日本計量新報　2015年6月28日 (3062号)6面掲載

あれから4年

東洋計器興業(株)　藤原勉

西暦2011年7月のヨーロッパ（フランス・ドイツ）訪問視察から早や4年が経過しました。この間、国内ではさまざまな変化がございましたが、われわれが生産する製品についての原理原則はまったく変化なく、発祥以来160余年経過した現在も地球上に変化がない限り永久に存在し続けるのが圧力計（ブルドン管圧力計）製造に携わる宿命でございます。
　日々改革・改善・改正・改定・改作…と次から次へと押し寄せてくる昨今の余裕のなさ、また、地球上でも日々あれ以来地震・火山噴火等、世界の至る所で勃発し、特にわが国は火山帯が多いために一時も気を許すことができません。
　反面、悠々自適の方々も多々見受けられます。それは過去の経験からの知恵で、日本人特有の産物かもしれません。これからはバランスの取れた日本人独特の才能を生かして、日本から世界に発信していかなればならないと思います。
　その傍ら、人生を大いに実のあるものに仕上げねばなりません。それは己が好むものを選び追求することであります。
　小生は画くことが好きで、自然にその道に入って行けそうです。以前より京都に出かけお寺めぐりをしては、一筆でお寺を画くことが、圧力計を造るごとく素直に画いておりました。陸上競技で走るより数段楽で、心地よい走りになるように思えてなりません。さらに人生の一助となるのは趣味を大いに生かすことです。前述したごとく画くことが好きで若い頃から書道・華道・茶道と日本特有の道がございますが、反面体力を強化するために登山・ハイキング・ランニングと仕事の傍ら励んだことでした。
　現在では生け花や囲碁等に興じております。このように小生は下手(へた)の横好きでまったく理解のできないことを平気でおこなっています。何分ストレスの解消と起爆剤としてこよなく勤しんでおります。
　計量の世界に入って60年が経過いたしますが、昭和から平成の時代はまさに変化の連続で幾度の変化にも辛抱しつつ対応してまいりました。
　世のなかすべて良ということはありません。天秤計測で平衡を保つごとく常にバランスの取れたことは欲深い人間の仕業では無理といえましょう。しかし先端者はこの舵取りを間違いないよう計画しながら常に安定・安心の世のなかにすべきで互いに信頼を携われる人間形成こそすばらしい先端者の役目と思えてなりません。（取締役会長、日本圧力計温度計工業会顧問）