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2003/01/14

日刊 日本計量新報(日刊 計量計測データバンク)                 

世界初の海洋温度差発電、来月に発電実験を開始

 兵庫県明石市の環境関連ベンチャー「ゼネシス」と佐賀大学がインド政府と共同開発した世界初の海洋温度差発電の実証施設が完成、2月上旬にインド南端の洋上で発電実験を始める。出力1000キロ・ワットで、2000人分の電気を賄う能力があり、火力発電よりコストは安く、汚染物質や温暖化ガスも出ない。その結果は、3月に京都市などで開かれる世界水フォーラムの関連行事で発表する。
 同施設は、長さ70メートル、幅16メートルのプラント船で、上原春男・佐賀大学長が開発した「ウエハラ方式」と呼ばれる熱交換器を積んでいる。インド近海の海面付近は水温約30度で、この暖かい海水で、高圧を加えて液化したアンモニアを蒸気に変え、タービンを回して発電、水深1000メートルからくみ上げた水温6度ほどの深層水で冷やして液体に戻す。
 海洋温度差発電は、100年以上前に考案されたが、温度差が小さいため効率が悪く、実用化は難しいといわれていた。しかし、94年に上原学長らが、アンモニアに少量の水を混ぜ、タービンを2つ使うことで効率を向上させた。
 研究グループは、10万キロ・ワット級の発電装置を作れば、火力発電の1キロ・ワット当たり約10円より2―3円安くなると試算。低コストの電力を求めていたインド政府が約8億円の建設費を提供することで合意した。
 2月初め、インド南部のトゥーティコリンを出航。35キロ沖合で発電を開始。4月ごろまで実験を続ける予定で、上原学長は「パラオなどの島国や中東諸国との共同計画も進んでいる」と話している。

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