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私の履歴書 蓑輪善蔵(日本計量史学会会長)                 

通産省計量教習所所長時代

 

 

 

答えに窮する修了生も

 この面接は計量教習所長が委員長を務め、面接委員は東京都計量検定所長と計量研、物質研、資源技術研、電総研から計量管理、大気汚染、水質汚濁、騒音・振動の各担当官が当たり、経験の程度を査定していました。この面接は受験者1人がこれだけの担当官に囲まれて質問されるため、平常心では答えられず、苦労した人が随分多かったようでした。教習所長は教育の責任者でもあり、質問に答が出ないときにはハラハラしたものでした。面接が始まる最初、気分をほぐそうと色々な話をしながら面接に持っていきました。2ヶ月の環境計量特別教習が修了する時には、面接で必ず問われる質問の幾つかを話しておくのですが、面接の時それが答えられないことが多く、腹立たしい気がしたこともありました。

ゴルフは10回しただけ

 通商産業研修所は主幹が総てを仕切り、所長は官房長の兼任で、大きな所長室はあっても所長のいたためしはありませんでした。私が赴任した当時の主幹は鬼塚さんで昼休みには体育館でバドミントンをしていて、はじめの頃私も参加してラケットを振っていました。

 教習所の桜井さんは機械試験所時代、野球、卓球の正選手、ゴルフもシングルの腕前でスポーツ万能選手、私も随分一緒させられました。ゴルフも計量課の旅行会に参加しては何回か若い人たちとグリーンを回りました。私はゴルフにかかる費用や朝早くから丸1日の拘束には耐えられず、ここまで全然練習もしたことがありませんでした。ゴルフをしなければ人にあらず、の風潮、電車を待つ間も洋傘を振る姿、大きな荷物を混む電車に持ち込むのを見れば、天邪鬼な私は亡国のスポーツなどと毒づいていました。ゴルフはその後熱中しませんでしたが、弟達とのコンペを含めて10指近く、練習もせずにグリーンを回っただけです。

 初めて計量課のゴルフコンペに参加する前、研修所の鳥かごでクラブを振り練習をしましたが、なかなかまともに当たらず、野球やテニスに自信を持っていた私としては不甲斐ない思いをしたものです。この頃にゴルフの盛んな兵庫県の方々がきましたが、話の中で初めてのグリーンではドライバーは使わず、5番アイアンからにしたらなどと注意されたことが思い出されます。

 教習所職員の昼休みは午後の授業が始まってからの1時間でしたので、教室近くのテニスコートは使うことができませんので専ら体育館でのバドミントンや卓球でした。

高橋照二さんの計量研退職

 計量教習所に移って1年ぐらい経った頃でしょうか、高橋照二さんから計量研退職の相談がありました。はかりの専門家として長い間計量法の施行に、教育に、指導に携わってきましたが、先輩、同僚も少なくなり、幹部も若くなり、そろそろ退職の時期と考えたことのようでした。高橋さんは計量研入所、物理学校とも1年先輩でしたが、計量研内では一緒に野球チームを作ったりして同じように過ごしてきていました。高橋さんの希望も聞き、面識はありませんでしたがタニタ製作所の神谷茂社長にお願いに伺いました。快く会っても頂き、話がスムーズに進み、計量研にバトンを渡し、高橋さんはタニタに移りました。

酒井五郎さんと天野重昭さん

 物理学校の先輩で、4部2課長の前任者酒井五郎さんが、千野製作所を退き、後任の推薦と、計量士の仕事に変わりたいとの希望を話しにきたのもこの頃だったでしょう。後任には天野重昭さんを推し、酒井さんの仕事は千葉県の斎藤勝夫さんにお願いし決めてもらいました。

通産研修所との交流

 通商産業研修所は官房総務課の所管でしたが、私の在任中に野球や卓球などでの顔見知りの人達も職員として在職していたこともあって、研修所とも仲良く付き合っていました。終戦後間もなくの頃、中検に在職していた飯島和子さんがアルバイトで研修所の受付にいたのも奇遇でした。また計量課にいた鷲沢さんも一時研修所の主幹になっていて、研修所と教習所一緒の旅行に石和温泉に行ったこともありました。

 元大阪通産局長で病気のリハビリを兼ねて研修所長になり、毎日所長室にいた人で、囲碁の上手な人がいて、碁がリハビリに良いということもあって、私も随分とお相手をしましたし、プロ棋士の白江治彦七段が見えたときには、研修所長と一緒に白江さんに打っていただいたことも何回かありました。

数学、物理の補習授業

 都道府県や特定市から一般計量教習に入所する人の中には、配置転換で他部局から移ってきた人、新卒でも物理の単位を履修していない人や、数学にも馴染んでいない人がいて、講義に苦労する人もいました。少なくとも高校初期位までのものを思い出しておいてほしいので、中原さんにも無理をお願いし、教習が始まる2週間ほどを当てて中原さんに物理、私が数学の基礎を補修授業したこともありました。一般計量教習を終え環境計量特別教習を受講する人達は毎期30名程で、環境計量士の取得を目的にする者約10名内外、それに都道府県や特定市から、指導、監督の立場から必用な知識を得るための人達でした。

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