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日本計量史学会
2019年度定時総会・研究発表会を開催
2019年3月20日、日本計量会館で

日本計量史学会:2019年度定時総会・研究発表会を開催、2019年3月20日、日本計量会館で

 日本計量史学会(内川恵三郎会長)は「2019年度定時総会・研究発表会」を、2019年3月20日、日本計量会館で開催した。


総会のようす

■2019年度総会を開催

 13時から2019年度定時総会を開催した。司会は小川実吉理事。


小川理事

 内川恵三郎会長があいさつした。


内川会長

 総会の成立を確認し、山田研治氏を議長に選出し、議事を進めた。


山田氏

 議案は、2018年度決算案、監査報告。山田氏が説明、岡路正博監事が監査報告をした。2018年度決算案は原案どおり承認された。


岡路氏

 報告事項は2つ。報告@2018年度事業報告、報告A2019年度事業計画、同事業予算。2018年度事業報告は小川実吉理事、2019年度事業計画、同事業予算は山田研治氏が説明した。

日本計量史学会:2019年度定時総会・研究発表会を開催、2019年3月20日、日本計量会館で

■講演・研究発表会

 講演・研究発表会を開催した。

 特別講演は2題。特別講演の司会は大井みさほ副会長。


大井氏

 1つめは、産業技術総合研究所計測総合標準センター工学計測標準研究部門の植木正明氏が「分銅校正技術の高度化に携わって」と題して講演した。


植木氏

 植木氏は、▽分銅校正業務の立ち上げ▽全自動質量比較器の設備▽気中ひょう量装置の開発▽サブミリグラム分銅の開発▽分銅の特性評価技術―体積、磁気特性、表面粗さ―▽定義改正後の質量標準、を解説した。

 日本の質量標準の供給の歴史と工夫、遠隔制御による全自動質量比較器による分銅校正の効率化、気中ひょう量全自動質量比較器など質量校正に関わる装置の新たな開発、20年に及ぶ質量の標準供給の歴史など、1mgから20kgの質量範囲において、E1級相当の分銅校正を定常的に実施する校正技術を確立してきたことを報告した。

キログラムの定義改定後の質量標準体系も説明した。ふだん知ることが少ない興味深い内容であった。

 2つめは新井宏日本計量史学会理事による「日本計量史の祖・狩谷※齊讃歌」。新井氏は、狩谷※斎と自らの関わりのなかで、狩谷※斎の人物像を明らかにし、計量史における業績を解説した。


新井氏

 研究発表は3題。司会は、山崎敬則理事と西脇康理事。

山崎氏
西脇氏

 日本計量史学会の山田研治氏が「計量会館展示委員会報告から「律呂黄鍾管と度量衡―小泉袈裟勝先生の黄鍾管長の実験―」」、松本榮壽理事が「電気の精をめぐる旅」、藤原正克氏が「徳川幕府の織物寸法統制と取引の実態」を発表した。

 山田氏は、日本計量会館にある小泉袈裟勝氏の黄鍾管長の実験と関連づけて、所定の周波数の音を発する笛の長さは一定であるはずなので,そこに〈度〉の基準を求めるという考えでの基準笛である黄鐘管の長さを検討した。


日本計量史学会も参画して整備された、日本計量会館の計量関係資料展示。

 松本氏は、1937年のパリ万国博に出品されたラウル・デュフィの巨大な壁画《電気の精》に描かれている歴史、科学史上の著名な人物を特定して解説し、あわせて当時の科学・技術の環境にも言及した。


松本氏

 藤原氏は、秩父絹の丈尺幅不足を実例として、徳川幕府の治世下での幕府や各藩の寸法統制と織物の丈尺幅をめぐる問題の実態把握と原因を考察した。


藤原氏

 発表会終了後は、黒須茂副会長の司会で、西安刀削麺酒楼神楽坂店で懇親会を開催し、交流を深めた。乾杯の発声は、飯塚幸三理事。


黒須副会長


乾杯のあいさつをする飯塚理事


懇親会のようす(乾杯)


懇親会のようす


懇親会のようす


懇親会のようす

日本計量史学会:2019年度定時総会・研究発表会を開催、2019年3月20日、日本計量会館で

 

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