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2015年 計量関係団体 年頭所感

工業会の製品は「縁の下の力もち」

日本試験機工業会会長 岡崎由雄

岡崎由雄 新年明けましておめでとうございます。
 いよいよ2015年の幕開けとなりました。皆様におかれましても、決意を新たに新しい年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 振り返ってみますと一昨年、新政権発足の年として、15年あまり続いたデフレ脱却と経済再生を目標として「アベノミクス」3本の矢が華華しく放たれ、経済の成長軌道への回帰を目標に大胆な金融緩和策を実施し、円安、株高へと一時的に推移しましたが、その後の行き急ぎた円安(一時1ドル=121円)は原材料やエネルギー資源の輸入コスト高が災いして産業界の景気はまだら模様のまま年を越しました。
 また財政再建に向けた消費税率8%への引き上げ効果は3月までの駆け込み需要のあと、一般消費者にとっては財布のヒモを固く締める結果になったのではないでしょうか。
 昨年秋までのGDPが予想に反してマイナス実績だったことを受けて消費税10%への引き上げは延期されましたが、昨年末の出直し選挙後の政策も不透明で本年の経済成長は未知数です。
 資源に乏しいわが国にとっては、ワールドワイドな工業製品を造成する「技術立国」として「科学技術」が経済、産業に重要な生命線の1つです。常に科学技術分野で世界の最先端を追わなければなりません。日本には最先端の「ものづくり」に欠かせない素晴らしいDNAがあります。
 私は日本人技術者の「技術魂」がわが国経済の再生に大きな役割を果たすと思っています。
 昨年のノーベル物理学賞は日本人科学者3人が受賞しました。今世紀中に実用化は不可能といわれた「青色ダイオードLEDの発明と実用化」を日本人が果たしました。
 また、人間の知能と筋肉に近い性能を持って筋肉労働や歩行アシストをするロボット技術が進められております。
 さらに医療分野でもロボットが手術をする時代となりました。今やこの技術も日本が世界の最高水準であります。
 開業以来50年間、一度も死傷事故のない新幹線など日本の経済、産業の活力である物造りは次世代に向かって過酷な環境下で長時間の使用に耐えうる高い品質が求められますので、物造りの研究開発、試作には実証テストが不可欠であります。21世紀の「ものづくり」は、国境を越えた地球規模での世界工場といわれておりますが、その一方、環境破壊、資源・資材のリサイクル、IT革命など諸産業界が取り組まなければならない課題が山積しております。そのための「縁の下の力もち」は日本試験機工業会会員各社の製品です。
 本年9月16日〜18日、東京ビックサイトで「テスト2015第13回総合試験機器展」が開催されます。前回の「テスト2013展示会」には61社110小間が出展され、13634名の入場参観がありました。今回も「見せる信頼、確かな品質」を掲げ、安心・安全を確かなものとする試験機づくりを進めてきた会員各社の最新機器の展示に加え、センサエキスポジャパン、測定計測展、セラミクス&ガラス技術展の展示会が同時開催となり、本年その成果が大いに期待されます。どうぞご期待下さい。

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