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2004/08/25

今日の計量新報ニュース(日刊 計量計測データバンク)                 

献血不合格者が増加 鉄分不足が原因か

 献血を申し込んでも、血液が薄いことを理由に「不合格」になる人が全国的に増えている。福岡県内のある女子大では昨年末、希望した学生の約七割が献血できないケースもあった。鉄分の摂取不足が原因とみられるが、鉄は赤血球中で酸素を運ぶヘモグロビンの材料になるため、深刻な場合は、記憶力や持久力が低下する鉄欠乏性貧血を招く。欠食の増加など食生活の乱れが指摘されており、専門家は「国は新たな『国民病』と考え、栄養指導を徹底すべきだ」としている。

 日本赤十字社(東京)によると、全国で二〇〇三年に献血を申し込んだ人のうち、血液が基準より薄い「比重不足」だった割合は、女性が16・5%で、一九九八年より3ポイント増。〇三年の申込者(約三百万人)を基に試算すると、この五年間で約九万人増えた計算になる。男性は、〇三年が九八年の倍の0・8%で、同じく申込者(約三百七十万人)に基づくと約一万五千人増えたことになる。

 献血できる血液の濃さ(血液比重)の基準は男女共通で、一般的に男性より血液が薄い女性は、健康に問題がなくても不合格になりやすい。ただ、女性は生理・授乳などで鉄分を失いやすいため、血液疾患に詳しい長崎県諫早市の木下研一郎・恵寿病院長は「女性の半分は自覚がないまま鉄欠乏性貧血か、その直前という危機的な状況に陥っている」と懸念。また、女性より血液が濃い男性がアウトになる事例が増えていることは、「診察が必要な貧血が懸念される男性は多いはず」(日赤)とみられ、男女ともに“危険水域”に達しているのが現状だ。

 全国的に献血申込者は年々少なくなっており、全国の日赤血液センター関係者からは「食生活の改善指導をしないと、献血事業自体にも大きな影響が出る」と危ぐする声が相次いでいる。

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