の一九九九年(平成十一年)九月三十日の猶予期限終了までに第三段階の非SI単位をSI単位へ切り替えることをめざして奮闘しています。第三段階の非SI単位は力の単位のkgf(重量キログラム)からSI単位のN(ニュートン)への移行など九種類ありますが、換算値の問題も絡んでどれも移行がなかなか難しいものです。

 第三段階の非SI単位を使用している各省庁関連の法令や地方自治体との条例などとのすりあわせも必要ですので、移行の実状を調査してきちんと把握し、対処する必要があります。移行には企業も社員教育が必要であるなど、時間がかかりますので、早め早めに取りかかっていきたいと考えています。教育や広報が大事ですので、マスコミや各団体にもご協力いただいて、きちんと進めていきます。

●実態にもとづいた議論を

 猶予期限の関連では届出済証を貼付した特定計量器(いわゆる追加非自動はかり)が平成十三年十月三十一日以降は使えなくなるということで、問題点を指摘される方もいらっしゃいますが、切り替えのための猶予期限を設けているわけですから、その期間をさぼっていたことを救済するなどということはあり得ません。もし問題があるのであれば、どこでどういう計量器がどういう状態で何台ぐらいあって、どう問題なのか、という実態にもとづいた指摘でなければならないと思います。議論はあるべき論ではなくあくまで実態にもとづいて、というのが肝要であると思います。

3団体統合の成果に期待

 (社)日本計量協会、(社)計量管理協会、(社)日本計量士会の三団体が統合する方向で、三団体間で検討が進められています。これらの団体はそれぞれ独自に計量に関して役割を果たし、力を発揮してきました。しかし各団体の現状を見ると、私には現在の計量をめぐる大変革の時代への期待に添うような積極的な形にはなっていないように映ります。

 これまでも各団体は行政を補完する形でいろいろ役割を果たされてきていますが、今こそ、団体の変革のあり方を議論して、行政へもっと物申す機能を果たすようになっていただきたいと感じています。

 たとえば現在の(社)日本計量協会は各地方の計量協会をはじめ計量関連団体がおもな会員ですが、新しい時代の計量を考えた場合にはこれでは十分ではありません。これまでの会員に加えてユーザーや試験団体の関係者、学識経験者、自治体の関係者なども一緒になってあり方を議論する組織へと活性化すべきではないかと考えます。これは一例ですが、少なくとも三団体が一緒になれば積極的な機能を果たせる団体への条件を満たせると思います。

●ユーザーが積極的に参加できる形に

 計量制度について論議するときに、技術的側面も多いことから、ともすれば計量器のメーカーが議論をリードすることが多いですが、私はこれは適当ではないと思います。計量器のメーカーにとってはどうしても規制があるほうが検定品がコンスタントに売れるということもあり、メリットがあると考えられるからです。中立とはいえない面があります。計量制度について論議するときには計量器のユーザーに大きく足をかけてやらないと、制度の存立基盤を失うことになりかねません。したがって、もっとユーザーが積極的に参加できる形にしていく必要があると感じているわけです。

 計量の関係のデータの整備はまだまだ不十分です。計量行政の施策を決定していくうえでも、制度の国際的な比較をする上でも、技術援助などの場合でも、基礎となるデータが不十分では戦略的な、また効果的な取り組みができません。これらのベースとなるデータの整理を団体にお願いできないかとも考えています。

 現在、国が直接実施している計量士国家試験なども、それを安心して任せられるような組織能力を備えた団体ができれば、実施を委譲することも考えられると思います。

 あってはならないのは、財政の逼迫を団体の統合によって解消できるというような側面からのみの議論です。財政をどうするかは非常に重要なファクターではありますが、団体が統合して何をめざすのか、何ができるのか、そのためにはどういう組織にしていくのか、という団体が果たすべき役割や理念などの根本問題を抜きにした議論は意味がありません。二〇〇〇年(平成十二年)四月には新しい団体が姿を現すということで、団体間また各団体内で議論が進められていますので、その成果に大いに期待しています。 (おわり)

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◆指定製造事業者を4件指定(98年6月7日号)

 通産省は五月十三日付で指定製造事業者を四件指定した。指定は合計で八十九件(五十社五十八工場)になった。

 指定されたのは、

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◆第48回計量士国家試験の合格者617名を発表(98年6月7日号)

 三月一日に全国九会場で実施された第四十八回計量士国家試験の合格者が五月二十九日に発表された。合格者は一般計量士が百八十二名(受験者数九百四十九名、合格率一九・二%)、環境計量士は合格者四百三十五名(受験者数三千五百四十一名、合格率一二・三%)である。環境計量士の内訳は、濃度関係が二百七十一名(受験者数二千七百十二名、合格率一〇・〇%)、騒音・振動関係が百六十四名(受験者数八百二十九名、合格率一九・八%)である。

 昨年比では一般計量士合格者数は二名減(受験者数五十名増、合格率一・三%減)で昨年とほぼ同じである。環境計量士は合格者数二十四名減(受験者数三百九十六名増、合格率二・三%減)で昨年より合格者数は減ったが、受験者数の伸びはつづいている。環境計量士の内訳は、昨年比で濃度関係の合格者数は四十四名減(受験者数百九十三名増、合格率二・五%減)、騒音・振動関係が合格者数二十名増(受験者数二百三名増、合格率三・二%減)で騒音・振動関係は合格者が増えた。

 合格者の平均年齢は一般計量士が三五・一二歳、環境計量士は三五・〇四歳(濃度関係三四・三一歳、騒音・振動関係三六・二四歳)とほぼ同じである。

 今回の最高齢合格者は六四歳(環境計量士の騒音・振動関係、濃度関係は五五歳、一般計量士は五六歳)、最年少合格者は二〇歳(一般計量士と環境計量士の濃度関係、騒音振動関係は二一歳)である。

 合格者の事業分野は、一般計量士は化学工業(一五・九%)、電気機械製造業(一〇・四%)、電気・ガス事業(九・三%)、鉄鋼業(七・七%)、精密機械製造業(七・一%)、その他製造業(五・五%)の順。その他は六・〇%。

 環境計量士(濃度関係)は、一番多いのは環境計量証明事業(三三・六%)、次いで化学工業(一二・二%)、官公庁・公団等(七・〇%)、電気・ガス事業(四・一%)、電気機械製造業(四・一%)、窯業・土石製品製造業(三・七%)が多い。その他は一二・五%。

 環境計量士(騒音・振動関係)は、環境計量証明事業(二三・八%)、建設業(一二・八%)が多く、以下官公庁・公団等(五・五%)、輸送機械製造業(四・九%)、電気機械製造業(四・三%)などである。その他は一五・九%。

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◆計量標準の供給範囲を拡大−流量など6分野で供給開始、「長さ」「温度」は供給範囲拡大(計量行政審議会)(98年5月31日号)

 計量行政についての通産大臣の諮問機関である計量行政審議会(小松國男会長)が五月二十六日、通産省で開かれ、十一の分野で供給している国家計量標準を十七の分野まで拡大することを決めた。すでに供給している「長さ」と「温度」は供給範囲が拡大される。これを受けて通産省は計量法トレーサビリティ制度における特定標準器や校正の実施機関の告示など、供給開始へ向け必要な措置をとる。

 通産大臣から四月八日付で諮問があった国家計量標準の供給拡大について、計量行政審議会は計量標準部会で検討してきた。産業界のニーズや国立研究機関の整備状況などをもとに、「流量」、「音圧レベル」、「振動加速度」、「放射能」、「硬さ」、「湿度」の六つの量について供給を開始することと、「長さ」、「温度」の二量の供給範囲を拡大することを決め、答申した。

 新規供給 

【流量】
▽気体流量=0・05〜20kg/min
▽液体流量=50〜3000m3/h
▽気体流速=0・05〜30m/s

【音圧レベル】周波数が20Hz〜20kHzでの音圧感度範囲における音圧レベル(〜130dB)

【振動加速度】1Hz〜5kHzの振動数範囲における振動加速度(1〜600m/s2

【放射能】線源強度0・01Bq〜7・5GBq

【硬さ(ロックウェル硬さ)】20〜65HRC

【湿度】マイナス10〜23℃(相対湿度・空気温度23℃において約10%〜100%に相当)

 供給範囲拡大 

【長さ】「0・5〜250mm」から「0・1〜1000mm」へ

【温度】抵抗温度計の温度範囲を「0〜200℃」から「マイナス50〜420℃」へ

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◆通産省はトレーサビリティ推進に意欲−校正サービス事業者に3社指定(98年5月24日号)

 計量標準供給体制の充実へ向け通産省が積極的な対応を始めた。通産省は五月十四日開いた計量行政審議会の計量標準部会で湿度、硬さ、流速・流量、放射能分野の計量法トレーサビリティ制度立ち上げを決めるとともに、計量標準供給の体制強化計画を討議した。通産省は産業界のニーズを重く受けとめており、二〇〇一年には百種類を超す供給を目標にする。

 生産活動や商取引の共通の基盤である計量標準の重要性はますます高まっており、通産省は計量標準整備体制強化の方策を練っている。国際間の相互承認の動きも加速している。

 計量法トレーサビリティ制度の新規分野立ち上げと温度、長さなどの校正範囲の拡大は五月二十六日開催の計量行政審議会で正式決定される。

新規認定事業者

 計量法トレーサビリティ制度の校正サービス事業者(認定事業者)に、五月六日付で三社が認定された。認定事業者は国家計量標準とトレーサブルであることを証明するJCSSロゴマーク付の校正証明書を発行できる。認定事業者は合計八十三事業所になった。

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◆計量史学会が三部会設置(98年5月17日号)

 日本計量史学会は四月二十四日午後一時から東京池袋の「滝沢」で役員選挙後の初役員会を開いて、新会長に岩田重雄氏(副会長、事務局長)、副会長に高田誠二氏を選任した。

 同会は新年度(四月〜)に先だって会則の全面改正を行ったが、役員選任は会員の直接選挙制をとりいれてすでに理事・監事を選出しており、今回の役員会は新旧合同役員会として開催した。

 役員会はこのほか広報、編集、事業の三専門部会の設置と各部会担当をきめた。また事務局長は当分空席とし、この間岩田会長が従来どおり事務を統括する。

 次回は新役員による役員会を八月一日午後一時から開く予定。

 岩田新会長は同会設立提唱者で小泉袈裟勝氏(副会長)らとともに設立に奔走し、同会の基盤づくりに貢献、国際的にも国際計量史委員会副委員長に推されている。

 なお、林英夫前会長並びに小泉袈裟勝前副会長は老齢を理由にかねてから辞意を伝えており、今回改めて名誉会員として協力をお願いすることになった。

 二月から三月にかけて郵送による直接選挙で選ばれた役員は次のとおりで、正副会長は理事による互選。

 新役員 

【会長】岩田重雄

【副会長】高田誠二

【理事】▽新井宏▽内川恵三郎▽川村正晃▽黒須茂▽斉藤和義▽多賀谷宏▽西田雅嗣▽西村淳▽前田親良▽蓑輪善蔵▽宮川■▽山田研治▽横田俊英(以上五十音順)

【監事】藤原泉

 日本計量史学会は今年の「計量史をさぐる会」を十月三日午後一時から長野県松本市の日本民俗資料館で開催する予定で準備を進めている。(非会員も参加可)

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◆春の褒章・叙勲(98年5月17日号)

褒章

【黄綬褒章】
▽菅藤好美 日本試験機工業会理事、(株)東洋精機製作所代表取締役社長

叙勲

【勲二等旭日重光章】
▽三野重和氏 (株)クボタ会長
【勲四等瑞宝章】
▽奈良部尤氏 (社)日本計量士会副会長、全日本硝子製温度計工業組合専務理事
▽小山榮一氏 日本試験機工業会会長、タバイエスペック(株)代表取締役会長
【勲五等双光旭日章】
▽上田耕次氏 (株)上田五兵衛商店会長、福井県計量協会会長、福井県医薬品卸業協会会長
【勲五等瑞宝章】
▽戸丸啓之氏 元(社)群馬県薬種商協会理事長

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◆補正予算案−知的基盤整備費に43億円計上(98年5月17日号)

 四月二十四日決定の総合経済対策に関連する通産省関連の補正予算案が明らかになった。中小企業対策二千六百二十二億円、新たな社会資本の整備千八百億円、アジア支援策二十三億円が柱で、基礎的標準など知的基盤(テクノインフラ)整備の加速的推進をはかるために四十三億円が計上されている。

 通産省は新たな社会資本の整備に力を入れ、基礎的標準など知的基盤整備を加速的に推進する。計量標準や環境ホルモン等化学物質安全性情報など知的基盤整備に必要な施設整備および民間ポテンシャルを活用した評価方法等を開発するとしており、国際計量標準センターの新設などをあげている。

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◆指定製造事業者を三件指定(98年5月3日号)

 本紙四月二十六日号既報のように通産省は、四月十日付で「指定製造事業者」に新たに濃度計など三件(三工場)を指定した。濃度計は九七年度から立ち上げた分野であり今回が初めての指定である。指定製造事業者は累計で八十七件(五十社五十八工場)になった。

 計量法の指定製造事業者制度は、検定が必要な計量器を製造し法で定められた一定の品質システムを満たす企業が、自社の検査で検定と同等の効力がある基準適合証印を付すことができる制度。

 今回指定されたのは、竃x場製作所(濃度計第一類・指定番号392601)、白河精機兜\郷工場(ガスメーター第一類・190702)、東洋ガスメーター(株)七美工場(ガスメーター第一類・191601)。

 濃度計第一類は酒精度浮ひょう、ガラス電極式水素イオン濃度検出器、ガラス電極式水素イオン濃度指示計を除く濃度計。ガスメーター第一類は使用最大流量が二・五立方メートル毎時以下のものである。

 今回の指定で指定製造事業者は八十七件(五十社五十八工場)になった。内訳は国内七十八件(四十三社五十一工場)、指定外国製造事業者が九件(七社七工場)。

 事業区分別では、国内が質量計第一類十二件、血圧計第一類八件、抵抗体温計四件、温水メーター三件、積算熱量計二件、ガスメーター第一類十三件、同第二類十二件、圧力計第二類一件、液化石油ガスメーター一件、騒音計一件、水道メーター第一類十件、同第二類九件、自動車等給油メーター一件、初指定の濃度計第一類一件である。

 指定外国製造事業者は、血圧計第一類二件、抵抗体温計三件、質量計第一類三件、積算熱量計一件。国別では中華人民共和国六件、大韓民国一件、シンガポール一件、ドイツ一件。

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◆計量士への道の一つ-計量教習所の一般計量教習、5月26日まで募集、7月8日試験(98年5月3日号)

 通産省は四月二十七日付で一般計量教習の時期と計量教習所の入所試験に関する事項を告示した。

 一般計量教習は、検定や定期検査に従事する都道府県などの職員や、計量士になろうとする人が、計量教習所で必要な技術や実務を身につけるもの。

 計量士になろうとする人は、一般計量教習に加えて、なろうとする計量士の区分に応じて特別教習を受けなければならない。

 計量士になるには、このほか毎年三月に実施される計量士国家試験を受験する方法がある。

【問合せ先】
通商産業省計量教習所=東京都東村山市富士見町五−四−三六、〒一八九−〇〇二四、TEL〇四二三−九三−二五二一

○通商産業省告示第二百三十七号

一 試験期日 平成十年七月八日

二 試験場所

三 試験科目 一般常識、数学及び物理学

四 受験資格

  1. 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校を卒業した者
  2. 大学入学資格検定規程(昭和二十六年文部省令第十三号)による資格検定に合格した者
  3. 通商産業大臣は前各号に掲げる者と同等以上の学力を有すると認定した者

五 教習の時期 平成十年九月一日から十一月二十七日まで

六 教習内容の概要 計量法施行令(平成五年政令第三百二十九号)第三十二条に規定する職員並びに計量士になろうとする者に必要な技術及び実務

七 予定人員 約六十名

八 受験願書提出期間 平成十年四月二十七日から平成十年五月二十六日まで

九 受験願書提出先 通商産業省計量教習所(東京都東村山市富士見町五丁目四番三十六号 郵便番号一八九−〇〇二四)

十 提出書類(各一通)

  1. 入所試験受験願書(計量法施行規則様式第九十六によるもの)
  2. 履歴書(計量法施行規則様式第六十五によるもの)
  3. 写真(大きさは、縦、横各五センチメートルとし、受講申請前六月以内に、正面、半身、脱帽で撮影したもので、裏面に氏名を自署したもの)
  4. 学校教育法による高等学校卒業証明書又は文部大臣が交付した資格検定合格証明書若しくは計量法施行規則第百二十条第一項の規定による通商産業大臣が認定したことを証する書面
  5. 健康診断書
  6. 事業所又は事務所に勤務している者で、当該事業所又は事務所の長の推薦により入所試験を受けようとする者は、当該事業所又は事務所の長の推薦書
  7. あて名を明記した返信用封筒(大きさは、長形三号のものに限る)

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◆検定の有効期間を検討する計行審の分科会開く(4月24日)-燃料油メーターなど9種類の検討始める(98年5月3日号)

 検定の有効期間などを検討している計量行政審議会の検定有効期間等分科会の九八年度第一回会合が四月二十四日、通産省で開かれた。本分科会は検定の有効期間等を五年間かけて見直すことにしているが二年目の九八年度は燃料油メーター、液化石油ガスメーター、振動レベル計、濃度計(九種類)について検討する。五回開催予定の会議で検討し、本年十一月には分科会として結論を出すことにしている。

 本分科会は、九七年度はガスメーターなどのいわゆる第一グループの検定の有効期間などを検討し、検討全機種について有効期間を延長する結論を出した。計量行政審議会の答申を経て、計量法の関係法令が改正され、本年四月一日から施行されている。

 九八年度は燃料油メーター、液化石油ガスメーター、振動レベル計、濃度計(九種類)について検討する。このうち紫外線式二酸化硫黄濃度計など六種類の濃度計は当初の計画では次年度(第三グループ)の検討器種とされていたが、可能な限り前倒しで検討する方針や、測定原理や使用実態などから他の濃度計と合わせて検討することが効率的であるとして本年度に検討することになった。

定期検査制へ移行の可能性も検討

 燃料油メーター、液化石油ガスメーターは、計量行政審議会の九一年八月三日付の答申で「ユーザーの自主検査が進みつつあること等を理由として定期検査の対象とすべきではないかという指摘もあり、定期検査に移行できるかどうかの検討を行う」とされており、委員の間で議論はあったが、本分科会で各器種の検定の有効期間の適正な「期間」の検討にとどまらず、定期検査制度への移行の可能性や是非についても検討することになった。

 第一回会合では事務局から本年度に検討する器種(第二グループ)の使用実態や構造などについて説明した。次回は五月二十九日に開催される。

【本年度検討対象計量器】(○印は計量証明検査の周期も検討)
▽燃料油メーター▽液化石油ガスメーター○振動レベル計○濃度計(非分散型赤外線式二酸化硫黄濃度計、非分散型赤外線式一酸化炭素濃度計、非分散型赤外線式窒素酸化物濃度計、紫外線式二酸化硫黄濃度計、紫外線式窒素酸化物濃度計、溶液導電率式二酸化硫黄濃度計、ジルコニア式酸素濃度計、磁気式酸素濃度計、化学発光式窒素酸化物濃度計)

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