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2003/04/03
今日の計量新報ニュース(日刊 計量計測データバンク)
<気候>現在の暖かさ、前例ない長さ 南極の氷で34万年分解明 深さ2500メートルから掘削された南極大陸の氷柱を使い、国立極地研究所(東京都板橋区)などの国際研究グループが過去34万年間の地球の気候変動を明らかにした。現在の温暖な気候は前例のない長さで、人間活動が自然の変動を上回る影響を与えていることが浮き彫りになった。3日発行の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。
南極に降り積もった雪は、重みで固まって氷床を作る。氷を構成する水素や酸素を調べることで過去の気温を推定できるという。
国際研究グループは、南極大陸の「ドームふじ基地」(標高3810メートル)と、そこから1500キロ離れたロシアのボストーク基地の2地点で掘削された氷柱の成分を比較分析した。
その結果、両基地の気温変化の様子はほぼ一致し、この34万年間に、11万年に及ぶ氷河期と、数千年の温暖な間氷期がそれぞれ3回あることが分かった。現在は間氷期にあたり、その期間は1万年以上と、過去2回に比べてかなり長いことが分かった。
氷河期から間氷期にかけての気温変動を調べると、数千年で約10度の変化だった。国連の専門家グループは、地球温暖化に伴う今後の気温上昇を「100年間で最大5.8度上昇」と予測しているが、これほどの温度上昇率は過去に経験していないことも判明した。