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計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事寄稿・エッセー(2015年一覧)>【小野威】新しいことにチャレンジしよう

日本計量新報 2015年2月22日 (3046号)2面掲載

新しいことにチャレンジしよう

OTプランニング(株)代表取締役 小野威

小野威今回、技術コンサルタントとして感じたことを私なりの考え方に沿って述べてみたいと思います。
 最近の日本企業の世界での凋落ぶりは目を覆いたくなるようですが、日本の産業界は高度成長時代から安定時代になり、最近では衰退期に突入してきているような現実にゾッとしております。特に、過去に技術革新を売りにしていた名門企業がその面影さえ失いつつあり、日本の産業界には将来性があるのか疑問を感じております。私が強く感じていることは、産業界全体として新しいことにチャレンジしなくなってきているのではないかということです。特に若い世代の皆様のやる気が失われつつあるように思えてなりません。何かにチャレンジするときの目の輝きが失われており、その日の仕事?(与えられたもの)を問題なくこなすことが仕事と考え、与えられた仕事以外は決しておこなわず、それによって給料が得られる現実は非常に楽???であり、無理して多くの幅広い知識が必要でリスクがある新しいものにチャレンジする必要がないのでしょう。新しいことへチャレンジすることが結果として技術革新をもたらし、産業界の発展に大きく貢献していくことになるのですが、今の状態では日本の産業界の将来が非常に心配です…。新しいことへのチャレンジには必ずリスクがともないますので、失敗することもあると思います。与えられた仕事?を問題なくこなしておけば給料は確保されるのですから、新しいことへのチャレンジは無謀なことになるのでしょうか?
 どうしてこのようなことになってきているのでしょうか?私が思うに組織の問題があるのではないでしょうか。結果としてマネージメントの問題で、上司が御身かわいさや保身のために部下に現状維持の安全運転を要求していないでしょうか?仮に、部下が新しいことへのチャレンジを提案した場合、「本当にできるの?」「大丈夫なの?」「できなかったらどうするの?」「余計なことはやらずに、与えられた仕事をしっかりこなしてください」等で部下のやる気をなくしてはいないでしょうか?そのため、多くの人達に新しいことへのチャレンジは馬鹿を見ることになるような風潮が蔓延してきており、その結果、与えられた仕事以外の仕事をしなくなってきているのではないでしょうか。そしてその与えられた仕事のみが仕事と考え、その仕事を抱え込み、さらにそのなかで自分が問題を起こしていることに気づかず?忙しくしていないでしょうか?まるでハムスターのごとく同じところをグルグル回っているようですね。でも残念なことに、この現状を理解せず、忙しい、忙しい、時間がないと、さも仕事を人一倍こなしているように振舞っている人が多いような気がしますが…。
 新しいことへのチャレンジはすばらしいことであり、新しい技術等が生まれるその達成感は非常に大きなものとなりますし、その喜びも大きなものになります。
 現実として、一部の企業をのぞいて衰退期に入っている日本の産業界は、高度成長期に技術革新をおこなってきたような状態に戻ることはできないのでしょうね。そしてこのような状態が長く続いていると、ぬるま湯同様に居心地がよく、新しいことへのチャレンジはできないことになってしまいます。では、高度成長期の日本企業のような新しいことにチャレンジしていた活力ある状態に戻ることはできないのでしょうか。どうしたら新しいことにチャレンジできる環境になるのか私なりに述べてみたいと思います。
 現在の安定期や衰退期にできている組織に問題があると思います。この組織においては新しいことへのチャレンジより安全でリスクがないことを選択している傾向が強くなっているのではないでしょうか。全員が組織に束縛されている限り新しい発想はできないでしょう。そこで組織を超えた活動ができるようなしくみを作ることが必要ですので、必要に応じてプロジェクトを立ち上げ、プロジェクトごとに各組織から必要な人材を選別しプロジェクトメンバーが共通目標・認識の基で組織を超えた自由な発想で活動できるようにしたらよいかと思います。新しいチャレンジなくして技術革新は生まれません。その時に大切なことは、結果も重要ですが、結果が思わしくなくてもそのプロセスをしっかりと評価していくことが重要です。このように新しいことへのチャレンジが技術革新をもたらし、産業界の発展に繋がるものと思っております。
 今の若い人達がキラキラと目を輝かせて、生き生きと仕事に取り組んでいる姿はすばらしいことであり、結果として日本の産業界の発展をもたらすことになると思っております。
 計量の世界においても同様のことがいえます。計量・計測は産業の基盤を担っており、新しい技術の革新が産業界の発展に大きく貢献できることになりますので、新しいことへのチャレンジが必要であります。また、計量士の皆様も資格に守られていることに安住せず、常に新しいことへチャレンジする気持ちを持ち続け、新しい知識を幅広く吸収していくことが資格の細分化を必要としない計量のオールマイティに繋がると思いますが…、皆さんはいかがお思いでしょうか?


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